No.132 湯浅 尚子様(横浜甦生病院)後編「お互いが磨き合う環境」

No.132 湯浅 尚子様(横浜甦生病院)後編「お互いが磨き合う環境」

  • 2018年5月9日
  • インタビュー
No.132 湯浅 尚子様(横浜甦生病院)後編「お互いが磨き合う環境」
No.132 湯浅 尚子様(横浜甦生病院)後編「お互いが磨き合う環境」

前編に引き続き、横浜甦生病院の湯浅看護部長へのインタビューをお届けいたします。

重い意味を感じて

 

こちらで行われていらっしゃる看護で、一番大事な点は何でしょうか。

 

湯浅:寄り添えることではないでしょうか。

確かに技術的、知識的な面でも大切な事は色々あるとは思います。

でも「患者さんの立場に立つことが出来、寄り添えること」、これに尽きると思います。

あまりにもよく耳にするため、時折軽く感じてしまうこともある言葉ですが、私はここにはいくら重みを置いてもいいくらいだと思います。

スタッフたちにも、ずっしりと重い意味を持つ言葉として受け取って欲しいと思いますし、受け取ってくれていると思います。

 

こちらに勤務されている方はどのような方が多いですか

 

湯浅:最近3年目や5年目の人が入職しており、新卒で入職される人は居ません。

ですが一度入職されると長く勤務される方が多いです。

 

今後新卒の方が入っていらっしゃる予定はありますか。

 

湯浅:新卒者の入職に関しては、まだ当院の名前があまり知られていませんので、まずはこれから就職説明会などで病院をアピールしていければと考えています。

これまでに1名だけ2年目で入職された看護師もおり、緩和ケア病棟で頑張って看護をしております。

小規模な病院ですが一人一人にプリセプターをつけて教育していきますので、経験年数はあまり心配せずに来て頂きたいと思います。

 

では、今後どのような方に来て頂きたいですか。

 

湯浅:やはり「患者さんに寄り添える人」です。

面接ではなかなかわからないこともありますが、「人が好き」という事が一番大事だと思います。そういう方に来て頂けたら、アットホームな環境でいくらでも教育はしていきたいと思っております。

 

看護補助者の方などは採用されていますか。

 

湯浅:病棟の事務的なことは病棟クラークへ、他に、外来クラーク、看護補助者は療養病棟で10名弱、全体で20名程採用しております。

日常生活の援助として、緩和ケア病棟では看護師と一緒に入浴介助や排泄介助、シーツ交換の業務を行っております。

介護福祉士資格を持っている職員は数名いますが、殆ど、無資格者の職員となります。

ボランティアの方にも週2回ほど傾聴やティーサービス、季節に合わせたお花や絵の掲示、演奏会などで入ってくださっています。

落ち着いて静かな病院ですが、演奏会などでは活気に溢れています。

 

お互いが磨き合う環境

 

こちらの教育に関して教えて頂けますか。

 

湯浅:年間の教育計画を作成して、それに沿って教育を行っております。

当院で実践している看護をもっと外にも広めていきたいと考えておりまして、毎年各病棟、外来で看護研究を行っております。

その中から神奈川県の看護学会や、家族看護学会などで発表しております。

スタッフが日々一生懸命行っていることが、学会に出せる質であることがとても嬉しいです。

 

そこまでみなさん熱心ですと、お互いに切磋琢磨できますね。

こちらには専門や認定看護師の資格をお持ちの方はいらっしゃいますか。

 

湯浅:緩和ケア病棟には緩和ケアの認定看護師がおります。

認定看護管理者はセカンドレベルまで進んでいる看護師長1名と看護主任、1名、昨年サードレベルまで修了した看護師長1名おります。

病院として、目標を持ち続けている方は応援しております。

 

聖仁会には合計4つの病院がございますが、人事異動やローテーションはございますか。

 

湯浅:千葉と神奈川ですので、距離が離れている問題もあり、まだグループ間での人事交流などはありません。

例外的に神奈川県の同グループ病院から当院へ異動して来た看護職員はおります。今後交流を増やせていけたらと考えています。

当院内では、ローテーションサイクルは決めておりません。基本的に配属先は入職された方の希望に合わせて決めております。

一般病棟・療養病棟・緩和ケア病棟がありますので、途中で異動の希望があれば、面談後に異動することも可能です。

緩和ケア病棟の場合は経験を積めば認定看護師への道も開けますので、目指したいスタッフには是非挑戦してみて貰いたいと思っています。さらに専門的な看護を病院として提供できる体制が整えば嬉しいです。

 

看護師にとってリフレッシュする時間はとても大切だと思います。

看護部長はどのように気分転換をされていますか。

 

湯浅:主人の実家に畑がありまして、そこで畑仕事をすることが好きです。

つい最近春野菜を植えに行ってきました。

土に触れると自然に帰る感覚が得られ、精神的に落ち着きます。

昨年は結構野菜が育ちまして、自分の畑から採ってきて食べたり、親戚にお裾分けをしたりという楽しみがありました。

自宅でもベランダで花や野菜を育てながら自然と触れ合う時間を作っています。子どもと孫の食事を作って一緒に食べるのも良い気分転換になりますね。

自分の家族との関わりも大切にしています。

 

看護部長からのメッセージ

 

最後にメッセージをお願いします。

 

湯浅:横浜甦生病院看護部長の湯浅です。こんにちは。

当院は緩和ケア病棟12床、医療療養型病棟30床、一般病棟39床の小規模病院です。

私は3年前に着任しましたけれども、「どうしてこんなに患者さまに寄り添った看護を提供しているのに、知られていなかったのだろう」という思いでいっぱいでした。

今後も当院で行なっている看護を外にアピールし、患者さんやご家族に満足して頂けるような看護の提供ができるようにしていきたいと思っています。よろしくお願い致します。

 

シンカナース編集部 インタビュー後記

神奈川県で2番目に緩和ケア病棟を開設したという、緩和ケアのパイオニア的存在の横浜甦生病院。

小規模な病院ではありますが、そこで働く方々の看護にかける熱意は大規模病院と比較しても決して引けを取りません。

それは患者さんとそのご家族の人生に関して、重大な責任があるという自負から来ているのではないでしょうか。

医療看護に関する情報を開示する、わかりやすく伝えるという透明性は勿論大切です。

そこからもう一歩踏み込み、提供した看護・介護に納得して頂けているのかどうかを大切にされているお話がとても印象的でした。

終末期医療に携わる全員が考えなければいけない課題だとも感じます。

湯浅看護部長、この度は大変興味深い貴重なお話を頂きまして誠に有難うございました。

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白岩 憲子
A-LINE株式会社 シンカナース副編集長
聖路加国際大学卒業 看護師 保健師 東京武蔵野病院