No.128 浅倉公子様(稲毛病院)後編:働きやすい職場づくり

インタビュー

前編に引き続き、稲毛病院の浅倉看護部長へのインタビューをお届けいたします。

看護職員の多様化を進める

これからは新卒採用も積極的に行いますか。

浅倉:これまでは即戦力の採用が多く、新卒の方の採用をあまりしていませんでしたが、今後は新卒の方にもぜひ入職していただきたいと考えています。

来年には入職いただけるように、マニュアルなどの教育基盤を整えて、昨年には、就職説明会にも行かせていただきました。

新人を育てることも、私たちの仕事だと思いますので、今後は新人教育にも力を入れていきたいと思っています。

男性スタッフはいますか。

浅倉:看護師は夜勤専従も含めて、120人ぐらいで、年代も様々です。

私が入る前は、男性看護師はいませんでしたが、今では男性看護師だけでなく看護補助者もいらっしゃいます。

少しずつ男性職員も増えてきており、今年の4月から男性2人が新たに入職されます。

男性の看護師さんに入っていただくことで、患者さんへの対応も全然違うように感じます。

看護補助者はどのくらいいますか。

浅倉:看護補助者については、各病棟10人を配置したいところではありますが、看護補助者には系列病院にも行っていただいているので、今は各病棟8人ほどの配置になります。

現状は全体で30人くらい看護補助者の方がいらっしゃると思います。

2月にミャンマーに行って、看護補助者として勤務いただけるように、入職者の面接をしてきました。14ヵ月後に来ていただける予定になっています。

外国人の受け入れもしているのですね。

浅倉:高齢化が進む一方で、介護者がいない状況で、国としても外国からの看護補助者の雇用を推進しています。

院長先生が、先を見据えてお考えになる方なので、ミャンマーからの看護補助者の雇用を決めました。

2月に現地に面接に行ってきましたが、6人が採用となる予定です。

ミャンマーでは、手を洗う習慣さえもそれほどないそうなので、清潔・不潔などの基本的な教育からしていく必要があると考えています。

看護補助者にはどのようなことをしますか。

浅倉:看護補助者の仕事は、私たち看護師がお世話したい部分でありつつも、私たちだけできないところの補助になります。

例えばシーツ交換や環境整備、他にもストレッチャーでレントゲンや心電図などの検査出しなどの移送もお願いします。

他にも身体介助や入浴介助、排泄の介助などもお手伝いいただきます。

患者さん・スタッフのどちらにとっても良い病院

病院の理念を実践するために、看護部として心がけていることはありますか。

浅倉:当院の理念は『患者様への思いやりと安心できる高度な医療』です。

そのために正確な知識と技術を常に備え、患者さんとともに、考えに寄り添い、温かな心をもつことが重要だと考えています。

インフォームドコンセントも大事にして、おひとりおひとり、その方に合った看護計画を立てて実践する必要があると思っています。

看護師にとってこちらで働く良さとはなんですか。

浅倉:当院は、子育て支援を充実させています。

新人で入職し、ずっと当院で働いていただき、そのあとに結婚、それから出産して、また病院に入職することも可能です。

また子育て支援として、1子に対して1ヶ月3万円、第2子以降は1万5千円を支給しています。

昨年末から、駅前のイオンの中にある保育園など2、3カ所の保育施設に、当院の看護師だけでなく全職員に対して入所受け入れのシステムができています。

看護師さんたちを、温かく迎え、かつ働きやすい環境を整えるようにしています。

また17時には仕事を終えて帰宅し、帰宅後はご自分の時間を持っていただけるようにワークライフバランスを重視しています。

仕事は仕事、それから自分の時間という、仕事とプライベートの時間の両方を充実させることができる職場環境が、当院の働きやすさだと思います。

復職可能な理由は保育園と時短勤務

働くママさん看護師は多いですか。

浅倉:当院には子育て世代のお母さんたちがたくさんいます。

妊娠して、産休・育休を経て、また病院へ戻りますが、ご自身で保育園を探すものの、なかなか見つからないそうです。

しかし、提携の保育園があることで、4月から復職される方が3人ほどいます。

育休前は常勤でしたが、ひとまず子どもがある程度慣れるまでは非常勤として復職するシステムも取っています。

復職時から常勤や夜勤が必須とはせず、広く受け入れています。

子育て世代の看護師にはとてもありがたいですね。

浅倉:今は保育園1つ選んで入るにも、倍率が高くて大変です。

しかし、稲毛病院で勤務していることがわかれば、近くの保育園で受け入れ可能なので、その部分は非常に強みだと思っています。

職員が気持ちよく働き、時間的な要望が叶うように時短制度を導入しています。

ある程度子どもが大きくなり育児が落ち着いたときには、勤務時間を延ばして勤務していただければと思っています。

旅の思い出が人を和ませる

気分転換や趣味を教えてください。

浅倉:旅行が好きなので気分転換によく出かけます。

道の駅めぐりといって、2年前ほどに、最初の本にある百二十何カ所全てを巡り、認定書をいただきました。

1日で7カ所ほど主人と車で回ったこともあります。

また旅行に行ったときには、朱印帳に朱印を集めています。

疲れたときに朱印帳を見ると、そのときの思い出や、書いていただく字の素晴らしさ見ていると、気持ちが和み、一番の息抜きになります。

プライベートとお仕事が繋がる部分はありますか。

浅倉:旅行に行き、各地の思い出がたくさんあることで、面接の際に話を和ませるきっかけになります。

九州や北海道から面接に来ていただくこともありますが、私が行ったことのある場所の話をすると、今まで固くなって話していた方が和み、話が随分柔らかくなり、一気に距離が縮まります。

緊張をといて話すことで、その方のお人柄を知ることができ、長く勤めたいと感じられるように、面接で各地のお話をすることもあります。

シンカナース編集部 インタビュー後記

稲毛病院は、千葉市にある地域に根付いた病院です。

浅倉看護部長は、子育て支援に力を入れていらっしゃいます。

働きたいと思っている子育て世代の方たちにとって保育園探しはどの地域においても難しいとされています。

そんな中、駅前の数カ所の保育施設との間で受け入れるシステムが整っており、

また時短勤務も取り入れていらっしゃるとお聞きし、

子育て世代のスタッフにとってとても働きやすい、優しい職場だと感じました。

子育て世代の方々が多いということは、皆さんそれぞれ子育ての苦労がわかるので、協力し合えることが出来ます。

そのような環境がごく自然にあることで、次の世代にも伝わり、よりスタッフの方々の離職防止につながっていくと感じました。

浅倉看護部長、この度は素敵なお話をどうもありがとうございました。

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