No.118 本多 玲子様(照葉の里 箕面病院)前編「スタッフの声を大事にする」

インタビュー

今回は照葉の里 箕面病院看護部長、本多玲子様にインタビューさせていだきました。

本多看護部長の手腕に迫ります。

ナイチンゲールの本を読んだことがきっかけ

看護師になるきっかけについて教えていただけますか。

本多:幼少期の頃に、ナイチンゲールの本を読んだことがきっかけで、看護師になりたいと思いました。

高校の先生に勧めていただき、働きながら学校に行くこともいいと思いましたので、大阪から東京に行くことを決めました。

大井町にある病院で働きながら、大森の準看護学校を2年間、進学コースを3年間、合計5年間東京で暮らした後、大阪に戻り、看護師として勤務しました。

看護学校の時の思い出はありますか。

本多:患者さんに支えられて、看護師としてだけではなく、社会人としても一人前に育てていただきました。

実家で暮らしているときは家事も洗濯も掃除も、全くしなかったので、仕事場で洗濯物を干しているときに患者さんに指導していただいたのを覚えています。

スタッフの声を大事にする

何科に配属されたのですか。

本多:1年間産婦人科病棟にて勤務し、次に内科病棟に1年間勤務しました。

当時は仕事が多く、長時間勤務でしたので、結婚を機に新居の近くの診療所に勤めました。

その後、下の子が3歳になったことを機に、この病院で10年間、主任という役割で勤務していました。

一方で、急性期で働いてみたいという思いがあり、急性期の病院へ移り、11年間勤務しました。

その後、こちらの病院から部長にならないかと声をかけていただき、急性期で学んだことを活かせるかもしれないと思い、3年前に部長として戻ってまいりました。

急性期の病院では何科に行かれたのですか。

本多:最初は、透析そして内科に勤務しました。

病棟編成があり、急性期からケアミックスという療養型を立ち上げることになり、療養型の病棟へ行き、最後は回復期リハにいきました。

本当に上司に恵まれていました。急性期の病院で最後にお世話になった部長は、様々な課題を多く与える、とても厳しい方でしたが、スタッフをすごく大事にされて、病棟を回られたり、声をかけたりしていました。今考えると、その部長の下にいたことが、自分が今行なっていることのきっかけになったのかもしれません。

今は必ず一年に一回は全スタッフの声を聞き、師長に言えないことや、私に言いたいことなど、そこで声を拾い上げて、4月の人事異動や、指導をしています。

こちらの職員は地元の方が多いですか。

本多:箕面新町という、新しい新興住宅地が近隣にできたので、そこから通勤する人や、トンネルができたので、トンネルを抜けて、車で通勤してくる人もいますし、送迎バスを利用し、池田から通勤されるかたもいます。

180名ほどの職員がいますが、車通勤は100台超とかなり多いです。

大阪でも緑が多く山に囲まれ自然豊かなところです。

看護と介護の質を上げるためにできること

看護部理念である『人権を尊重した安全で安心できる質の高い看護・介護を提供し、健やかな療養生活を支援します』を実践するために心がけていることはありますか。

本多:以前は看護部の勉強会が少なかったので、看護と介護の質を上げるために、外部研修や学会での発表、介護士の方も資格取得を勧めています。

外に出ることで、様々な知識を得られ、その知識を患者さんに実践し、サービスの向上につなげることができます。

今では毎月一回、看護部で勉強会をすること、委員会でも身体拘束の廃止に向けての活動や自宅に帰られる取り組み、施設に転院する取り組み、色々な取り組みをしています。

入院患者様の大半が80,90代と高齢者が多く、自宅に帰るまでにリハビリが必要な方が多いので、家族様はリハビリを希望される方が大半です。療養型では珍しくST、OT、PTで8名と充実しており、摂食サポートもしており、近隣の病院からも問い合わせをいただきます。

療養型病院であっても患者さん、ご家族の要望に添えるように、看護と介護の質を上げるためには、そこも大事かなと思ってはいます。

外部の研修に行くようになり、看護師の意識は変わりましたか。

本多:行ってよかった、行くとこんなにも違うのかと言っていたので、それを伝達講習しなさいと言うと、始めは嫌がっていましたが、徐々にできるようになりました。

本来、目標管理は人事考課がないと、なかなかうまくいきませんが、私が来た年から目標を立て、その目標のために自分たちが何をしたか、成果として残しなさいと伝え、3月末に1部署7分ほどの成果を発表するQC発表会をしています。

最初は看護部と栄養管理部と薬剤部でやっていましたが、昨年から全部署が集まり、今年度は何も言わなくても、みんな準備していました。

発表するためにどうすればいいのか、数字として、形として残すにはどうすればいいのか、考えるようになり、3年目で上手になってきており、他部署との連携のための効果は出てきています。

意識や取り組み方を自分たちで考えるようになったのですね。

本多:看護部は一番大きな組織で、100名ほどいますので、他部署と発表会をして、お互いの忙しさや、助けが必要なところが少しずつ理解できれば、より良いチーム医療ができ、委員会活動もきっと活発になると思い、こういう取り組みを大事にしています。

後編へ続く