アメリカやオーストラリアで目にすることの多い「リフトチーム」は、「ベッドから車椅子」「ベッドからストレッチャー」などへ患者さんを移動することを目的としたメンバーで構成されたチームです。
これは、西洋ならでは?の問題でもある「大きな体格の人たちを持ち上げる」ことを現実的に実行するために作られたようです。体重100キロ超えの患者さんがザラにいる環境が、リフトの技術や機械も進化させています。やはり必要に迫られるという環境があったことで、人が人を持ち上げるのではなく、機械を使用し、医療者への身体的な負担なく効率的に移動するということが求められていたのでしょう。
日本では、今でも看護師の仕事の一つでもある移動業務。一人で患者さんを抱えることもありますが、それもこれも「ギリギリ出来る範囲」の患者さんの体型が、日本における移動業務の進化が進んでいない要因でしょう。
リフトチームにデモをお願いしました。皆さん、すでに体格もよくかなり筋肉隆々な方々ですが、かといって、この方々が直接患者さんを持ち上げるのではなく、専用の機械を使用してベッドから移動をします。
機械セットから移動時間を含めても5分程度ということで、スムーズに体を痛めることなく、移動が出来るというのはとても画期的です。日本の看護師は、自ら患者さんを移動させるということが自然に身についていますが、それによっての腰痛の問題も抱えているのは事実。
日本人の精神的、体型的に「抱えられるから自分でやる」時代から看護業務も進化し、補助器具を十二分に活用し、身体的な負担なく看護が提供出来るようになることで、看護の3A(安全、安心、明るい)に繋がるのではないでしょうか。
シンカナース株式会社 代表取締役社長
看護師として勤務していた病院において、人材不足から十分な医療が提供出来なかった原体験を踏まえ「医療の人材不足を解決する」をミッションに、2006年に起業。 現在、病院に対しコンサルティングおよび教育を通じた外国人看護助手派遣事業を展開。25カ国以上の外国人看護助手を育成し、病院へ派遣することで、ミッションを遂行している。 東京都立公衆衛生看護専門学校 看護師 東洋大学 文学部 国文学科 学士 明治大学大学院 グローバルビジネス研究科 経営管理修士(MBA) 日本大学大学院 総合社会情報研究科 総合社会文化博士(Ph.D.) ニュージーランド留学 帝京大学医学部附属病院 東十条病院 三井住友銀行 元東京医科歯科大学非常勤講師 元同志社大学嘱託講師 元日本看護連盟幹事 元東京都看護連盟幹事 日本看護連盟政治アカデミー1期生 シンカナース株式会社/代表取締役社長 著書 『わたしの仕事シリーズ2 看護師』新水社 『医師の労働時間は 看護業務の「分業化」で削減する』幻冬舎 『外国人看護助手テキストブック』幻冬舎