【現役ナースに聞く!】タミフル・イナビル等の予防投与が受験生を救う?!

コラム

受験シーズンもインフルエンザの流行も真っ只中を迎えていますが、2月1日を皮切りに都内の中学受験がシーズンインします。受験する小学生以上に親御さんたちがピリピリと緊張感を漂わせている光景を街で見かけるシーズンでもあります。

今年はまさに今、インフルエンザ流行が「警報レベル」となりピークを迎えています。学級閉鎖や学校閉鎖の声も耳にします。ちょうど中学受験のタイミングと重なったことで、受験直前に残念ながらインフルエンザにかかってしまって受験生もいるかもしれません。

塾をあげての予防投与

先日、2日後が受験本番だという小学校6年生の児童が発熱・咽頭痛を訴えて受診しました。親から話を聞くと、1週間ほど前にイナビルを予防したとのこと。「え?!」と思ったところ、さらに親御さんは「塾の先生に予防投与するように言われて、クラスのほとんどの児童が予防投与をしました」と続けました。これを聞いていよいよ新しい時代に突入したなと感じたのは私だけでしょうか?これまで、兄がインフルエンザにかかり、受験を控えた弟の感染を心配した親御さんが予防投与の相談に来ることはありましたが、「塾全体で呼びかけたから内服した」というケースは初めてのことでした。その塾はそもそも感染症対策に有効な「手洗い」「換気」「加湿」を実施しているのでしょうか?

本当にやるべきこととは?

体調を崩してしまったことはしょうがないことですが、このケースは十分防げるものだったと考えられます。受験直前に「塾」という子供が多く集まる場所=インフルエンザに感染するリスクの高い場所に行くこと自体かなりハイリスクな行動です。直前講座等が行われているのでしょうが、おそらく塾での授業は窓もない密室と化した教室で児童が隣り合って座り行われるのでしょうから、まさに”インフルエンザもらい放題”な環境です。そんな環境で1日過ごせばインフルエンザになることを予防することの方が難しいかもしれません。

「最後の1時間まで諦めるな!」と子供たちを叱咤激励する塾の講師もいるでしょうが、受験直前は何よりも体調管理を優先すべきでしょう。親御さんも食事や部屋の環境、家族の健康管理等様々な工夫をされてきたはずです。その努力が最後の最後で実らないことになってしまったら、悲しすぎますね。

そしてインフルエンザはさらなる拡大へ

また、インフルエンザであってもノロウイルスであっても「何が何でも受験する!」という人たちも少なからずいます。学校保健法に基づけば、「発症から5日間経過&解熱から2日間経過」の期間は出席停止期間ですが、入試の場合は各家庭のモラル・判断に任されている現状があります。大学入試の案内には「インフルエンザ等学校保健法で定められている感染症に罹患した場合は受験を遠慮すること」「前述の感染症の罹患を理由に受験を欠席した場合は、入学検定料を返金する」といったことが明記している学校もあります。

「解熱して元気になったから明日の入試は行こう」「今日インフルエンザと診断されたけど明日の本番は絶対に行きたい!」と考え実行に移す人たちがいます。そんな彼らによってさらにインフルエンザウイルスは感染規模を拡大させていくことになるのです。

 

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