看護学生キャンパスライフ 〜戴帽式よ永遠なれ

コラム

 看護師への決意新たに

”われは、ここに集いたる人々の前に厳かに神に誓わん”

多くの看護学生が知っているであろう「ナイチンゲール誓詞」の最初の一文です。

この続きを言えるあなたはきっと戴帽式を経験したことがあるのではないでしょうか?

10数年前、看護学生の一大イベントといえばナースキャップをいただく「戴帽式」でした。厳かな雰囲気の中、学生が1人ずつナースキャップをつけてもらい、看護の道に進む決意を新たにする、1年生のメインイベントともいえるでしょう。私も戴帽式を待ちわびた1人でした。

100人の学生全員でナイチンゲール誓詞を暗記し、ろうそくの火を指でつまんで消す練習をし、前日の夜いつもより丁寧に実習着にアイロンをかけ、臨んだ当日。それまで着けていた三角巾から卒業できたうれしさと、憧れのナースキャップをもらえた喜びとで、12月の寒空の下、半袖で過ごしてもへっちゃらなほどでした。

変わりゆく戴帽式

安全面と衛生面の観点から世の中の流れがナースキャップ廃止に向かう中、看護学校・大学でもナースキャップをなくす学校が増え、それと同時に戴帽式も減少しています。しかし、ナースキャップ・戴帽式を継続する学校、ナースキャップをなくし戴帽式の代わりのイベントを行う学校と、戴帽式やそれに関連したイベントで学校のカラーを垣間見ることもできるようです。

1.都立板橋看護専門学校では戴帽式を実施 

2.東京慈恵会医科大学では「看護への思いを新たにする式」を開催 

3.昭和大学保健医療学部では先日白衣授与式を実施 

戴帽式でなくても、本格的な勉強や実習が始まる前にこのようなセレモニーを行うことで、学生の士気・意欲は高まることでしょう。また、看護の礎を作ったナイチンゲールの精神を受け継いでいくという意味もあると思います。それまで「課題多くて勉強大変」と思っていた人も戴帽式を経験してエネルギーチャージできることもあるかもしれません。このようなセレモニーには節目としての役割もあるのでしょう。

ナースキャップがなくなっても

ナースキャップは看護師のシンボルとして大きな地位を獲得していましたが、今ではすっかり勢いは衰えナースキャップなしの病院が一般的となっています。「ナースキャップをつけると気持ちが引き締まる」という意見もあったようですが、それは白衣でも十分に代用が可能です。私自身もそうですが、ロッカーで白衣に着替えると「仕事スイッチ」がONになりシャキッとした気持ちになって仕事にのぞむことができます。

ナースキャップは不潔だと追いやられたけど、いつ交換したかわからない、ドクターが着ている白衣の方がよっぽど不潔なのに・・・と思いつつも、ナースキャップ廃止の流れは今後も止まることはないでしょう。ナースキャップの有無に関わらず、私たちは患者さんの立場にたって科学的な思考をもとに、患者さんの健康回復を支援をすることは永遠に変わることはないのです。