インフルエンザの流行が広がっています。定点医療施設あたりの報告患者数は週を追うごとに増加しています。予防接種を受けても、予防対策を実施しても、インフルエンザにかかってしまう可能性は誰にでもあります。また、家族1人がかかったら一家全員に感染が広がることもよく耳にするのではないでしょうか。そこで今日はあなた、もしくは家族がインフルエンザにかかってしまったらやるべきこと6つをご紹介します。
1.抗インフルエンザウイルス薬を服用する
処方された薬をしっかり飲みきることが治療として非常に大事なことです。感染から3日位すると元気になってきて「もう薬いらないな」と中止してしまう人もいますが、必ず飲みきりましょう。ただし、解熱鎮痛剤はこの限りではありません。また、自宅になぜか余ったタミフルがあり「インフルエンザっぽいから」と自己判断で内服する人もいますが、診断を受けずに内服することは危険が伴いますので、絶対にやめましょう。
2.できれば部屋を別にして感染者のケアをする人を1人に決める
インフルエンザはくしゃみ等の飛沫感染で広がっていきます。マスクを装着することは大前提ですが、感染した家族を隔離できる部屋があればそこで過ごしてもらうようにしましょう。また、ケアするためにその部屋に出入りする人を1人だけにして、他の家族と接触しない環境を整えることも大切です。お互いにマスクをして「うつさない」「うつらない」対策もしましょう。
3.手洗いのタオルを感染者用・非感染者用で分ける もしくはペーパータオルを使う
鼻や口を触った手にもたくさんのウイルスが付着しています。洗面所や台所など、手拭きのタオルを家族で共用しているご家庭が多いのではないでしょうか。タオルを介して感染が広がることもあります。少なくとも感染者と非感染者のタオルは別々のものを使用すること。また、できれば家族全員がペーパータオルを使用して感染の機会を減らすようにしましょう。
4.鼻水をかんだティッシュペーパーはビニール袋に入れて口を縛り、その後手洗いをする
鼻水には大量のウイルスが存在すると言われています。鼻水をかんだらティッシュペーパーをすぐにビニール袋に入れて密閉し、その後手洗いをして付着したウイルスを洗い流しましょう。
5.普段家事を担当する人がインフルエンザにかかった場合は休養のため家族で協力して家事をする
インフルエンザは休養が大切です。料理・洗濯は思いの外重労働ですし、感染者が料理を作ることは感染を拡大させてしまうことにもつながるので様々な意味から家事はしない・させないに限ります。いつから家事をしていいのか、明確なデータはありませんが、学校保健法で定められている出席停止期間(感染から5日を経過し、かつ解熱から2日を経過していること)を「家事停止期間」とすれば感染拡大を防げる可能性が高まります。
6.加湿器等で部屋の湿度を保ち、1時間に1回を目安に部屋の窓を開けて換気する
ウイルスは湿気に弱いため、部屋の湿度を50〜60%を保つようにしましょう。また、いくら湿度を保っていても部屋の空気を入れ替えなければウイルスが部屋に居続けることになります。1時間に1回、各部屋の窓を少し開けて換気するよう心がけましょう。
これから年末年始に向けてまだまだインフルエンザの流行は続きます。感染性胃腸炎も並行して流行しています。インフルエンザの症状が治まっても体は思った以上に消耗しているものです。ご紹介した6つのことを実践し、家庭内での感染拡大を防ぎましょう。感染しないことも大切ですが、感染してしまったらそれ以上感染を広げないこと、これも同じくらい大切なことです。