看護管理者が放つ「何気ない」言葉。それがスタッフナースを疲弊させていることは少なからずありそうです。師長になるくらいのキャリアがあるのですから、スタッフより看護技術も出来て当たり前。それを今更「私ならもっと出来るのに」と言わんばかりの声かけをされたら「じゃあ師長さんが全部やればいいのに!」と思われても仕方がありませんね。
ひとことで「看護」と言っても、コミュニケーション、看護技術、目標管理、指示の正確な実行、観察、記録など様々な能力が求められています。術式、薬剤、医療機器なども年々新しくなっていくわけですから、覚えていく知識も多岐にわたり、それを継続的に行っていくというのは至難の技です。自信を失いかけているスタッフナースへの声かけは少なからず「私のほうが」ではありませんね。
時代は急速に進化しています。医療の業界も同様であるはずながら、どうも人的資源管理においては未だに旧式なスタイルや言葉を耳にすることが多い。現在、大学で看護を学ぶ学生が増加する中で、管理者は看護専門学校卒ということもあり、看護学生がキャリア開発や、看護管理を学んでいるのに、リアル看護管理者がそのカリキュラムの内容すらしらない!ということもあるようです。これでは、より管理者とスタッフナースの「溝」は深まるばかり。
人手不足の医療業界では「根性で乗り越える!」ことが必要な場面もまだ存在するとはいえ、やはり一人でも部下が出来たら、リーダーシップについてはきちんと学んでいく時代になりました。
また、師長や看護管理者側も「ついつい言ってしまった」と後悔してしまうことがあっても、今更その言葉や態度を変えることも出来ないし。。。と諦めてしまっていませんか?張り合っているつもりはなくても、自分の時代と比べてしまうことは自然なことでもあります。
とはいえ、看護管理についての知識もなく、実践的に管理をして失敗してしまうということは避けていきたいですね。
看護協会では
の研修を行っています。レベルも3段階にわけられており、主任クラスから看護部長、病院副院長レベルの管理者まで看護管理について学ぶことが出来る仕組みになっています。
看護管理者の皆様が、スタッフナースにとって働きやすい3A(安全、安心、明るい)の環境を提供することをスムーズに出来るためにも、知識と実践、成功と失敗を繰り返しながら、スタッフを疲弊させない管理をしていただけることでより良い看護の未来が創られていくのではないでしょうか。
スタッフナースは管理者をよく見ていますよ。
シンカナース株式会社 代表取締役社長
看護師として勤務していた病院において、人材不足から十分な医療が提供出来なかった原体験を踏まえ「医療の人材不足を解決する」をミッションに、2006年に起業。 現在、病院に対しコンサルティングおよび教育を通じた外国人看護助手派遣事業を展開。25カ国以上の外国人看護助手を育成し、病院へ派遣することで、ミッションを遂行している。 東京都立公衆衛生看護専門学校 看護師 東洋大学 文学部 国文学科 学士 明治大学大学院 グローバルビジネス研究科 経営管理修士(MBA) 日本大学大学院 総合社会情報研究科 総合社会文化博士(Ph.D.) ニュージーランド留学 帝京大学医学部附属病院 東十条病院 三井住友銀行 元東京医科歯科大学非常勤講師 元同志社大学嘱託講師 元日本看護連盟幹事 元東京都看護連盟幹事 日本看護連盟政治アカデミー1期生 シンカナース株式会社/代表取締役社長 著書 『わたしの仕事シリーズ2 看護師』新水社 『医師の労働時間は 看護業務の「分業化」で削減する』幻冬舎 『外国人看護助手テキストブック』幻冬舎