No.116 出井 小幸様(帯津三敬病院)後編「見えてきた先」

インタビュー

前編に引き続き、帯津三敬病院の出井小幸看護部長へのインタビューをお届けいたします。

チャンスを逃さない

5年勤務された後はどこに転職しましたか?

出井:総合病院です。大概オールマイティーに回りました。スペシャリストかジェネラリストかとなった時に、管理だと思いました。魅力的な人間になりたいと思いました。

最初はスタッフから始まり管理職になりましたか?

出井:最初に「臨床指導者」と言い、学生の指導をしました。その後主任となり、師長、副部長、部長になりました。幸いなことに、その階段を上がる環境が自分に回ってきました。実習指導者や主任、師長、副部長、部長も3年の期間で自分がマスターできるだけのものを与えられた、恵まれたチャンスでした。チャンスを逃さずキャッチできたのも、自分でもよくやったと思う気持ちがあります。

少しずつその階段を上がっていく中で、抵抗なく進みましたか?

出井:一番の問題は大きな部署です。様々なスタッフとの連携は大きく葛藤がありました。多職種と連携を取る場面では、人事の問題やお金の取り合いもありました。葛藤やいい意味での喧嘩でした。

管理とは

病院に来てから何年になりますか?

出井:4年目になります。素敵な看護部長と面接をしたことで一緒に看護管理がしたいと思い入職しました。しかし当時の看護部長は体力的な理由により1年で退職しました。そして院長に推薦され、2年目で不安もありましたが100床ほどの病院は管理しやすいため引き受けました。

実際に看護部長になっていかがですか?

出井:院長と事務長と私の3本柱のコミュニケーションが良好で、経営に対する意見交換をします。苦労はしましたが、今いい環境になってきています。多くの看護師を背負っています。師長をまとめ、病院全体との関わりも考えていくため、1つの事柄だけではなく、全体のバランスも考えながらやっていく必要があります。

人材は宝物

貴院の看護部が掲げている「信頼される看護」を実践するために日々心掛けていることはありますか?

出井:信頼されることは信頼の先に安全があると思います。よって病院の理念が「今日より良い明日を」。私が大事にしていることは内部顧客、要はスタッフです。私が師長を大事にし、師長はスタッフを大事にします。そういった内部顧客を大事にすることが敷いては外部顧客を大事に、「How many いい顔」で変えられると思っています。看護部長室にいるより病棟を回り声をかけ、常に看護師を気にすることを私は心掛けています。また仕事のためではなく、人が人に惚れ込む、これが「信頼」へとつながると思います。

看護助手は何人ですか?

出井:約20名です。人数が20名というよりは常勤換算数です。

私は看護助手が看護師の指示に従うことに違和感があります。一番患者さんの近くにおり、その情報が大事です。看護助手の触覚に関してもいいセンスを持っており、大事にしています。期待しています。

看護助手は大変な仕事で重労働です。ライセンスはないですが、看護師にも言えないことを吐露する存在ですね。

人生の意義

病院のアピールを教えてください。

出井:99床の一般病院です。しかし、特徴があります。帯津三敬病院は理想の「ホリステック医療」を目指しています。

自身のもっているエネルギーを最大限生かすようにサポートすること、生かすことを支援しています。

場のエネルギー、人のエネルギーを高めること、それはまさに「看護」そのものだと思います。

決して宗教チックな病院ではありません。人がもつ免疫力を引き出し、強くするために「気功・太極拳・漢方・アロマ・鍼灸・音楽療法・心理療法」などを活用してより「今日より良い明日を」を作り出していくのです。

気分転換に何をしていますか?

出井:最近は、少し遠のいていますが「スキューバダイビング」をやっています。

お休みが頂ければ南の島に行ってのんびりします。

ただ、毎日の自分へのご褒美は「おさけ」ですね。

友と交すお酒も良し、大切な方と交すお酒も良し、尊敬する先輩方と交すお酒も良し。

そして、最大の気分転換は愛猫とまどろむことです(笑)

シンカナース編集部 インタビュー後記

帯津三敬病院は、「ホリスティック医療」を目指した病院です。

直接的な治療だけでなく、患者ご自身が本来持っているエネルギーを最大限に生かせるよう気功、太極拳、音楽療法など様々な代替療法を取り入れています。

出井看護部長は、常に前を向き、目的意識をしっかりと持ち、管理者の道へと歩まれた方です。

管理者として、院長や事務長とのコミュニケーションを大事にしながら、一方では

日々病棟に足を運び、看護師に声をかけることでスタッフをとても大事にしていらっしゃいます。

管理者に大事にされているスタッフは、患者様を大事にします。それが「信頼される看護」へとつながるのだというお言葉が印象的でした。

インタビュー中も出井看護部長は常に素敵な優しい笑顔でお話ししてくださいました。

出井看護部長、この度は素敵なお話しをどうもありがとうございました。