国家試験前の実習
今回は、ニュージーランド(以下 NZ)での実習に関して2回目のコラムです。ここでは”TTP”(Transition to Practice)国家試験直前の実習のことに関してお話ししたいと思います。
ちなみに、私が通っていた学校は、カリキュラム内でTTPまでに8回程度の実習がありました。順番はうろ覚えですが、Geriatric(老年)、Oncology(がん)、District Nursing(訪問看護)×2回、Mental Health(精神科)×2回、Disability(障がい者看護)、Maternity(産科) で実習をしました。
実習先を自分で選択!
TTPは唯一、生徒が実習先の希望を出せる実習でした。卒業後働きたいと思っている病棟を希望することができ、連続6週間の実習でした。私は、救急で働きたいと思ってましたが、私の英語力で何か間違いが起こっては大変だと思い、基礎を学べる内科を希望しました。
バディーナース
1人のナースと1対1でバディーを組み、6週間そのナースと同じシフトをこなしました。TTP実習先の希望が叶った時にその病棟の師長に会いに行き、そこでバディーナースを選んでくれました。背が高く、美人なカレンという名前のナースが私のバディーとなりました。30代のベテランナースでした。数年前にその病棟で師長になったと聞きました。
患者さんを担当する
バディーナースの担当している患者さんを初めは2~3人受け持ち、数を増やしていき、最後の2週間は、組んでいるナースの担当する全ての患者さんを受け持ちます。バイタルはもちろん、皮下注、筋肉注射、配薬はナースの監視下のもと実施し、カルテに記録していました。1~2週間目は、患者さんを数名担当させて貰いながら、カレンの受け持ちの全ての患者さんのケアも勉強します。この時に受け持つ患者さんのプランの立て方、優先順位の付け方など教わって、自分なりのプランを立てるようになりました。それをチェックしてもらい、バディーナースがこの学生は安全だと確信したら、受け持つ患者の数が増えていきました。
その日のプランを立てる
5~6週間目までには、バディーナースに指図をされて、動くのではなく、自分でそのシフトのプランを立て、ナースに確認し、プランに沿って、1手技が完了したら、報告し、ナースがチェックするという態勢でした。TTPが終了する時には独り立ちできる状態になっていることが学校側の目標でもあったと思います。また、看護師として働く前に、患者さんを担当できるという自信を持てるようになる大切な実習でもありました。免許取得後はすぐに病棟でナースの1人として患者を担当できるようにプログラムされていたのだと思います。ですから、自分が働きたいと思っている実習先を選び、そこで働くナース達と良い関係を築くことも大切でした。
カレンとは、卒業後一緒に働くようになってからは仲の良い友人となり、私が帰国してからも、NZを訪れる時は、一緒に食事に行く仲間の1人となりました。次に行くときも、ゆっくりと話がしたいです。