No.186 西大宮病院 関純 院長 後編:看護師のやさしさに期待

インタビュー

前編に続き、理事長・院長に就任されてからの病院経営、

医療の現場からみた看護師育成教育の課題などをお伺いしました。

 

多彩な院内クラブ活動

中:理事長・院長として病院経営をされていく上でのマネージメントポリシーはございますか。

関:私はあまりトップダウンで頭ごなしの指示はしないように心がけています。

現場で働いている人間が一番よく知っていると考え、現場の意見をどんどん取り入れる、

ボトムアップ型の組織にしたいと考えています。

中:そうしますと、職員のみなさんが意見を言いやすい、風通しの良い雰囲気が必要ですね。

そのための活動、例えばクラブなどはありますか。

関:クラブはサッカー部、野球部、テニス部などいろいろあります。

女性職員は茶道部などに参加しています。

これらのクラブ活動に病院から、いくらかの補助も出しています。

私はこの病院を、職員が働きやすい場所にしたいと考えています。

それは医師が働く環境だけでなく、看護師や理学療法士、放射線技師、事務職員も含めて全てにとって、

働きやすい環境という意味です。

中:そのお考えは、先生のどのようなご経験から生まれてきたのでしょうか。

サッカーのご経験を通して、各ポジションの人達の動きやすさをいつも考えられていた、

といったことも関係しているのでしょうか。

関:そうかもしれません。

医者の世界は割と自分たちで固まってしまう傾向があるのですが、

私はどちらかというと外の世界を多く見てきたとのではないかと思います。

外の世界を見る機会の一つとして、若い時から続けていたサッカーを通じて得られた、

多くの人たちの交流が挙げられます。

看護師の多様化

中:ここで話題を変えまして、看護師についてお伺いいたします。

2025年問題を前に医療が大きく変わろうとしていますが、

看護師を取り巻く環境に何か改善すべきことはないでしょうか。

先生のお考えをお聞かせください。

関:看護師という職業は最近とても多様化してきていますね。

かつて看護師の勤務先は病院とクリニックが主体でした。

しかし今は介護施設や訪問看護などで活躍できる場が非常に幅広くなっています。

ところが今の看護教育をみていますと、

知識を詰め込むだけで卒業させてしまっているのではないかと懸念がわきます。

結果として、卒業後いざ職場へ行くと

「あれっ?思っていたのと違うぞ」という感じになるのではないかと思います。

ですから新人看護師の転職が意外に多いのです。

中:確かに看護師の離職率は高いですね。

関:病院で働いてみて「いや、自分に向いているのはここではなかった。では介護施設に行こう」と。

しかし「ここでもなかった。ではクリニックに」などと転々とする看護師が非常に多いです。

このような状況はとてもマイナスではないかと思うのです。

看護学校時代に、勉強ももちろん必要ですが、介護施設の現場、

クリニックの現場、病院の現場、訪問看護の現場を体感してもらい、

看護師の仕事の多様性と数々の選択肢を伝えておくべきではないでしょうか。

「自分がどこに就職すれば最も良いのか」を考えさせる教育をしていただきたいと感じています。

看護師免許取得は通過点

中:今の教育は国家試験を通ることに集中し過ぎてしまっているということですね。

関:医学部もそうです。

免許を取らなければいけないのは当然ですが「では、取ってから何がしたいのか」ということまで

学生時代に考えられるような教育が必要です。

中:確かに、そのように教育していけば離職が減り、

一つの仕事を長く続けていくことができるようになるかもしれませんね。

関:一つの仕事を継続して経験を積むことによって力が出て、さらに実力がついていきます。

頻繁に職場を変えていては、いつになっても力を発揮できません。

看護学生の変化

中:先生ご自身は現在、看護教育との関わりはございますか。

関:大宮にある准看護師学校のPTAの会長を務めていて、

入学式や戴帽式、卒業式などの行事の際に式辞を述べたりしています。

中:そうでしたか。

看護学生が最近変化してきたとお感じになることはございますか。

関:10年ぐらい前に比べますと、一般の大学を卒業してから、または

一旦就職し社会人としてのキャリアを積んでから、看護師を目指すために入学する学生が増えてしました。

男性学生も多くなりました。

中:看護師という職業にやりがいを期待し、学び直される方が増えているのでしょうか。

ところで、教育の問題とは別に、今の看護師に対しても、何かあったからとすぐに辞めるではなく、

ある程度は我慢して壁を乗り越えて欲しいという思いはありませんか。

関:そうですね。

その点は個人個人の資質に関係するのでしょうが、少し我慢して続けてみることはやはり必要だと思います。

やさしさに知識がついてくる

中:病院経営者というお立場で看護師をみた場合、どういった点に期待されますか。

関:基本的に一番大切なのは「人にやさしい、患者さんにやさしい」ということです。

当院としては特に高齢の患者さんに対するやさしさを期待します。

ここ埼玉県もかなり高齢化が進んでいますので。

看護に必要な知識や技術といったものは、

一生懸命に働いていると後から付いてくるものではないでしょうか。

初めのうちは知識ばかりの「頭でっかち」になるより、まず、患者さんのために行動に起こしてみて、

問題に当たったらその都度、解決策を探し、

少しずつ勉強してレベルアップをしていくという方法が良いと感じています。

私は看護師が失敗をしても、なるべく怒らないようにしています。

医療においては、何かを経験することが最も大切なことですから。

いろいろな経験を積みながら一人前の看護師になって欲しいのです。

中:最後に、改めて看護師にメッセージをお願いします。

関:看護師という仕事は、結婚・出産などによる一時的な離職はあるとしても、

基本的に一生の仕事になると思います。

学校で勉強した知識を患者さんにしっかり還元していってください。

仕事上のトラブルなどはあると思いますが、周りの人たちの支えとご自身の努力で、

それは乗り越えられると思います。

いったん看護師免許を取得した人は、ぜひ頑張って一生その仕事を続けていって欲しいと期待しています。

インタビュー後記

明るく活気溢れる西大宮病院。

病院の屋上にフットサルコートがあり、関先生も週に一度、

職員の方々とフットサルをプレイするとのことでした。

リハビリ中の患者さん、理学療法士スタッフの皆さまを病院内外の至る所で拝見しましたが、

皆さん笑顔でとても明るくリハビリを行っていらっしゃいました。

関先生が大切にされていらっしゃる

「人にやさしい、患者さんにやさしい」

というポリシーあってこそこの空気感が生れるのでしょうね。

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Interview Team