No.141 竹内明日子様(彩都リハビリテーション病院)後編「自分を振り返ること」

インタビュー

前編に引き続き、彩都リハビリテーション病院の竹内看護部長へのインタビューをお届けいたします。

看護を振り返ることが大事

看護部理念の「私たちは当院の理念、基本方針を基盤とし、患者様に患者様本位の看護を実践します。

寄り添い支え合いともに成長します。」についての取り組みを教えてください。

竹内:私が看護部長として3年目になり、看護部の理念をリニューアルしました。

「患者様に寄り添う看護」では、優しさや、温かみ、心の安心感を提供するには、「患者さん本位」つまり患者さんを尊重できることが大きいと思います。

そのような看護師を育成しながら、看護を提供できる体制にしていかないといけないと考えています。

倫理感性を培う教育としては、常に課題や題材を持ち、レポート記述や、師長を通じながら、現場の機会教育を通して、振り返り、考え、看護師としての思考力を養うための教育をしています。

どのように「患者様本位の看護を実践」されていますか。

竹内:私たちの仕事は、「大変」「忙しい」とスタッフの口から出るほど、

時間に流され、立ち止まることができずに過ぎてしまうことが多いです。

私は自身が1年間立ち止まった経験を通して、立ち止まることの大切さを実感しています。

自分の足元を見つめることと、自分が行ってきたことを振り返ることは大切です。

自分の思考力や、考え方に客観性を持ち、自分を見つめ直して振り返ることで、新たに目指す目標を見つけ、日々、人として看護職として、行動していくことができます。

多職種との連携

看護補助者についてお聞かせください。

竹内:看護補助者は、24名ほど勤務しています。

特に医療的行為を行わないような生活のお世話、

つまり看護師の資格がない範囲でできる仕事を行なっています。

看護師の助けとなり、業務を行なっていただいています。

回復期での身体介助のサポートする面では他職種の方々も関わることが多いですか。

竹内:当院は回復期ですので、在宅に戻ることがゴールになります。

有資格者も多く勤務しており、現在、介護職員初任者研修、実務者研修など介護士の段階に応じた資格を取得している方もいます。

介護現場ではそのような方々が、主体的になると思いますが、

病院ではどうしても看護師の補助の位置づけになります。

そのため、患者さんやご家族の方への関わりの中で、排泄介助や介護指導などできる範囲で役割も持たせています。

新人看護師さんについてお聞かせください。

竹内:回復期だけに特化した病院ですので、新人看護師はこれまで採用していませんでした。

急性期に勤務していて、回復期も携わりたい方など、経験のある看護師が集まってきますので、

特に当院から新人看護職員を育成はしていませんでした。

今後は新人教育もしながら、回復期に特化した専門の看護師も育成したいという気持ちがあります。

そのため、一昨年から近隣大学の看護実習生を受け入れています。

仕事以外で気分転換されていることは何ですか。

竹内:旅行です。

仕事から少し離れて、全く違う場所に行ったり、違う空気を吸ったり、

特に山や自然の多い場所に行くと、仕事のことはすっかり忘れてリフレッシュできます。

家族旅行も含め、年に2回ほど旅行に行きます。

看護部長からのメッセージ

竹内:当院は、患者さんができる限り患者さんらしさを取り戻せるよう、

職場復帰や家庭復帰のお手伝いさせていただく病院です。

リハビリテーションの精神的なアプローチは重要な部分ですので、そこは看護師が中心で行なっています。

今後看護師を目指される方におきましては、患者さまに真心をこめて誠実に真摯に向き合える看護師の育成を私たちは目指しております。

ぜひ彩都リハビリテーション病院で、一緒にそのような看護師を目指していただければと思います。

そして多職種協働では、様々な職種の人たちとチームアプローチで関わります。

そのため、看護の世界だけではなく、医療の中の様々な価値観を知ること、

人としても大いに学ぶ機会があると思います。

シンカナース編集部 インタビュー後記

竹内看護部長は、看護の道に進まれてから

1年間他業種のお仕事を経験されていたとお聞きし、大変驚きました。

お話を伺っていく中で、竹内看護部長からとても冷静に物事を考え、行動する勇気と潔さを感じました。

1年看護の世界から離れ、自分の行動を振り返ることで、

客観的に物事を捉えられるようになったと言います。

ご自身の経験から看護の世界に戻られてからも立ち止まって振り返ることの重要性を教育に生かされていらっしゃいました。

竹内看護部長、この度はお忙しい中、貴重なお話をしてくださいましてありがとうございました。

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