新年明けましておめでとうございます。
本年もシンカナースをどうぞ宜しくお願い致します。
2018年は、医療・介護報酬のダブル(同時)改定が行われる年となります!
看護師の皆様には、同時改定がどのように自分の仕事に関わるのか?日々の業務が突然変わるわけではないので、イメージがつきにくいかもしれません。
そこで、厚生労働省や中医協(中央社会保険医療協議会)の議事録や発表資料をもとに、看護師も知っていたほうが良いと思われる2018年の医療・介護報酬ダブル改定から予測される医療の未来予想図をお伝えしていきます。
まず、確実に訪れる未来。
シンカナースでも以前取り上げました2025年問題が大きな医療の鍵になります。
「2025年問題」看護はどうするどうなる?気になるポイント4つ
団塊の世代の方々が一気に後期高齢者となり、「超高齢化社会」が幕開けをします。
通常、医療における診療報酬改定は2年ごと。
介護報酬改定は3年ごとに行われています。
今年2018年の医療・介護報酬ダブル改定というのは、医療と介護報酬の改定がぴったり同じタイミングに行われる年のことを指しますので、今年行われる同時改定の次に同時改定が行われるのは2024年。
そう、2025年問題が起こる前年です。
いきなり2024年の同時改定に医療の方向性を転換すること困難ですから、今年の同時改定は2025年を見据えた医療の未来を方向づける上で重要な同時改定となることは、間違えなさそうです。
医療を必要とする人が増加することが必須な状況において、労働人口は減少し ていくという事実を踏まえ、制度が決められていくと考えられます。
中医協によれば「限られた医療資源に配慮しつつ、それらのニ ーズへの対応体制構築のためには、医療・介護の現場におけるサービス提供 体制をより効果的・効率的なものに転換していく必要があること」
というように、今後、医療サービスの提供は、今まで以上に効果的かつ効率を求められていく時代に突入します。
「良い医療、看護を提供したい!」
これは、看護師であるならば、誰しも思うことでしょう。
一方で現実を直視し、我々ができうる効果的、効率的な看護とは何か?コストを意識する、人員が減少しても良いサービスを提供するには?ということを考える必要が出る年のスタートのようです。
在宅医療のニーズ、いわゆる在宅で医療を受けたいと思う方々は増加しているというのが中医協の見解です。
よって、在宅医療と介護の連携が重要となり、地域包括ケアシステム構築を推進するという流れが見えてきます。
病院の在院日数の短縮が求められること、回復期リハビリテーション病棟の増加などからも、病院から在宅へという方針がより2025年に向けて求められていくことは必須なようです。
病院でも、在宅でも看護師として出来ることは「良い看護」だけではなく「医療を継続して提供すること」が付加される時代に突入しました。
看護師として、2018年の医療・介護報酬ダブル改定を「ひとごと」ではなく、医療に直接関わる一員として興味を持っていただけることを願っています。
参考資料
中医協:平成29年8月9日 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000174361.pdf
中医協:平成29年12月22日 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000188942.pdf
厚生労働省:平成29年12月22日 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000188327.html
シンカナース株式会社 代表取締役社長
看護師として勤務していた病院において、人材不足から十分な医療が提供出来なかった原体験を踏まえ「医療の人材不足を解決する」をミッションに、2006年に起業。 現在、病院に対しコンサルティングおよび教育を通じた外国人看護助手派遣事業を展開。25カ国以上の外国人看護助手を育成し、病院へ派遣することで、ミッションを遂行している。 東京都立公衆衛生看護専門学校 看護師 東洋大学 文学部 国文学科 学士 明治大学大学院 グローバルビジネス研究科 経営管理修士(MBA) 日本大学大学院 総合社会情報研究科 総合社会文化博士(Ph.D.) ニュージーランド留学 帝京大学医学部附属病院 東十条病院 三井住友銀行 元東京医科歯科大学非常勤講師 元同志社大学嘱託講師 元日本看護連盟幹事 元東京都看護連盟幹事 日本看護連盟政治アカデミー1期生 シンカナース株式会社/代表取締役社長 著書 『わたしの仕事シリーズ2 看護師』新水社 『医師の労働時間は 看護業務の「分業化」で削減する』幻冬舎 『外国人看護助手テキストブック』幻冬舎