No. 59 服部とみ子様(聖麗メモリアル病院)後編「人脈は自分を助けてくれる」

インタビュー

前編に引き続き、聖麗メモリアル病院の服部とみ子総看護師長へのインタビューをお届けいたします。

看護師がまた戻りたい病院

中堅以上の看護師向けの研修もあるのでしょうか。

服部:当院は医院長や事務長も含めて、看護師の教育にはとても熱心です。

ですから、外部の研修でかかる研修人交通費は全て病院持ちにして、参加して貰うようにしています。

自分の休みを使う必要ありません。

勉強したい人は、どんどん参加して貰って、それぞれのキャリア形成に繋げてほしいと思います。

病院として、外部研修への参加に理解があると看護師も参加しやすくなりますね。

キャリアに関しても主体的に考えていけそうです。

服部:当院は脳外単科ですので、2、3年するとやはり循環器や消化器内科など、他の科を勉強してみたいという希望が出てきます。

できるだけ長く勤めて貰いたいですが、「どうしても勉強したい」という看護師は認定看護師の道を勧めたり、他の病院へ送り出したりもしています。

そうして一旦辞めても、「また戻りたい」と戻ってきてくれる看護師もいます。

戻って来てくれるというのはとても嬉しいですね。

認定看護師は現在何名ほどいらっしゃるのでしょうか。

服部:認定看護師は現在3名で、他に1名、特定医療行為研修へ参加しています。

還元して貰うことで活気が生まれる

他に教育の面で力を入れていらっしゃる事はございますか。

服部:当院では何かの研修に参加した人が発表をする研修報告会を開いています。

研修に参加すれば、まず知識がその参加者のものになります。

戻ってくると報告書を書いて貰いますが、書くだけでは勿体ないと思いまして、学んだことを発表して貰っているのです。

いわゆる伝達講習です。

学んだことを伝えることで、病院にも還元して貰えますし、他人の為だけでなく自分の為にもなります。

こうした取り組みをして、病院に活気が出てくればスタッフも働きやすくなり、やりがいも生まれてくると思うのです。

人脈は自分を助けてくれる

はじめの方で、困難な時には仲の良い看護部長さんとお話しされると仰いましたが、やはり看護師同士の横の繋がりは仕事をする上で大切でしょうか。

服部:そうですね。

考えても自分だけでは如何しようも無い事も、纏まらない事もありますから、客観的な意見を貰えることは大きな意味があると思います。

もちろん病院の中の人との繋がりも大事ですが、病院外でも、地域の管理者や病院の関係者等との人脈を持っていると自分が助かります。

看護総師長がお持ちの横の繋がりは、どのようにして作られたのでしょうか。

服部:認定看護管理者のセカンドレベル研修で知り合いました。

私がこの地区の看護協会の理事をさせて頂いているので、会議の後等にお互いの近況報告等をして親交を深めています。

皆大きな病院の部長ですとか、長く管理者として務めている方が多いので、とても参考になるアドバイスを頂けて心強いです。

—脳神経外科ですと、ケアや観察事項が多くてとても忙しいイメージがあります。

他職種との繋がりは如何でしょうか。

服部:病院の特徴として、やはり重症度が高い患者さんが多くいらっしゃいます。

日常生活を送る上で、排泄介助やベッドサイドのケアに人手が必要ですので、その検査の搬送や配膳、清潔ケア等で看護師のサポートとして看護補助者に入って貰っています。

今は何名ほど配置されていますか。

服部:10名ほどです。

脳卒中専門の病院ですと、ケアをする側にも教育が必要だと思います。

看護補助者の教育はどのようにされていらっしゃいますか。

服部:看護補助者に対しても、年間の看護教育スケジュールを立てて行なっています。

内容としては医療安全や接遇、感染と褥瘡対策などです。

やはり患者さんの重症度が高いですから、看護補助者にも学びは必要だと思います。

看護補助者として入職される方は未経験の方が多いのでしょうか。

服部:そうですね。

病院での勤務経験が全くない場合もありますので、現場に配属する前にオリエンテーションと一通りの研修会をしています。

実際の現場でのサポートは何方が行なっていますか。

服部:現場では、そこに配属されている先輩の看護補助者です。

介護福祉士の有資格者も居りますので、現場で教育も受けられるようにしてあります。

看護補助者を配置したことによる変化はございましたか。

服部:看護師一人では患者さんの身体を拭くこともなかなかできませんし、点滴やドレーン管理一つ取っても看護補助者のサポートが受けられることはとても大きいです。

看護に集中して実践できるようになります。

病院の内外での人脈、関わりが看護師として働くことを支えてくれるということですね。

日々お忙しいとは思いますが、気分転換には何をされていらっしゃいますか。

服部:ウォーキングや映画・音楽鑑賞、読書など趣味は沢山あります。

最近は機会があれば歌舞伎座まで足を伸ばして歌舞伎を観賞してリフレッシュしています。

歌舞伎の中で使われる和楽器の音色がとても綺麗で心が落ち着きます。

服部看護総師長からのメッセージ

服部:当院は茨城県北で唯一の脳神経外科専門病院です。

脳神経外科病棟はとてもやりがいがあり、深い知識を得られる場所です。

ぜひ皆さんも当院の脳外科病棟で一緒に仕事をしてみませんか。

シンカナース編集部インタビュー後記

服部看護総師長は、働きやすい職場づくりをしていくことをご自身の役割とされ、日々取り組まれている方です。

そのひとつとして、スタッフに対する声かけをこまめに行っていらっしゃいます。

スタッフの体調などにも気を配られ、温かい声かけをすることで、スタッフの方々にも看護総師長の優しさや温かい雰囲気が伝わり、また病院全体がそのような雰囲気になっているのではないかと感じました。

単科の病院ということで、他科のことを勉強したいと言ったスタッフもまた戻ってきてくださったり、学生時の実習で雰囲気がよかったと言って就職したスタッフもいらっしやるとお聞きし、看護総師長が日々行われていることがスタッフの皆さまの心に響いているのだなと感じました。

服部看護総師長、この度は、素敵なお話しをして下さいまして誠にありがとうございました。

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