ベトナムで枯葉剤の影響により結合双生児として産まれた弟グエン・ドク(Nguyễn Đức)さんへ取材させて頂きました。
日本では1980年代にマスコミによって報道されましたベトちゃん、ドクちゃんのドクちゃんです。
現在、36歳。
最終回、ドクさんの私生活へ迫ってみました。
ドクさんのこれから
明日入院されるとお伺いしましたが緊張しますね。
ドクさん:
明日入院して2回目の手術をします。
もう何回も手術していますので、慣れていますよ。
→本日4/10(月)に我々のインタビューを予定したため、奥様(テュエンさん)が副院長へOPE日変更を交渉して4/12にして下さいました
楽しみなことはありますか。
ドクさん:
普通の人と同じことができることです。
私は、障害がありますから健常者と同じ生活が出来ていると感じることがとても嬉しく楽しく感じます。
これからの夢をお聞かせ下さい。
ドクさん:
2つあります。
一つは、より健康になることです。
健康がなければ何もできないですから。
健康でいることがとても大切なことだと考えています。
もう一つは、父親としての役割を果たすことです。
働くこともそうですし、子供を育てたり家族を守ることもそうです。
日本の良いところはどういうところでしょうか。
ドクさん:
おもてなしの心がとても素晴らしいと思います。
また、あらゆるサービスの質の高さは、目を見張ります。
初めて日本に来た時に印象に残っていることは、高齢者や障害者へのサービスが素晴らしい。
それが、忘れることが出来ません
奥様(テュエンさん)との出会いと家族への思い
テュエンさんとは、どこで出会ったのですか。
ドクさん:
2004年に友人の結婚式で出会いました。
もちろん、プロポーズはドクさんからでしょうか。
ドクさん:
奥さんからでした。
ドクさんのどのようなところに引かれたのでしょうか。
テュエンさん:
友人の結婚式の時に空いている席を探していた時です。
ドクが席を譲ってくれたのです。
障害があるのに席を譲ってくれるなんて、なんてジェントルマンなんだろうと思いました。
また、デートの時に平和村に私を連れて行ってくれました。
そこには、障害を持つ子供たちが沢山います。
その子どもに接するドクを見て結婚しようと思いました。
結婚の半年前から日本のメディアが取材に沢山来て大変でした。
赤ちゃんができたと聞いた時。
ドクさん:
2つの気持ちがありました。
一つは、嬉しいという気持ちでした。
もう一つの気持ちは、心配という気持ちでした。
自分と同様に枯葉剤の影響があるのではないかという心配がありました。
赤ちゃんが生まれた時の気持ちはどうでしたか。
ドクさん:
2009年に産まれました。
8歳になります。
とても嬉しかったです。
大きな異常もなく生まれたことがとても嬉しかったです。
私と同じ双子でしたので、嬉しさも2倍でした。
名前は、日本の富士山にちなんで息子にはフーシー、娘にはベトナム語で桜を意味するアンダオと名付けました。
日本食の好み
日本で好きな食べ物はありますか。
ドクさん:
「餃子」、「広島風お好み焼き」、「焼きそばUFO」です。
焼きそばは、ペヤングのソース焼きそばも食べましたが、日清焼きそばUFOの方が好きですね。
私は、ソース焼きそばにタバスコをかけて食べるのが好きです。
ソース焼きそばもタバスコも日本に行った時に知りました。
これまで行われて来た主な手術
分離手術
70名の医師で行われた
そのうち日本から3名が参加した
その3名は麻酔科、薬剤師、日赤の医師だった
日本での手術
①兵庫県の病院(1年半の入院)
右足の変形を歩行できるように形成する手術
義足装着とリハビリテーションを行った
②三重大学病院(3ヶ月)
人工肛門より通常の肛門に戻す手術
ドクさん、ご家族の皆さま、ご多忙のところ取材へのご協力を頂きましてありがとうございました。
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