看護師を、病院職員を守れ! 

看護師を、病院職員を守れ! 

  • 2016年12月8日
  • コラム
看護師を、病院職員を守れ! 
看護師を、病院職員を守れ! 

看護師が病院で刺される

12月6日午前8時20分ごろ、岩手県立大船渡病院で女性看護師が49歳の男に包丁で背中を刺される事件が起こりました。 

ニュースでこのことを知った方も多いことでしょう。

負傷した看護師は全治1ヶ月の見込みとのこと。命に関わる事態にならなかったことがせめてもの救いですが、彼女が負った身体的ダメージはもちろん、精神的ダメージははかりしれないものとなることが予想されます。面識のない人に自身の勤務先である病院で刺されるなど誰が予想したでしょうか?明日あなたに同じことが起こる可能性はもはやゼロではありません。「あり得ない」ことではなくってしまったのです。
事件現場には外来診療を待つ患者さんもいたといいます。今後彼らに動揺や不安が広がることが懸念されます。同じく医師・事務等の病院職員にも影響を及ぼすことは想像に難くありません。

 

病院・施設における防犯対策

医療体制の変化や、患者・家族の医療に対する意識の変化によって、患者や家族からの暴言・暴力への対応が急がれ、日本看護協会は2006年に「保健医療福祉施設における暴力対策指針ー看護者のためにー」を示しました。暴力対策について、組織的に対策をとっていくことが重要と述べています。それをベースとして各病院で防犯・安全対策がとられてきました。防犯マニュアルを作成したり、院内に警察OBを配置したりしている病院・施設も多いでしょう。

しかし、今回の事件は、「病院とは無関係の人物」が職員を「刺す」という傷害事件となり、「患者・家族」を対象に「暴言・暴力」への対策を進めてきたこれまでの取り組みは限界を迎えたと考えられます。もはや病院の想像を超えた事態にまで及んでおり、病院・施設は「安心できる場所」ではなくなりつつあると言えるでしょう。

対策強化で安全は担保される?!

今回の事件を受けて、県は患者の安全を守るために策定している既存の防犯マニュアルを改定し、より踏み込んだ対策をとる方針を固めたとのこと。患者・家族だけでなく、職員の安全もしっかりと守っていく対策をとる必要がある時代になってきています。しかし、今回の事件の容疑者は病院と関わりのない人物だったことから、防犯対策はよりその対象を広め強化していくことが必至となるでしょう。「いつ殺人犯が来るかわからない」そんなことを頭に入れながら働かなければならないとは、悲しい現実です。ここまで対策すれば安全・安心というゴールはありません。「病院」という場所が患者・家族が安心して過ごせる場所であり続けるために、今後の検討が急がれます。

自分を・患者さんを守るために、まずはここに記載されているチェックリストや具体的な対応策を確認してみることで、安全の提供の強化をはかってみませんか?

「保健医療福祉施設における暴力対策指針ー看護者のためにー」 

高山 真由子
シンカナース副編集長
慶應義塾看護短期大学  東海大学健康科学部看護学科 看護学士  早稲田大学大学院政治学研究科 ジャーナリズム修士  ニューヨーク留学  慶應義塾大学看護医療学部 慢性看護学実習指導  東海大学健康科学部看護学科 在宅看護学実習指導  東京都御蔵島村 保健師  シンカナース副編集長