No.38 原陽子様(東松山市立市民病院)前編「看護師に向いている確信を得て」

インタビュー

今回は東松山市立市民病院の原陽子看護部長にインタビューさせて頂きました。
原陽子看護部長の手腕に迫ります。

看護師に向いている確信を得た学生時代

看護師になろうと思った理由を教えていただけますか。

原:高校生の時、進路指導の中で担任の先生に看護師を勧められたことがきっかけです。

それまでは看護師という職業を考えてみたことはなかったのですが、実際に病院へ見学に行ってみて「あ、いいかもしれない」と思い、決めました。

看護学校に入学してみて気持ちの変化などはありましたか。

原:の中で様々な患者さんと出会ううちに「人に元気を与えて役に立ちたい」という気持ちが更に強くなったのを覚えています。

それと同時に、自分が看護師に向いていると確信できたように思います。

卒業されてからはどのようなキャリアを積まれましたか。

原:最初は他院に勤めまして、一般病棟から手術室に配属されました。

初めての場所でしたので大変さはありましたが、その病院には9年勤めました。

その後ご縁があり、東松山市立市民病院に来て、今年で25年になります。

病院を移られてからすぐ管理者になられたのでしょうか。

原:先輩もたくさんおりましたし、色々な経験をさせていただきました。

上の方々がだんだん退職されたことがきっかけで、お声がかかって部長になりました。

部長になるとき不安や戸惑いといったものはございませんでしたか。

原:とにかく何かをいい方向に変えたい、病院を変える転換期だと思っていました。

何も出来ない私が管理者になることでスタッフも「自分にも選択肢がある」、「自分達ももっと頑張らなきゃ」と考えてくれるのでは無いか、という思いもありました。

常にスキルアップするのが専門職

管理者になる上で何か特別な準備や勉強はされましたか。

原:当院は公立病院ですので、時折看護部長として議会や市民の皆さんの前で、答弁をする機会があります。

その際にやはり自分が物事を理解していないと説得力のあるものは言えません。

自分でももう少し勉強する必要があると感じ、認定看護管理者のサードレベル研修を修了しました。

そういった研修に参加するのはやはり大切でしょうか。

原:常にスキルアップしていくのが専門職だと思います。

病院として、スタッフのステップアップはサポートされていらっしゃいますか。

原:スタッフでも研修への参加希望があれば行って貰うようにしています。

認定看護師や認定看護管理者に関しては費用負担や勤務調整をして、病院として全面的にバックアップしています。

現在は埼玉県の災害支援ナースの研修にも参加していますし、熊本の地震の際には修了者を1名派遣しました。

そのような研修には自主的に参加する看護師が多いのでしょうか。

原:そうですね。

当院では資格を取りたいと考えているスタッフが多く在籍していますが子育て中の人も沢山います。

院内の研修にもe-ラーニングを取り入れて、自宅でもインターネットを使って勉強できるようにしています。

看護補助者向けの研修は何かございますか。

原:看護部として行なっています。

講義内容としては、病院組織の説明や看護師と看護補助者の違い、個人情報の取り扱いケアに関する事などです。

技術面ではどのようにされていらっしゃいますか。

原:職員の経験やスキルに合わせて、基本的なベッドメイキングなどから初めてステップアップできるようにしています。

教育の面で、時代の変化に合わせて変えている部分はございますか。

原:いつでも新人が来たら大事に育てますし、先輩達も皆そのつもりだと思います。

それでもやはり受けて来た教育によって教育に対する考え方の違いがあります。

今は「見て覚える」というのは難しいですので、教える側にもどのように教育するのかを教えてあげる必要があると思います。当院ではコーチングやアサーション等の研修会も実施しています。

研修としては他にどのようなものがありますか。

原:昨年度の研修ではリフレクション研修も取り入れました。

毎日忙しく働く中で、なかなか自分の看護の振り返りはできません。

そうすると気付きを得る機会がありませんから、研修という形でその機会を設けています。

「気付き」が大切なのですね。

部長の中で、印象に残っている気付きはございますか。

原:やはり様々な場面で、私とは違う視点からの意見が出てくることがあります

でもその意見をそのまま無視したり、潰したりして終わりにするのは絶対にしてはいけないことだと気付きました。

違う意見が出た場合にも、しっかり論理的に説得をできるトップにならないといけないということです。

一番大切なのはみんなに同じ方向を向いて貰うことなので、そのためにも意見が食い違う人とはよく話をするようにしています。

後編へ続く

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