ベトナムで枯葉剤の影響により結合双生児として産まれた弟グエン・ドク(Nguyễn Đức)さんへ取材させて頂きました。
日本では1980年代にマスコミによって報道されましたベトちゃん、ドクちゃんのドクちゃんです。
現在、36歳。
今回は、ドクさんが考える平和についての思いや医療についての期待についてお伺いしています。
平和だけが全ての人々が幸せになることのできる唯一の方法
日本は唯一の被爆国ですが、これについてどのように考えていますか。
ドクさん:
広島と長崎へ投下された様々な原子力爆弾の資料を拝見しました。
原爆は、人間を破壊するだけでなく環境をも破壊します。ベトナムも同じように枯葉剤で人も環境も破壊されました。言葉で表現出来ない程、残虐なことだと考えています。
ベトナムは、枯葉剤の影響で辛い経験を沢山しました。
枯葉剤被害者協会の統計によりますと全国で480万人もの多くの被害者がおられます。
その方々が今もなお枯葉剤の被害で大変苦しんで生活しております。
ベトナムの枯葉剤、日本の原子爆弾のようなことがこれからの未来に世界中で起きないようにどうしたら良いかと考えるとやはり平和だけがそれを達成できる唯一の方法だと考えます。
天皇両陛下との面会
日本の天皇両陛下と面会されたとニュースでお見かけしましたが、その連絡があった時の気持ちを教えて下さい。
ドクさん:
総理大臣に会うことができても天皇陛下にお会いすることは実現できないと考えていましたから、とても嬉しく感じました。
また、私が天皇両陛下にお会いすることがきっかけとなってベトナムと日本の文化交流を始め経験を交換するなど更なる両国の関係発展に貢献したいと考えています。
天皇陛下と実際にお会いしてみて感じたことはありましたか。
ドクさん:
年齢以上に健康そうに見えました。福正を感じました。また、私のような一般市民に対しても親しみを持って接して下さいました。
「頑張ってね」というメッセージを頂きました。
日本の医療に感じること
日本で何度か入院経験があるようですが、日本とベトナムの医療の違いを教えて下さい。
ドクさん:
日本の病院には5回入院しました。
日本の病院の設備はとても発展しています。
日本の医療はサービスが素晴らしいと思います。
日本の病院でのエピソードを教えて頂けないでしょうか。
ドクさん:
日本の看護師さんは、細かく親切丁寧に看護をしてくれました。
私に日本語を教えてくれました。
日本の看護師の知識と技術は素晴らしいものでした。
ベトナムは、日本から学ばなければならないことが沢山あります。
病院の事務として働いておられますが、病院で重要だと思う職種はどんな職種だと考えておられますか。
ドクさん:
私は、事務職なので専門ではありませんが、やはり、病院の中では看護師は重要だと考えています。
先進国などで様々なことを学んで頂いてベトナム国内の患者へその知識と技術をフィードバックしてもらいたいと考えています。
【TU DU OBSTETRIC HOSPITAL】
ドクさんは、どんな事務の仕事をされているのでしょうか。
ドクさん:
会計を担当しています。
会計ですので、会計が合わないことがないように気をつけて仕事しています。笑
日本の医療に期待すること
ドクさん:
日本の病院に1年半入院したことがありましたが、大変素晴らしいものでした。
ベトナムに質の高い日本の医療技術を伝えて頂きたいと思っています。
ベトナムの医療に期待すること
ドクさん:
更に改善してほしいと考えています。
外国の医療を学んでベトナムの患者へ提供して欲しいと思います。
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