前編に引き続き、イムス富士見総合病院の山口看護部長へのインタビューをお届けいたします。
可能性を潰さない環境
看護職員は今何名ほどいらっしゃいますか。
山口:准看護師も合わせて300名以上居ります。
キャリアアップのために働きながら学校に通っている人も多くいます。
学校が実習期間に入った時にも辞めずに休職扱いにして、正看護師の免許を取った後にも当院で働き続けられるようにサポートをしています。
認定看護師や専門看護師はいらっしゃいますか。
山口:専門看護師はまだ居ませんが、認定看護師は4人居ます。
今年学校に通っている人も1人いますし、特定行為の看護師の研修もグループとして今年度から始めています。
新卒の看護師でももうキャリアアップを目指している方もいるので、サポートがあるのは嬉しいですね。
山口:よく就職面接の時に認定や専門など、「将来こうなりたい」という希望を持っている学生に出会います。
でも、どの領域に進みたいかはまだ不明確な人が多いです。
そうした人たちにとって、可能性がたくさんある環境の中で仕事をしていけるのは良いことだと思います。
新しい働き方
こちらの看護補助者の方々について伺わせてください。
山口:実は、昨年から当院では看護補助者の働き方を変えました。
元々は1日フルタイムで働けて、夜勤もできる方を募集していたのですが、なかなかそうした方が集まりません。
ですから、短時間でも働ける方を募集するようにしました。
例えば、2時間枠でシフトを組んで、応募者に働ける枠を選んでもらうのです。
そうすると4、5時間しか働けない方々からもご応募を頂けるようになりました。
そして次第に看護師も、看護補助者の方の都合に合わせて業務を組み立てるようになりました。
看護補助者の方々は何か資格をお持ちですか。
山口:持っている方もいらっしゃれば、全く初めてです、とおっしゃる方も多いです。
でも短時間しか働けない方でも、例えば飲食店で働いたご経験をお持ちの方は配膳がとても上手いですし、お昼時を中心に、食事前後の時間帯で活躍してくださいます。
本当に、人それぞれの働き方をしていると思います。
今後、働き方に様々なバリエーションが加わると思いますが、お互いがうまく時間が使えればいいと考えています。
広がる人の輪
何か気分転換にしていらっしゃることなどは御座いますか。
山口:私は仕事も好きなので、プライベートも仕事も同じような感覚なのです。
ですから仕事から離れる時間を確保しないといけないと思いまして、最近2つ新しいことを始めました。
ひとつは山登りです。
同じぐらいの世代の看護師仲間で屋久島に行く計画を立て、用具を揃えたり、低めの山に登り始めたり、少し自然と触れ合う時間を作るようになりました。
もう一つはバイオリンです。
小さな頃にピアノを習っていたので、また何かをやりたいと感じて始めました。
サックスをやりたかったのですが、人気でクラスに空きが無く、バイオリンにしました。
楽譜は読めるのですが、バイオリンはそれだけでは駄目で、しっかり弦を押さえて弓を引かないと綺麗な音が出ません。
その違いを楽しみながら練習をしています。
グループ内の院長の一人が仲間内で音楽団のようなものを作っていらして、今度の演奏会に誘ってくださると仰ってくださったので楽しみにしています。
大きなグループですと、人との出会いが多くなる点が良いですね。
山口:病院職員の転勤も勿論あるので、以前一緒に働いていた職員と、別の病院で一緒になることもあるようです。
長く続けている人は、様々なところで人の縁が広がっているようです。
素晴らしいと思います。
看護部長からのメッセージ
山口:イムス富士見総合病院は急性期の病院ですが、地域包括ケア病棟や回復期リハ病棟もございます。
さらに、訪問看護・訪問診療にも今後力を入れて行く予定です。
今の日本の事情を丸々ひとつの病院の中で実行しようとするチャレンジをしております。働く職員たちは、お母さん看護師と新卒看護師の多い若い集団です。毎日元気に仕事をしていますので、どうかよろしくお願いします。
シンカナース編集部 インタビュー後記
イムス富士見総合病院イムスグループに属する病院の1つです。
患者さんの負担を極力減らし、安心感を与えられるシームレスな医療を提供するため。ハード面を変えられています。
そして、それだけでなく労働者人口の減少という医療業界も大いに関係してくると予測されている問題に対し、ソフト面でも積極的に改革を進められている病院です。
フルタイムでは働けなかったとしても、専門的な知識がなかったとしても、活躍して貰える環境を整えていらっしゃるのです。
山口看護部長を含む、管理者の方々の柔軟さがそれを可能にしているのではないかと感じました。
様々なことにチャレンジをしたい方にはとても適した病院ではないでしょうか。
山口看護部長、この度は大変貴重なお話を誠にありがとうございました。
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No. 109 山口 聖子様(イムス富士見総合病院)前編「指導者に出会った学生時代」