「看護師になりたい!」をサポートする

コラム

以前「どうやって看護師になる?なった?」というコラムを掲載しました。 

たくさんある看護師になるルート。みなさんはどんな道をたどって看護師になったのでしょうか?進路を決める際、どんなことが参考になったのでしょうか?また、看護師になりたいと相談を受けた時に自分の仕事内容をどう伝えているでしょうか?

「看護師」という職業を伝えるということ

昨日、東京国際フォーラムで開催された日本看護科学学会の中で「ナーシング・サイエンス・カフェ」が「開店」しました。高校生を対象に「看護職を志向するあなたへ〜看護の多様な働き方紹介します〜」と題して、4人の看護師(米国の看護師、国の機関に勤務、企業に勤務、開業)が自身のフィールドを紹介。看護師4人それぞれの話、それ自体は看護師のキャリアとして興味深く聞きましたが、それと同時に感じたのは「高校生が知りたいのはこういう内容なのだろうか?」ということ。

その後参加した高校生約20名と看護師がテーブルを囲んだ「カフェトーク」は予想通り(?!)静かな時間が流れていました。ポツリポツリと出た質問は主に臨床、つまり病院での看護師の仕事に関すること。そうでしょうそうでしょう、聞きたいことはそこでしょう。高校生にとっては病院で働いていない看護師をイメージする方が難しいかもしれません。

臨床だけではない看護師の多様な働き方を紹介して看護師の魅力を伝えることはとても大切です。それと同時に高校生は看護師の基本となる臨床の部分を知りたいと考えるのではないでしょうか?看護の道へと進もうと考える彼らにとって、このカフェがさらに動機付けを強化させるものとなるような「ワクワクする」ものであってほしいと思います。

何をどう伝えるか

この10年、大学の看護学部の増加が止まらず、20年前の11校から今は200校を越えています。「高校生がなりたい職業」の上位に常にランキングしている看護師はその人気の衰えを知りません。学生と接していると、以前は「憧れ」や「白衣の天使」というものだった看護師のイメージが、最近では「資格」「知的」といったものに変化してきている印象を持っています。

 

3Kの職業かもしれないけれどその裏にはこんないいことがあること、見えにくいけどこんなことも看護師はやっていること、時々こんなことでつまづくこと、これから看護の世界は3A(安全、安心、明るい)になっていくこと、一緒にそのページを作っていこう、ということを「具体的に」伝えることで彼らの選択を後押しできるのではないでしょうか。また、それまで看護に関心がない人たちに看護に興味を持ってもらうきっかけになる可能性もあります。

私たちは目の前の患者さんへのケアはもちろん、専門職として次世代へと看護師のバトンをつなげていく役割も担っているのです。