嫌なシーズンの到来!〜インフルエンザ流行スタート 

コラム

11月25日、厚生労働省はインフルエンザが流行シーズンに入ったと、発表しました。定点あたりの報告数が流行開始の「1.00」を上回る「1.38」となったことがその理由です。今年は例年よりも早い流行となっており、病院・施設は感染対策を急ぐことになりそうです。インフルエンザワクチン接種は今が最盛期ですが、早い流行によって感染が広がるスピードも早くなる可能性が考えられます。

定点医療機関って?

さて、インフルエンザ流行の時期になるとよく耳にする「定点あたりの報告数」という言葉。この詳細についてみなさんはご存知でしょうか?平成11年4月1日に施行された「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づき、ここに規定された疾患の患者がどれくら発生したのかを調査統計する、「感染症動向調査」が実施されています。それには感染症分類によって「全数把握対象疾患」と「定点把握対象疾患」があり、インフルエンザは「定点把握対象疾患」に分類されています。「定点把握」とあるからには「定点」とする医療機関、すなわち「定点医療機関」が必要で、その決定には医師会の協力を得て、医療機関の中から保健所管内の人口に応じた数を無作為に選定しているといいます。東京都にはインフルエンザ定点医療機関が419ヶ所あり、その内訳は小児科定点264ヶ所+内科定点155ヶ所。全国規模でみると約5000ヶ所の定点医療機関があり、それによってインフルエンザ流行の全国分布の把握が行われています。

数値でみる流行

今回の報告書では、定点あたりの報告数が多い順に見てみると

1.沖縄県(8.12)

2.栃木県(5.50)

3.福井県(3.50)

となっており、沖縄県の数値をみると流行基準の「1.0」の8倍の数値で、非常に流行していることがわかるのですが、数値をたどってみると沖縄県の最高値は10月24〜30日の週の「11.4」であり、最初の発症が報告された9月13日から1ヶ月程度で流行のピークがやってきたことがわかります。また、全都道府県で前週の報告数を上回ったことからも、流行シーズンに入ったことがみてとれます。

看護師とインフルエンザ

看護師として働いている以上インフルエンザの流行は避けて通れません。病院勤務に限らず何かしらの形でインフルエンザと関わることになります。自分がインフルエンザに感染しないことが最大の防御ですが、勤務中の看護師が最も恐れるの自分はもとより、患者さん・利用者さんが感染すること。特に不特定多数の人が出入りする病院では、最善の対策を講じても感染を100%防ぐことは非常に困難なことが予想されます。飛沫感染で広がっていくことから、手洗い・マスク着用・予防接種を各々が徹底することで、少なくとも自分が媒介とならないことだけは心がけたいものです。