体温計は、どこの病院にも絶対にありますが、採用しているメーカーや種類は様々ではないでしょうか。
そこで、体温計を徹底比較してみました。
今回、比較対象とした体温計はテルモC205S、シチズンCTE509、オムロンMC680、オムロンMC612、ドリテックTO-200、オーム電機MT418BWCです。
前回までにパッケージ、パッケージの開封、取扱説明書、電源スイッチ、測定時間と測定完了音、表示、本体価格、電池寿命と交換方法、特殊機能の紹介と評価を比較してまいりました。
いよいよ最終章。
総合評価となります。
最も優れた体温計はこれだっ!
今回比較した体温計のモデルで最も優れた体温計は「テルモC205S」という結果となった。
その詳細については、下記「総合評価」をご参照ください。
総合評価
今回、3名の看護師が5点満点で評価した後、総合得点を協議しました。
■テルモC205S 総合:5点
T:5点 K:5点 H:5点
今回、検証した中で最も説明書が必要ない程、感覚で使用できる操作性を有し、衛生面でも水洗いをすることができてコストパフォーマンスと耐久性にも優れた信頼の体温計として満場一致で支持されました。
看護師T:テルモが全てにおいて一番シンプル
看護師H:自身の実体験からみても、エラーが出た時にやり直しやすい仕組みなのはテルモ
また、電源ボタンを押す必要がない為、手元が不自由な場合でも一人で検温できる
■シチズンCTE509 総合:3.5点
T:4点 K:3.5点 H:4点
テルモC205S同様水洗いもでき、清潔さに優れ、電池交換もコインで可能
表示は最も大きく見やすい。
音の聞き取りにくさや電源スイッチを押さなければならないわずらわしさが減点の対象となった
看護師H:家庭で高齢者が使用するには良いのでは・・・
■オムロンMC612 総合:2点
T:2点 K:2点 H:2点
体温計のボディーが大きく腋窩に入れた際、落ちることがあったり、電源を入れてから測定開始までに10秒を要するため、予測値が15秒で測定できてもそのロスは大きく感じる。
総合得点がその結果となりました。
看護師H:実際に現場の声として、スタートアラームがなってから検温できるまでにタイムラグがあり、エラーとなって検温できないことが多く、不評だった
看護師T:用途・対象がとても限られていると思う
■オムロンMC680 総合:3.5点
T:3.5点 K:3点 H:3.5点
看護師H:測定完了を光でも知らせてくれるから見やすい
聴覚障害のある方に良いかもしれない
■ドリテックTO-200 2点
T:2点 K:2点 H:2点
看護師H:長袖で検温する場合には曲がるのはいいのではないかと思うが曲がる分耐久性に不安があります
キャラクターの絵が付いた物があるので、小児科の外来にあるのはいいかもしれませんね
取説に測定方法の挿絵が載っていますが小さく見にくいのではないでしょうか
看護師T:電池カバーにネジがなく、引っ張ればはずれるので、子どもははずしてしまうので心配
看護師K:カバーを外した際に電池が取れて飛んでしまう可能性もあり、危ないと思う
■オーム電機MT418BWC 総合:1点
T:1点 K:1点 H:1点
コストパフォーマンスでは、群を抜いて良いものの衛生面など医療機関において必要とされる操作性をはじめとする機能があと一歩というところでの総合得点となりました。
看護師T:予測値・実測値ともに音が聞こえなかった。
看護師H: 高温注意報については、病院の場合は検温時にいつもと違う音が鳴って患者さんが驚いてしまう可能性がありそですね
強いて言えばサイズが小さいから携帯用にはいいかも知れませんね
今回の検証について
看護師K:正直、体温計について、ここまで考えたことはありませんでしたね
テルモが多くの医療機関で採用され支持されている理由がわかりました
看護師T:検証はおもしろかった
それぞれよく出来ているんですね
楽しかったです
看護師H:私は病院勤務ではありませんから当初は参加してもよいのか不安でしたが医療機関以外での経験をお伝えできて良かった
参加して面白かったです
まとめ
操作性、清潔性、使用感、ランニングコスト、特殊機能等を今回検証してまいりました。
感覚で使用できる操作性を有し、衛生面でも水洗いをすることができてコストパフォーマンスと耐久性にも優れた信頼の体温計は、テルモC205Sとなりました。
私自身、これまで、ただそこにある体温計で検温を行ってきましたが操作性、清潔性、使用感は特に看護業務時間に直接影響を与えると感じました。
コストを含めて使いやすいものを使用していなければ時間的なロスが発生します。
体温計の電池交換の時間一つを取ってもロスと言えます。
時間的ロスが発生すれば、患者へのケアやキュアに使える時間を圧迫します。
そのロスを十分にコントロールしなければ医療全体の質にも影響を与えかねないとも考えられます。
今後も採用の参考に出来るような検証を行ってまいりたいと思います。
写真:荒木郁弥