体温計は、どこの病院にも絶対にありますが、採用しているメーカーや種類は様々ではないでしょうか。
そこで、体温計を徹底比較してみました。
今回、比較対象とした体温計はテルモC205S、シチズンCTE509、オムロンMC680(予測15秒)、オムロンMC612(予測15秒)、ドリテックTO-200(柔らか)、オーム電機MT418BWCです。
前回は、パッケージ、パッケージの開封、取扱説明書を比較しました。
電源スイッチ
電源を入れる方法は、ケースから出し入れして電源をON-OFFするタイプと電源スイッチを押して電源を入れるタイプの2つです。
【ケースから出し入れして電源をON-OFFするタイプ】
■テルモC205S
メリット)指先が不自由な方でも使用可能。ケースから出すだけで電源を入れている感覚が無くストレスフリー
デメリット)病院などでC205H(10本入)を使用した場合は、エラー発生時、看護師がリセットする(ケースに入れる)必要がある
テルモC205H(10本入)とテルモC205Sの両方を使用した経験のある看護師Hは上記でメリットを理由にテルモC205Sの方が使い勝手が良かったと話された。
【電源スイッチを押して電源を入れるタイプ】
■シチズンCTE509・・・電源スイッチを押してすぐに測定開始ができる
■オムロンMC612・・・電源スイッチを押して測定準備に約10秒必要(10秒後から測定開始となる)
■オムロンMC680・・・電源スイッチを押してすぐに測定開始ができる
■ドリテックTO-200・・・電源スイッチを押してすぐに測定開始ができる
■オーム電機MT418BWC・・・他製品と比較して電源スイッチを強く押す必要がある
メリット)体温計単体で電源のON-OFFができる
デメリット)指先が不自由な方には不向き、電源を入れる煩わしさを感じる
オムロンMC612は、予測値が他社の半分(15秒)で測定できるが測定準備に10秒間必要となり、結局、電源ONから測定終了まで25秒必要となる。
小児を対象にオムロンMC612を実際に使用していた経験のある看護師Hからは、「10秒が待てなくて子供に逃げられることもありました」という経験をお話しして頂きました。
電源ONの方法としては、ケースから出すだけで電源を入れている感覚が無く、指先が不自由な方にも使いやすいテルモC205Sに軍配が上がりました。
測定時間と測定完了音
■テルモC205S・・・予測値まで30秒、聞きやすく大きく感じる
■シチズンCTE509・・・予測値まで30秒、他社製品よりやや聞き取りにくく感じる
■オムロンMC612・・・予測値まで15秒、やや小さいが聞き逃すことはない
■オムロンMC680・・・予測値まで15秒、やや小さいが聞き逃すことはない
■ドリテックTO-200・・・予測値まで30秒、やや小さいが聞き逃すことはない
■オーム電機MT418BWC・・・予測値まで30秒、服の中で測定すると聞こえない
測定時間では、測定準備時間を改善したオムロンMC680がもっとも短い時間で測定できる。
測定終了音に関しては、テルモC205Sが最も聞き取りやすい音質と音量が十分に備わっているという結果となりました。
一方、オーム電機MT418BWCの測定完了音については、3回実施しましたが3回とも会話をしながら服の中で測定していたところ、予測値測定完了音も実測値測定完了音も聞き逃すほど聞き取りにくさが目立ちました。
写真:荒木郁弥