広域災害発生!医療機関で取るべき行動は。。。

コラム

熊本地震からも間も無く1年が経過しようとしています。

また、東日本大震災の発生から6年が経とうとしています。

医療機関では、定期的に避難訓練を実施しています。それにも関わらず、東日本大震災の際、多くの医療機関で困ったことがありました。

避難した後

どの医療機関も日頃の避難訓練の成果で災害発生後の避難は、難なく実施できたと思います。

私たちの施設でも誰一人怪我することなく全員無事避難をすることができました。ところが、避難訓練で行なっていたのは、避難するところまでだったため、その後、どのような行動をすれば良いのか混乱しました。

人間は、やったことのないこと訓練を受けていないことは、できないのです。

幸い当院は、大きな被害がなく再び病棟に避難場所から患者さんを全員戻すことができましたが、大きな被害を受けていた場合、何をすべきだったのでしょうか。

院内災害対策本部の立ち上げ

院内災害対策本部を立ち上げると同時にEMIS:Emer-gency Medical Information System(広域災害救急医療情報システム)の入力をいち早くする必要があるのです。

EMISとは、ライフラインの状況や被害状況をDMAT等へ報告したり患者受け入れ状況など医療機関情報を集約したりするシステムなのです。

EMISの入力がなければ、救援も来なければ物資も届かないと考えた方が良い。

各医療機関にIDとパスワードが割り振られており、もし、ご存知ないようでしたら都道府県に問い合わせしておきましょう。

EMISは、こちら

これから

広域災害発生に備えて、これまでの避難訓練に加えて準備しておくことがいくつかあります。

1)広域災害発生時対策マニュアルの整備と運用

現実に即した災害対策本部組織図でなければ意味がありません。院長や事務長不在の時に発災する可能性は少なくありません。災害対策本部長を予め院長や事務長に決めておくと、イザという時に使えないマニュアルになってしまいます。

備蓄計画をしていてもどこに何があるかが分からなければ運用できません。どこに何がどれくらいあるのか明確にしておく必要もあります。

非常用発電機も誰でも使用できるようにマニュアルに含めると良いでしょう。

衛星電話は、通常の固定電話と使用方法が異なります。衛星電話の使用方法も含める必要があります。

2)院内災害対策本部の立ち上げ訓練

様々な想定で訓練をする必要があります。

屋内に設置できることもありますが、止むを得ず屋外に設置せざるを得ない場合もあるかも知れません。

電源や資機材は、どこからどのように持ってきて、どのように接続するのか実際にやってみることがとても重要になります。

3)避難訓練

当然、定期的な避難訓練が有効であることは言うまでもありません。

全職員が参加して行う必要があります。

まとめ

平時からの災害に備えた訓練と準備がとても重要になります。

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