No.207 聖隷横浜病院 内田明子 総看護部長 後編:看護師が思いきり働ける環境作り

インタビュー

前編に引き続き、内田総看護部長のマネジメントスタイルや、

これからの看護師の在り方などについて、お考えを伺いました。

スタッフが働きやすい環境を整える

中:高い救急応需率と病床稼働率を達成し維持され、これからの課題はどのようなことだとお考えですか。

内田:自分が若かった頃、患者さんのため思いっきり力を発揮できる良い職場環境だった

という気がしています。

難しいことはあまり考えずに良い仕事ができていたと。

それはきっと誰かが外堀をしっかり埋めて、環境を整えてくれていたということです。

当時、総婦長がどういう人なのか全く知りませんでしたが、きっとそのように考えられていたはずで、

それを今の私がやらなければいけないと考えています。

現場のスタッフが良い仕事をできる環境を整え、実際に良い仕事をしてくれたら、

それをしっかり数字に表して病院の内外から評価してもらえる看護部にする。

それがマネージャーの腕だと思っています。

もう一点、看護補助者の研修も重要だと考えています。

先ほど申しました「最後の1床まで使って地域貢献する病院」という理念を共有したり、

患者さんの話を傾聴するといった態度を身につけることは、

実際に患者さんに接することも多い看護補助者にも求められるからです。

看護師や看護補助者に当院の理念を伝え続けることは、これからも私の仕事だと考えています。

大学院で看護管理の理論を習得

中:今までお話しいただいた総看護部長の看護観は、

新人の頃からの積み重ねで形成されたものなのでしょうか。

内田:1年目からの積み重ねもあり、中間管理職も経験し、いま総看護部長を務めているという、

それらの経験が役に立っていると思います。

時代とともに多くのことが変わりましたが、変わらないものもたくさんありますから。

このような積み重ねのほかに、看護師として働きながら一時期、大学院で看護管理を学んだことも良い経験でした。

看護の何が良くて何が駄目なのかを理論的に整理でき、修了後は仕事をたいへん進めやすくなりました。

中:大学院はいつごろ通われたのですか。

内田:43歳からの3年間です。

ちょうど娘の高校受験と同じ時期に大学院を受験しました。

久しぶりの女子大生でちょっと気分がよかったです。

講義で何でも「わかりません」と聞くことができたのは、職場ではありえないことでしたので新鮮でした。

交通費等が学割になったのも予想外のメリットでした。

看護特定行為への期待

中:話題を少しふくらまして看護全体についてお尋ねします。

これから医療の在り方が大きく変わると言われていますが、

その変化に対してどのような取り組みが必要だとお考えでしょうか。

内田:看護においても今、スペシャリストが必要とされる時代になり、

診療報酬にも反映されるようになってきました。

特定行為に関してはまだ賛否両論がありますが、制度としてスタートしたということは、

良いか悪いかの議論よりもまず始めてみる必要があるでしょう。

個人的には、院内教育のクリニカルラダーがある程度に達し看護のジェネラリストと

呼べるようになったスタッフの多くに、将来は特定行為を行っていただきたいと考えています。

そのようなスペシャリストが各職場に数人いるだけで、

看護の現場はガラッと変わるではないかとの期待もあります。

中:それは、総看護部長が先ほどおっしゃった、

スタッフが働きやすい環境を提供するという役割にも通じますね。

内田:働きやすい環境ということでは、看護師のライフステージへの配慮も必要です。

看護師はまだ女性が主流で、女性のライフイベント、例えば結婚、妊娠、出産、育児、家事、

それに親の介護などと仕事の折り合いが大切だからです。

つまり「お互い様」という前提で、職場全体でやり繰りすることが必要です。

逆に独身時代はたくさん経験して能力を高めてもらい、

その人が出産・育児に入ったら次の年代の人が頑張るといった具合です。

当院では育児休職から復帰してくるスタッフにオリエンテーションを受けてもらい、スムーズに現場に戻っていただく体制を整えています。

ビール、サスペンス、マニキュア

中:インタビューのお時間も終盤なのですが、

ここで総看護部長のお仕事以外での時間の使い方をお聞かせいただけますか。

内田:私はどちらかというとワーカホリック的に過ごしてきました。

つい最近までは日本腎不全看護学会の理事長を務めていて、

今でも病院業務以外にCKDの早期発見・早期治療の啓発事業などのため、週末も割と忙しい日々です。

ただし、好きなことが三つあります。

一つはビール、二つ目はサスペンス。本もテレビもサスペンス好きです。

三つ目はネイル、マニキュアですね。

看護師はマニキュアが禁止されているので、学生の時から休日だけ塗っていました。

ですから今もマニキュアを塗ると、休みの気分になれるのです。

週末、学会関連の仕事のため新幹線で出かけるときもマニキュアを塗って行き、帰りはビールを飲みながら

サスペンスを読むという、この3つをセットでできる時間はととてもリラックスします。

どんなに手をかけてマニキュアを塗っても結局、週明けまでに落とすことになるのですが、

週末のわずかな時間を楽しんでいます。

中:それが美しさを保たれる秘訣のように思います。

内田:娘が服飾メーカーに勤めていてファッションにうるさく、

すぐに「ダサイ」などとチェックが入ります。

その影響もあって少し気をつけています。

総看護部長からのメッセージ

中:それでは最後に、看護師に向けてメッセージをお願いします。

内田:皆さん、私たち聖隷横浜病院に興味を持っていただいてありがとうございます。

当院は横浜市の保土ケ谷というところにあり、都会でありながら、のどかな雰囲気の病院です。

当院の一番の特徴は、アットホームで関係性が良いことで、この点を院外の方からしばしば褒められます。

そのベースには「地域住民の健康問題に対して、丁寧に、安全に、医療・看護を提供する」という、

当院の理念があるからこそではないかと、私は思っています。

その理念を全うするための職員を募集しておりますので、私たちと一緒に質の高い看護を目指しませんか。

ベッドサイドのナースには常に、清く、正しく、美しい存在となり、患者さんが良いと思う看護を

思いっきり実践していただけるように、私たちマネージャーが一生懸命、環境を整えております。

ぜひ当院にお越しいただけたらと思っております。

よろしくお願いいたします。

インタビュー後記

内田総看護部長のおっしゃられる「良い仕事をできる環境を整える」

という管理者の役割は、スタッフにとってはとてもありがたい言葉ですね。

安心して、自分の看護を実践するには、現場の環境が整っていなければ本来行えません。

管理職になっても学び続ける姿勢、温かくスタッフを見守りつつ、きちんと評価されるシステムを作られる計画性。

一貫性のある姿勢を貫かれていらっしゃる印象的なインタビューでした。

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聖隷横浜病院

Interview with Araki & Carlos