日本とオーストラリアの看護について② 働き手としての権利の尊重

日本とオーストラリアの看護について② 働き手としての権利の尊重

  • 2016年10月21日
  • 海外看護
日本とオーストラリアの看護について② 働き手としての権利の尊重
日本とオーストラリアの看護について② 働き手としての権利の尊重

皆さんこんにちは。
日本は少しづつ涼しくなってきたと聞きましたが、シドニーは逆に春真っ最中。すでに昼間は夏の気配もするほど暖かくなって過ごしやすくなってきた今日この頃です。
さて今回は、前回少しお話しさせて頂いた「働き手としての権利の尊重」のお話しをもう少し掘り下げて、特になぜオーストラリアの看護師は勤務時間内に業務が終わるのか?!ということについて少しお話しできたらと思います。

勤務内容の効率化、分担化

オーストラリアの看護師業務は日本と比較するととにかく余裕があります。朝の勤務(三交代の場合、午前7時から午後3時半)では、昼食時の薬剤投与が終わると残った業務はほぼ記録のみということもよくあります。ではその差はなぜ生まれるのか?
まず気が付くことはとにかく記録に掛かる時間も含め、看護師の仕事量の違いです。
オーストラリアの看護師業務は主に薬剤投与と記録!といっても過言ではないほど明確に他職種業務と分担化されています。もちろんその他にも主に重症患者さんの日常生活援助(清潔、排泄介助など)やガーゼ/包帯交換などの必要な看護処置を行いますが、日本の看護師が行っていてオーストラリアの看護師が行っていない業務は多くあるように感じられます。そのような業務の多くはオーストラリアでは他職種に分担されています。(特に看護師資格がなくてもできるような業務)また、看護助手(各病棟に1人など)の行うことのできる仕事の範囲も広く、ナースコール対応、バイタルサインチェック、尿量測定、移動/移乗/体交介助など、、、薬剤投与と看護処置や記録以外のほぼすべての看護関連業務を行うことができます。
オーストラリアで他職種に分担されている日本の看護師業務の例をいくつか紹介したいと思います。
① 採血→採血担当専門職(採血の資格がないと看護師でも採血できない!)
② 環境整備、患者さんの退院や病棟/病室移動後の清掃→清掃担当者(障害物や転倒防止、感染対策などの環境整備は必要であれば看護師も行います。)
③ 患者さんの病棟/検査などへの移動や移乗介助→主に大柄な男性の移動/移乗介助専門者(重度の運動機能障害等で2人の介助が必要な患者さんなどは看護師も介助を行います。)
④ 食事の配膳→配膳担当者
また、理学療法などのリハビリテーションは担当者が患者の病室に来て病棟内で行います。

まとめ

オーストラリアの病院はとにかく分業!利点としては作業の明確化と効率化による一職員当たりの負担の減少から看護や提供するサービスの質の向上につなげられることです。一方、明確な分業制は逆に自分の仕事以外はしない!という認識を与えることにもなり、例えそれが近くの給湯室に紙コップを取ってくるだけであったり、たまたま居合わせた移乗に少し手を貸すことであってもやらない!という場面もたびたび見かけました。各個人の仕事/看護観や捉え方にもよるとは思いますが、いずれにせよ、患者さんにとって最善の医療につながるように取り組みたいものです。

基本の看護業務の流れ↓

img2-1

このようなプランをナースステーションなどに貼り、実施済み業務は斜線で消すなどしてチーム全体で業務の進行状況/分担を判断します。例)看護師が薬の準備をしている間に看護助手が朝食の環境設定など。

 

 

まいこ
日本の看護学校を卒業後約3年間手術室看護師として臨床経験を積んだ後、オーストラリアの大学に編入、現在はオーストラリアの看護師免許取得に向けて日々奮闘中。