新人看護師のプレッシャーと対策

新人看護師のプレッシャーと対策

  • 2017年7月12日
  • コラム
新人看護師のプレッシャーと対策
新人看護師のプレッシャーと対策

早いものでもう7月になりました。

新人の方も3ヶ月経って少しずつ仕事に慣れてきた頃でしょうか。

それとも、夜勤が始まって新たなプレッシャーを感じている頃でしょうか。

今回は新人看護師が感じるプレッシャーとその対処方法についてのお話しです。

プレッシャーの原因

①情報量

どの職業に就いたとしても、誰もが初めは莫大な量の情報による洗礼を受けます。

看護師も例外ではありません。

入職してしばらくは聞くこと見ること全てが逃してはいけない大切な物事に思えますし、情報の量もスピードも学生時代とは全く違います。

それについて行けるようにならないと、というプレッシャーがのし掛かってきます。

年度始めのナースルームでは、一所懸命に聞こえてきた専門用語をメモしている新人看護師を見ることができるのではないでしょうか。

②勉強

専門職である看護師と勉強は切っても切れない関係にあります。

実際、出勤すると調べ物をする時間はありませんので日頃の勉強がものを言いうのは確かです。

そのためか看護師は日々、様々な形で勉強をしないといけないというプレッシャーに晒されています。

 

先輩から宿題を出され翌日にレポート書いて持って行ったり。

先輩や上司からは「看護師になったからにはずっと勉強しないとダメ」「毎月給料の何パーセントは勉強用に使いなさい」と言われたり。

気軽に読み始めてみた看護の本の中にも「勉強すらできない看護師も居る」と、ちょっと胸に刺さるような言葉が書いてあったり・・・。

 

以前、オーストラリアで心理学の学士号を取られた方とお話ししたことがありますが、

「こういう仕事(医者、看護師、臨床心理師等)は全てを知っていなければいけない」

「患者と対峙している時に調べ物はできない」と仰っていました。

面白いことに、医療関係者がうける勉強に対するプレッシャーは世界共通なようです。

少し親近感がわきますよね。

③状況的なもの

看護師として働くということは毎日が本番です。

暗記力と実技のテストとも言えます。

どんな病気も「この人の担当は新人看護師だから、仕事ができるようになるまで悪さをするのはやめておこう。」なんて、こちらの都合は考えてくれません。

看護師の心の準備ができていようがいまいが関係なく新規入院や急変があります。

上手く対応できれば達成感を得られる面白い仕事だと思いますが、受け取り方は人それぞれです。

中には、現実に直面しても、そのプレッシャーを物ともせず卒なくこなしていく新人もいますが、不安に押しつぶされそうになる人もいると思います。

テキパキと働く先輩と自分を比べて、勉強不足を痛感し、焦るけれど何から手をつけたらいいのかわからない。勉強しても頭に入らない。キリがないと感じる。焦ると頭が真っ白になってしまう。

只でさえ自己嫌悪に陥っている中、忙しい先輩に小さな質問をして怒られ、また落ち込み・・・という負の連鎖に嵌る人もいるかも知れません。

 

対策

どうしたらこのプレッシャーに頭を抱える状況から抜け出せるのでしょうか。

少しでも軽減する方法はないのでしょうか。

試してみて頂きたいのは次の2ステップです。

①問題の洗い出し

まず仕事に関して抱えている問題、困っていることを書き出してください。

②分析・仕分け

書き出した問題を「人間関係の問題」と「その他の問題」に仕分けます。

 

「その他の問題」に入るものは勉強すれば解決することが大半では無いでしょうか。

つまり、対策を講じれば少なくとも「その他の問題」によるプレッシャーは感じないで良くなるのです。

今度はそれを「看護に関すること」と「業務に関すること」のどちらかに分類してみてください。

看護師の勉強はこの2つに大別することができると思います。

 

この分類ができたらあとは対処行動をとるだけです。

③対処行動(勉強する)

 

看護に関する事 :市販の本に書かれていること

例)各種疾患と看護、検査の種類、値の読み方、手技、物品の種類・目的・使い分け 等

書かれていることだけでも膨大な量だとは思いますが、本に書いてあることがわかっていれば、効率が悪いとしても確実に勉強は始められます。

敢えて何かお伝えするならば、勉強とは思わず、調べ物という気持ちで始めてみると敷居が低くなります。

遠回りせずに、まず知りたいことだけを調べることが重要です。

本を最初から通しで読む必要はありません。

まずは必要な情報のみ手に入れてください。

 

真面目な人ほど出来るだけ早く全ての知識を仕入れたくなると思いますが、仕事を始めたら教科書や参考書は1日では読破できない物と思った方が良いです。

そもそも読破は目的にしてはいけませんし、医療関係の本はそういう読み方に向かないと思います。

調べものの目的は必要な情報を仕入れて使えるようにすることです。

少しずつ必要な情報を掻い摘み、まずは広く浅く、最終的に全体を網羅できるようにしましょう。

その日の分の調べものを終え、次の日の準備(予習出来るものがあれば)をします。

それでも時間が残っていて、気持ちが勉強へ向いているようならば知識が系統だったものになるように参考書を読み進めるのも良いでしょう。

 

「1日何時間勉強する」「何ページ読む」等、勉強のノルマを自分に課すのも悪くはないですが、達成できなかったときに落ち込むんだり自分に腹をたてる人はやめておきましょう。

持ち歩けるサイズの勉強ノートを作っていつでも眺められるようにする、というのも良いと思います。

詳しいノートを作るのは面白い作業ですが、勉強ノートを作ることを目的にしてもいけません。

勉強ノートはあくまでも自分が読んで書いてある事柄を思い出すためのものです。

ノート作りに集中してしまうならば本を何度も読み込んだ方が記憶の定着には効果があるはずです。

 

その他、先輩から出される宿題は自己学習の良いペースメーカーになりますので是非とも活用しましょう。

同期が多くいる職場ならば新人同士で参考書を持ち寄って効率的に勉強することもいいと思います。

同期が誰もいない場合は、先輩方のオススメの本やお気に入りの勉強方法を聞いてみるのもいいかもしれません。

業務に関する事 :本には書かれていないこと

例)医師や病棟の週間スケジュール、物品の位置、委員会、指示伝達系統、書類の書き方 等

これらは病院によって違いがあります。

 

マニュアル化されていればそれを読めば良いですが、書いていない場合は現場で覚えるしかありません。

簡単に思えますがこれが結構厄介です。

まず第一に、こういったものは明文化されていないことが多いのです。

何もわからない立場から見るとこういったものは案外複雑なのですが、働いている人にとっては当然のことなので困っていてもわかってもらえません。

そのためか勇気を出して質問しても、冷たい反応が返ってくることもしばしば・・・。

でもこういったことが分からないこと自体、自分から質問しないと誰も気付いてくれません。

このカテゴリーにあるものは、分からなくなったら躊躇せず誰かに聞きましょう。

質問してはいけないことなんて本来ないはずです。

一度で覚えられない不安があるならばメモを取ればいいだけです。気負う必要はありません。

終わりに

以上、簡単な対策ですが少なくともプレッシャーによって何もかも手につかないという状態を脱するヒントにはなると思います。

看護に関する知識は、少しずつでも勉強を続ければ積み重ねられていきますし、病棟のルールも出勤さえしていれば分かってくるはずです。

勉強も仕事もはじめから完璧に出来る人はどこにもいません。

やっていくうちに自分にあったやり方が段々とわかってくるはずです。

プレッシャーを感じるということは、一皮剥けるチャンスを与えられていると心が気づいたサインです。

是非上手く活用してみてはいかがでしょうか。

白岩 憲子
A-LINE株式会社 シンカナース副編集長
聖路加国際大学卒業 看護師 保健師 東京武蔵野病院