インタビュー#15 日髙真紀様(渕野辺総合病院様)vol.3

インタビュー#15 日髙真紀様(渕野辺総合病院様)vol.3

  • 2017年4月23日
  • インタビュー
インタビュー#15 日髙真紀様(渕野辺総合病院様)vol.3
インタビュー#15 日髙真紀様(渕野辺総合病院様)vol.3

vol.1,vol.2に続き、渕野辺総合病院の日髙真紀看護師長のインタビューをお届けします。

vol.3では師長になった日髙さんが、経営を意識しながら勤務した手術室での経験や、外来師長となって大切にしていることについて伺っています。

 

師長としてのスタートは手術室

 

日髙:師長代行になって3年経ったところで、師長として手術室に異動することになりました。

 

手術室での勤務はどうでしたか?

 

日髙:看護部長から「手術室は病院の稼ぎ頭だから、そこを経験するかしないかで管理者としてのスキルが違ってくる」と言われて、最初は半信半疑な気持ちでした。

実際に仕事をしてみると、常に病院経営を考えながら物の調達や手術のスケジュール調整・人の動かし方など、手術室が効率よくかつ確実に稼働していくよう、師長の立場で考えるわけです。

手術室は外科系とはいえ、管理の視点としては全く異なるのだと思いましたね。

 

病棟では味わえない仕事ですね。

 

日髙:異動してすぐの頃、何回か器械出しを経験させてもらって、緊張もしましたがすごく面白いと思いましたね。

手術室ナースになりたいと思ったくらいです。

 

新しい分野を知るっておもしろいですよね。

 

日髙:こういう緊張感の中でスタッフたちが仕事をしているんだとわかりましたし、病棟とは違う先生のスピード感を知ることもできて楽しかったですね。

滅菌や清潔不潔についても、分かっていたつもりだけど奥深い世界だなと思いました。

オートクレーブの講習を受けに行ったり、本を買って勉強したり。

違う部署に来ると学ぶことがいっぱいあるなと思って毎日楽しかったですよ。

短い間でしたけど行ってよかったと思うし、手術室から見た病棟も見えたし、学ぶことがたくさんあって、本当に部長の言ったことは正しかったですね。

 

広い外来を束ねる師長として

 

その後外来師長になったのですね。

 

日髙:そうですね。平成24年から外来に異動して5年になります。

初めて外来というフィールドで勤務することになったわけですが、外来は病棟と違って範囲が広くて「こんな広いところで何をやればいいのか」というところから始まりました。

最初はベッドコントロールしかわからなくて・・・。

外来師長の仕事の1つに、救急車の受け入れや各所からの空床照会があるのですが、空床がないのに救急車を受け入れていたらどうしようと思ったりして、最初は緊張しましたね。

 

広い外来で、師長としてどんなことを意識して働いていらっしゃいますか?

 

日髙:スタッフと対話する機会を持つということは大切に思っています。

人数が多いのはもちろん、働く時間帯や曜日も様々ということもあって、スタッフ全員とはなかなか話せないのですが、偏りなくたくさんのスタッフと話をしたいという理想はありますね。

本人から話を聞いたり、自分の耳で聞くと考えもわかりますから、積極的にそういう時間を持ちたいとずっと思っています。

いい意見を持っているスタッフがたくさんいて、「こうしたらいい」「ああしたらいい」という思いや意見を聞き入れられる場がないということを常々感じていたので、一昨年から外来の各部署でのカンファレンスを開催して、公の場で意見を言える環境を作りました。

 

自分の意見が反映される場というのはスタッフにとってモチベーションの維持になるのではないでしょうか。

 

日髙:半年に1回程度のペースではありますが、それでも直接意見を言ってもらうことはとてもいいことだと思います。

私、もしくは主任が必ず出席して意見を聞く事で、これまでは言えなかった何かが少なくなったと思いたいですね。

実際はそういうことを吸い上げられるほど開催できていませんが・・・。

でも、やればいい会になるということも分かってきて、みんなが少しでも意見を言える環境を作ることを、今後も継続して取り組んでいきたいと思っています。

 

いろいろ角度から物事をとらえる

 

スタッフが多いからこそ対話は必要ですね。

 

日髙:外来にはたくさんのスタッフがいて、それぞれ性格も考え方も働き方も様々ですが、どんな人たちも絶対に良いところを持っているんですね。

日々接する中で、人との付き合い方、人のいいところを探すような思考になって、その人のいいところ・困っているところが認められるようになってきましたね。

 

自然とそうなっていったのですか?

 

日髙:認知行動療法の研修に行ったことがきっかけになったと思います。

師長になって苦しい時だったのかな、ストレスマネジメントなどの研修に興味があっていくつか行ったことがあって、そのうちのひとつに認知行動療法があったんです。

認知の歪みの話で「同じことを言っても自分がそれをどう受け取るかでその人がどう見えるか変わる」という話があって、それが私を変えたなあと。

「今イライラしているけど、これって見方を変えれば違うんじゃないか?」と、時々ではありましたがそう思うようになりました。

そのうちそう思う回数がだんだん増えてきて、そしたら言われたことに対する違う見方が自然にできるようになってきましたね。

今ももちろん完全ではありませんが、そういう思考が日常的に増えてくると楽なんですよね、自分が。

前みたいにピリピリしないでいられるし。

 

そんな時期があったんですね。

 

日髙:主任になりたての頃、看護師経験7年位で、自分に自信がついていたころか、「こうあるべき」という思いが強かったのかな、「ちょっと怖い感じの看護師」という時期があって、その頃はピリピリしていましたね。

当時一緒に働いていた人から「凄く怖かった」って言われるんです。

今はごめんねと思いますけどね。

そんな時期がありましたから、いろいろな人を受け入れられるようになったら気持ちが楽で。

そうすると人と話をするのも苦じゃなくなったりとか、人と話をすることでいろんなことがわかりあえたりできるように、徐々になっていったように思います。

 

その研修がご自身の中に印象強く残っていたんでしょうね。

 

日髙:外来にきたからそう変わっていったというわけではありませんが、その前から気付かされていたものを自分の中で物事を消化して解釈したことで、いろいろな人たちと楽に付き合えるようになったのかもしれません。

私が言うことをどこまでわかってくれているのか不安に思うこともありますが、自分がひっかかるなと思ったらタイミングを見て自分で足を運んで確かめるようにしています。

 

介入する適切なタイミングがありますよね。

 

日髙:基本はやっぱり人が好きなんだと思います。

外来のナースってすごく力があると思いますね。

文章を作るとか看護計画を立案するといった、系統立てて考えたり科学的に考えるということが苦手な人はいるかもしれませんが、経験知やそれまで培ってきた患者さんを看る力、その場の臨機応変な対応という部分でとても力があるなと感じています。

人生経験も豊富で看護経験も豊富という人たちは本当に頼りになりますね。

 

渕野辺総合病院に関連する記事はコチラから

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病院概要

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高山 真由子
シンカナース副編集長
慶應義塾看護短期大学  東海大学健康科学部看護学科 看護学士  早稲田大学大学院政治学研究科 ジャーナリズム修士  ニューヨーク留学  慶應義塾大学看護医療学部 慢性看護学実習指導  東海大学健康科学部看護学科 在宅看護学実習指導  東京都御蔵島村 保健師  シンカナース副編集長