今日2月4日は「世界がんデー」です。UICC(国際対がん連合:1933年設立された民間の団体)によって制定されました。上昇を続けるがんの罹患率に対して、1人1人が何ができるかを振り返り、約束をして行動を起こす機会です。世界各国の政府や個人に行動を促すために、この病気に対する意識と教育を高めることによって、予防可能な死亡者を削減することを目指しています。
世界対がん宣言
世界の国々が努力すべき方向として、2006年に「世界対がん宣言」が採択されました。
- 生涯をカバーする有効ながん制御システムを確立する。
- がん登録とがん検診制度を確立し、地球規模のがん流行の実態とがん制圧対策の有効性を明らかにする。
- タバコとアルコールの消費量および肥満者と非運動者の数を激減させる。
- HPVとHBVワクチンを必要な全ての人に実施する。
- がんに関する有害な妄説や誤解を一掃する。
- がんの集団検診と早期発見事業が全ての人に適用されるように努める。
- 正確な診断、集学的治療、社会復帰訓練、緩和ケアなどが受けられる体制を作る。
- 全ての人に効果的な苦痛制御の手段が行き渡るように努める。
- 開発途上国でがん制圧の専門家を教育訓練する革新的な機会を作り出す。
※UICC日本委員会ホームーページより抜粋 (http://www.jfcr.or.jp/UICC/uicc/taigan.html)
看護でがん治療をサポートする
現在、世界では820万人ががんで亡くなっています。日本でがんが死因の1位となってることは皆さんもよくご存知のことと思います。年間約37万人、3.5人に1人ががんで亡くなっており、全死亡者数の約29%にのぼります。
一方で、がんは治る病気へと変わってきており、がん治療は入院が中心だったものが外来や在宅で行う機会が増えてきました。また、それと同時に働きながら・生活しながらがん治療を続ける人たちも増加しています。
がん治療に携わる看護師も、病棟だけにとどまらずさまざまなフィールドで活躍しています。治療の場はもちろん、患者会や地域等患者さんが生活する場にも看護師が参加し、相談や情報提供を行い患者さんや家族をサポートしています。
昨年10月にはがん患者さん・家族・友人たちが「第二の我が家」として利用できる「マギーズ東京」(http://maggiestokyo.org/)がオープンし、看護師や心理士に治療のこと・仕事のこと・社会資源のこと等を相談できる場となっています。こうした場が今後ますます求められることでしょう。多くの看護師があらゆる形で場面でがん患者さんに関わり、生活を支えることはもはや「日常」になっていくかもしれません。