日本看護協会は11月に行われた理事会で、新たな専門看護分野として「遺伝看護」「災害看護」の2分野の特定を決めました。この決定を受けて、専門看護分野は13分野に広がりました。
遺伝専門看護師
遺伝看護は、1999年に始まった遺伝に関する学習会が発展し、2005年に日本遺伝看護学会が設立されました。病院の遺伝子診療部や遺伝相談室、患者相談室、産科外来、がん相談室での活躍が期待されるとしています。
先日、政治家の原口一博元総務大臣が、自身が遺伝性の骨の難病であることをTwitterで公表し、大きな反響を呼んでいます。TwitterというSNSを使って公表したというこもあり、つぶやきを見た方も多いのではないでしょうか?
公表するまでには数々の検査や治療、意思決定の困難さ等乗り越えるものが多かったのではないかと予想されます。
医療技術の進歩によって遺伝子レベルで病気を診断できる時代になりました。診断のみならず予防医療に活用できると期待される反面、様々な倫理的葛藤が生じることも否めません。遺伝看護専門看護師は病気の診断や治療における意思決定を支援したり、カウンセリングを実施する役割を担っています。
災害専門看護師
また、災害看護は災害基幹病院や災害拠点病院、災害現場での活躍が期待されるとしています。1995年に発生した阪神淡路大震災を機に災害看護は発展し、1998年には日本災害看護学会が設立。国内外を問わず、地震や台風などの災害時に看護師を派遣する等の活動を行っています。突然襲いかかる災害に対して現場で専門的立場から的確に判断やアドバイスできる専門看護師は必要不可欠と言えます。災害に関する医療職以外の他の専門家とも協働して支援にあたる連携能力も求められます。
新たな看護の発展
まだ新しいこれら2つの分野に期待されるものは非常に大きいといえるでしょう。間違いなく進化する遺伝医療。間違いなくやってくる災害。専門的に携わっていないとしても、看護師として、また当事者としてどこかで関わることになる可能性があります。彼らの今後の活躍に期待しつつ、私たちもできることは何かを共に考えていく必要がありそうです。