No.107 田中義子様(さくら記念病院)後編「快をもたらす看護」

インタビュー

前編に引き続き、さくら記念病院の田中義子看護部長へのインタビューをお届けいたします。

快をもたらす

理念について伺っても宜しいでしょうか。

田中:病院の理念は「慈悲の心をもって医療の実践をはかり人々に快をもたらすことを使命とする」です。

この「快をもたらす」という部分に関しては、しっかり患者さんの心を見て、考えて、同じ立場に立って行動しているかが重要です。

常に高い職業倫理、意識をもって、一人ひとりがやっているのか。

プライドをもって働く看護師を育てるために、ラダーを作成しようと考えているところです。

こちらの看護師について教えてください。

田中:当院には今まで新卒の看護師は入ってきていませんでした。

来年以降は入って頂けるような環境を整えているところです。

こちらは透析に特化されていますが、新卒でも大丈夫でしょうか。

田中:以前勤めていた病院で大学を出たばかりの新人を透析室に配置したことがありますが、教育体制が整っていれば問題なく業務をこなせていました。

透析は全身状態だけでなく日々の生活をみる必要があります。

器械に関する基本的な知識も必要ですので、その分成長出来ます。

一度看護師を辞めたがっていたメカが好きな男性看護師を透析室に配置したことがあります。

その看護師も今や透析室の主任になっているようです。

本当に人を配置する場所選びは大切だと実感したケースです。

看護補助者に関しても伺わせてください。

田中:看護補助者は、私が一番大切に思っているスタッフです。

彼らも看護師と同じく花ですので、看護補助者の会議にはできる限り出席しています。

不満を聞いて対応する、思いを伝えて納得して貰う機会です。

ここで病院として目指すべき事などを伝えているので、看護師よりも看護補助者の方が病院や看護部の方向性をしっかりと認識しているかもしれません。

看護補助者の教育に関しては、看護倫理や個人情報保護法、感染症対策などの研修も行っています。

個人情報を扱うことの多い看護補助者だからこそ個人情報保護法に関してはよく教えています。

あとはエンゼルケアや体位交換、口腔ケアなどの、研修も取り入れています。

こちらのような透析治療をメインでされている病院で働く看護補助者のかたはどのようなことをされていらっしゃいますか。

田中:物品の補充や、シーツ交換、患者さんの送迎、食事介助、あとは患者さんのお側にいて貰うことが多いです。

一般病院のようにおむつ交換をする事はほぼ無いですので、介護初任者研修修了者や介護福祉士など、資格をお持ちの方には物足りなく感じることがあるかもしれません。

笑顔で気持ち良い挨拶を

病院の雰囲気はいかがですか。

田中:私が初めてここに来た時にスタッフの皆さんが笑顔で挨拶をしてくれるのがいいな、と思いました。

その雰囲気が無くならないように、研修でも後ろから声をかけられ振り返ったときの笑顔が一番大切です、と研修で伝えるようにしております。

家の中でも病院の中でも、笑顔を大切に、せめて働いている8時間は、看護師は看護師、看護補助者は看護補助者の役を演じる役者になってくださいと言っています。

あとは、スタッフ間に隔たりがなくアットホームです。

私も1日に2回、朝と帰りに必ず病棟に顔を出してスタッフの様子を確認して、コミュニケーションをとることにしています。

今は看護部長室の扉を閉めていますが、新しい病院に移った後には扉をいつも開けておいて、スタッフがいつでも気軽に来られるようにしたいと思っています。

こちらのお部屋には植物がたくさんあって、心が和みますね。

田中:お花を育てることが趣味なのです。

10年ほど私と一緒に病院を移動して来た鉢もあります。

一番好きなのは幸福をもたらすピンク色の蘭なのですが、最近「さくらの花はピンク」と最終的にこのさくら記念病院に来たことに不思議な縁を感じています。

看護部長からのメッセージ

田中:当さくら記念病院は24時間透析のできるとてもアットホームな病院です。

ママさんナースが多い職場ですので、そうした方々でも働きやすい環境を整えています。

看護協会など、病院外の研修へも積極的な参加を推奨しています。

これからは学生向けのインターンシップにも力を入れて行こうと、ホームページに申し込みフォームを作成しました。

もし日程が合わない場合は日時を調整しますので、ぜひ一度いらしてください。

お待ちしております。

シンカナース編集部 インタビュー後記

さくら記念病院は一般診療、透析治療を受け付けている地域密着型の病院です。

一番の特徴は24時間対応の透析を行なっている事ではないでしょうか。

その看護部を率いていらっしゃるのが、これまで複数の病院で看護部長をご経験され、毎回2年スパンで結果を出されてきたという敏腕看護部長の田中様です。

透析は長期にわたるものです。

その身体的・心理的に辛い思いをされている患者さんに「快をもたらす」事を看護部の目標に掲げていらっしゃいます。

田中看護部長のエネルギーに溢れた言葉に奮い立たされる看護師も多いのではないでしょうか。

田中看護部長、この度は大変貴重なお話を誠に有難うございました。

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