「困った医師」はどこにでもいる?!
皆さんの周りに「困った医師」はいますか?
平成ももうすぐ29年目に入ろうとしています。年々医療も看護も著しく進歩していますが、その進歩に適応せず(できず)に診療している医師と働いた経験がある人はどのくらいいるのでしょうか?今日は私の友人の話をしたいと思います。都内のあるクリニックで8年働いている彼女は日々「困った医師」と格闘しています。
その医師の主な特徴10個
1.職員の手拭きはタオル(患者さんはペーパータオル)
2.イソジンは神様(傷の湿潤療法は全否定)
3.新しい治療法を受け入れない
4.「教授」「社長」という肩書の人には態度が変わる
5.患者さんの好き嫌いが激しい
6.患者さんを叱る
7.スタッフが有給休暇をとりたいというと不機嫌になる
8.看護師は頭が良くないと思っている
9.クリニックが暇なのは天気のせいだと本気で信じている
10.英語が話せないので看護師に通訳を求める
ペーパータオルが当たり前、湿潤療法が当たり前等、これまでの自分の中で「当たり前」だったこととの大きなギャップに衝撃を受けたのです。辞めることも本気で考えましたが、どんな職場も何かしら問題点はあるわけで、辞めたら逃げることになる。スタッフの人間関係の良さ等トータルで考えて勤務を続けることを決断。一般社会からみたら「非常識」とも言える医師との共存を模索し始めたのです。
「当たり前」で変えていく
相手が変わらないなら自分が変わるしかない。そう考えた彼女は医師に「この看護師やるな」と思わせることにしたのです。彼女が取り組んだ主なこと7つ
1.かかりつけで来る患者さんの経過を把握し医師との仲介を行う
2.患者さんに平等に接する
3.小児の患者さんには事前に待合室で顔を合わせプレパレーションする
4.叱られた患者さんを診察後フォローする
5.疾患や薬の知識を確実なものにして時には医師にアドバイスする
6.労働環境に関する法律等の知識を得る
7.外国人の患者さんと英語で会話し時には通訳する
どれも特別なことはありません。彼女にとって看護師として当たり前のことを当たり前にやる。それを継続したのです。その職場でできる最大限のことを行い、少しでも患者さんやスタッフが気持よく過ごせる場になるよう働きかけたといいます。その医師の彼女を見る目も変わったと言います。
医師本人が変わることはありませんが、看護師が患者さんに・医師にどう関わるかによって、患者さんが受ける印象は大きく変化すると考えられます。
調子が悪い時に安心して受診できる環境を整えること。
地域医療の現場で看護師が担う大切な役割の1つです。