20年前の精神科看護
私が精神科にやってきてたのは、約20年前になるのでしょうか。
その当時は、検温は週1回、血圧測定は月1回、患者さん達の年齢層も今よりずっと若く内科疾患を有する方は極僅かだったと記憶しています。身体的な治療で入院している訳ではないからバイタルサインは取る必要がないと考えていたのかも知れません。では、看護師達は何をしていたか?内服の介助、食事介助、入浴介助、診察介助、レクリエーション位だったでしょうか。その中でもレクリエーションは充実していました。
屋台設置・やぐら組みも看護の1つ
恒例行事の「餅つき大会」「七夕会」「夏祭り」「運動会」「クリスマス会」などは、どれも本格的なものでした。長期で入院されている患者さんへ季節を感じてもらうためのものでした。餅つき大会は、杵と臼を用意してもち米を蒸すところから始まります。夏祭りはやぐらを組んで提灯を吊るして、屋台も組んで放送設備も用意します。町内会の盆踊りに引けを取らないどころかそれを上回る規模のものでした。
やぐら組みは、夏の最も暑い盛りに職員総出で2日間かけて組んで行きます。正直、看護師になってやぐらを組んだり屋台で焼きそばを焼くなんてことは想像もしていませんでしたから、私にとっても非常に刺激的な仕事の一つでした。夏祭りが終わると疲労感や達成感と共に毎年夏の終わりを感じていました。これに加えて「バスハイク」。お弁当を持って遠足に行ったりもしました。
レクリエーションから作業療法へと進化
これらの恒例行事も時代の流れとともに一つずつなくなり、「夏祭り」から「ハロウィンパーティー」へと時代は変わり、レクリエーションから作業療法へとその役割が変化して行きました。週1回だったバイタル測定も内科同様毎日測定するようになり、長期入院患者さんの退院促進に伴いSST(社会生活技能訓練)の導入、患者さんの年齢層上昇に伴い内科疾患を抱える方も増加し処置の数も増加。入院日数の減少に伴い、入退院、転出入件数も大幅に増加しました。体感的には、入職当時から比べるとその作業量は10倍以上に感じます。また精神科看護師の一人ひとりに必要とされるスキルも大幅に変化し増大していると感じます。
変化)レクリエーション⇒作業療法
追加)バイタルサイン、SST(社会生活技能訓練)、処置、入退院、転出入など
こうやって、この20年を振り返ってみると精神科は、日々変化や進化をし続けていることがわかる。この先20年も恐らく変化と進化を繰り返していくことだろう。
今日の言葉
最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。
〜チャールズ・ダーウィン〜
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