前編に引き続き、白根大通病院の田中京子看護部長へのインタビューをお届けいたします。
挨拶を通して風通しのいい病院に
こちらの病院の看護部理念でもあります「愛する心、見守る心を大切に患者様の生活を支えます」ということを実践するために、日々心掛けていらっしゃることはございますか?
田中:私が赴任した時からすでに実践されていたことなのですが、スタッフ全員とても気持ちよく挨拶をしてくれます。
病院に入って来られる方皆さんに向かって「おはようございます」「こんにちは」と挨拶する姿が日常になっています。
挨拶はコミュニケーションの基本だと思うので、特にそこは強調しています。
そうするとまた皆さんに挨拶しようという気持ちになりますし、病棟でも患者さんやご家族にもコミュニケーションを大切にした関わりをするようになります。
それが看護の基本ではないかと思います。
挨拶は大事ですね。
最初に人と人が会った時のコミュニケーション手段は挨拶ですから、そこが気持ち良くないとその先につながっていきませんね。
田中:私の家族が当院に入院していた時期があって、面会に来た家族も「こんなに挨拶してもらえる病院は初めてだ」と言っていました。
特別な人だから挨拶するということではなく、誰でも挨拶してくれる。
かえって挨拶しない人の方が目立つ、他の病院では見られない光景だ、そんなことを言っていました。
それもごくごく自然に浸透されているということなのでしょうか。
田中:そうですね。私も気にして見ていると、自然に挨拶が行われていました。
普段何気なくしているものを「良い」と言われるとより意識して、より良い形になりますよね。
田中:そうですね、はい。
挨拶が絶えない病院は雰囲気が全然違うのでしょうね。
田中:そうだと思います。サービス向上委員会で職員同士のマナーチェックのようなこともやっているので、そこで啓蒙活動をして、各部署に伝えていっています。
看護師さんたちのスタッフ間の間でも非常に雰囲気が良いのですね。
田中:そうですね。ですので、この3〜4年ぐらい離職率はだいぶ減ってきています。
そんなに大きい病院ではありませんから、1割ぐらいは退職者がいますが、それでも年々良くなってきていますね。
看護補助者との役割分担で快適な職場環境を
こちらにも看護補助者の方がいらっしゃるかと思いますが、何人くらい勤務されていますか?
田中:看護師150人に対して、看護補助者は97人です。
その中に介護福祉士の資格を持っている方も半数以上います。
それぞれの病棟に看護師が15〜16名だとすると、看護補助者は13〜14名います。
たくさんいらっしゃるのですね。
田中:そうですね。主に入浴介助を担当してもらっています。
看護補助者向けの教育や研修制度もあるのですか?
田中:集合研修を年に数回実施しています。
日常業務は部署で指導して育てています。
介護主任・副主任がいるので、会議で教育について一緒に考えてもらったりしています。
各病棟の看護補助者の先輩方が新しく入ってきた方に指導していくスタイルですね。
田中:はい。あとは師長がしっかり監督しています。
入浴介助の他はどういった業務を行っているのでしょうか?
田中:オムツ交換や食事介助も行っています。
また、中央材料室に所属している看護補助者に、病室の環境清拭をお願いしています。
各部署の看護補助者たちがバランスよい業務量となるように調整しています。
きっちり役割を分担されているんですね。
田中:そうですね。
病棟にいる看護補助者さんは、主に身体介助を中心とした業務についているのでしょうか。
田中:はい。
中央材料室の方は環境整備が中心でしょうか。
田中:環境整備と医療材料やオムツなどの物品補充など、いろいろな所で病棟の看護師・看護補助者の負担軽減につながるシステムへと変わってきています。
身体介助により集中できるような形を取られているのですね。看護補助者も夜勤はありますか?
田中:はい。ここ療養病棟だと、看護体制としては25:1の病棟は看護師1人・看護補助者2人の夜勤体制です。
20:1の病棟は看護師2人・看護補助者2人の夜勤体制なので、少し看護師の仕事を看護補助者の方がフォローしてくれますので、うまく役割分担をして仕事をしています。
家族との時間、人とのつながりでエネルギーチャージ
日々お忙しく過ごされているかと思いますが、仕事以外で楽しいひと時や、気分転換されていることや、趣味があればお聞かせいただけますか。
田中:主人とはよく映画を観たり、旅行したりしています。
上の子供2人にはそれぞれ子どもがいるので、一緒に遊んだりして楽しく過ごしています。
他には、看護協会の仕事もさせてもらっているので、会議などで東京に行くこともあります。
県の看護協会にも月1回くらい行っていろんな方と話をしたりしているので、そういう活動も楽しんでいます。
いろいろなところでご活躍されていらっしゃるんですね。何か好きな音楽はございますか?
田中:最近は朝通勤の時にラジオを聴いているくらいで、自分から好きな曲を聴くことはあまりないですが、昔はサザンオールスターズや、その時流行っている歌は聴いていました。
映画はよく観に行かれるのですか?
田中:そうですね。たいだいその時に見たいものが1つ2つあるので、今週はこれだねと主人と話して決めています。
邦画が多いですね。
ご主人との意見は一致するのですか?
田中:たまに一致しないこともありますが、主人は自分が休みの時に自分が見たいのを見ているようです。
新潟ですからお酒も楽しまれるのでは?
日本酒も好きですが、一時期ワインに凝っていた時期があって、主人と2人でよく飲みました。
ここ新潟は日本酒の検定もあって、以前挑戦したことがあります。飲む検定ではなくて、日本酒の作り方などが問題になっています。
<銅の達人><銀の達人><金の達人>とだんだん上がるのですが、銅は1回で取れましたが、銀が1回では合格しなくて、もう1回受験しようかと思いましたが、テキストだけでは答えが導き出せないぐらいの難問があって諦めました。
だから、銅の達人で終わりましたね。
田中京子看護部長からのメッセージ
最後に、新人のナースや、こちらの病院を目指されたい方に向けてメッセージをお願いします。
田中:白根大通病院は働きやすくて新人の教育体制もしっかり整えています。
家庭の生活も重視できて、先輩方も楽しく仕事をしていますので、ぜひ一度見学に来てください。
よろしくお願いいたします。
シンカナース編集部インタビュー後記
田中看護部長は、パッとまわりが明るくなるような温かい笑顔がとても印象的な方でした。
病院全体もスタッフの方々が来院される方にとても自然に挨拶ができるというお話をお聞きしました。
田中看護部長ご自身も楽しく仕事をすることを大切にされています。そのような雰囲気が自然にスタッフそして病院全体の雰囲気の良さにつながるのかなと感じました。
季節になると白鳥が飛んでくるそうです。保育園も完備されており、自然豊かな環境で素敵な場所でした。
田中看護部長、この度はたくさんお話をしていただきまして、ありがとうございました。
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No. 63 田中 京子様 (白根大通病院) 前編「”楽しく仕事をする”ために選択した看護師の道」