前回に引き続き、東松山市立市民病院の原陽子看護部長へのインタビューをお送りいたします。
何でも楽しみたい
お仕事でお忙しいと存じますが、気分転換の方法は何かございますか。
原:ここ2年くらいは週末に乗馬をしています。
他にも、今は自転車に変えましたがよくスキーにも行っていました。
お仕事以外でもとても活動的なのですね。
原:そうですね、友達には回遊魚と呼ばれています。
仕事もそうですが、何でも楽しみたいのだと思います。
結構仕事も忙しいですが、やっぱり私が楽しく仕事をしていないとスタッフも辛くなってしまいますから。
仕事を楽しむ秘訣は何かあるのでしょうか。
原:本当に仕事が好きなのだと思います。
仕事は沢山あるので悩みも、ため息が出ることもありますが、一瞬のことですから。
素晴らしいですね。
地域を視野に入れた病院
この病院の特徴としてはどのようなものがありますか。
原:まず役割として、当院は公立病院ですので、この地域に向けて何かを発信し地域全体がスキルアップできたらいいのでは無いかと思っています。
実際に市民の方の要請を受けて、当院の看護師が糖尿病やがんの緩和ケアに関する講座を行った実績もあります。
そして次は、疾患を予防するという視点で何をしていけば良いのか、地域の皆さんと一緒に考えていければ良いのでは無いかと考えています。
地域社会に向けた取り組みをする上で大切なことはありますか。
原:看護を含めた医療が日々変化している時代ですので、あらゆる情報を吸収していかなくてはなりません。
そのために私達は、この地域だけでなく埼玉県の中に持っている病院同士のネットワークを構築し活用しています。
病院によって専門性が違いますから、自然と集める情報にはそれぞれの特色が現れます。
その情報を時折看護部長同士で共有や交換することによって満遍なく集めることができるようになっています。
看護師や看護補助者はどのくらい配置されていますか。
原:看護師は100名くらいで、看護補助者は11名配置されています。
看護補助者の仕事はどのようなものでしょうか。
原:以前は環境整備やベッドメイキングだけでしたが、昨年からは少しずつ出来ることを増やしています。
具体的には、食事介助や移乗、清拭介助といったケアを看護師と一緒に行って貰っています。
看護補助者の活用が推進されていますが、やはり配置したことで変わった点はありましたか。
原:やはり看護師の負担が軽減されるのが大きな点です。
現状に留まらず、今後も看護師の負担軽減に向けた取り組みはしていく必要があると思います。
看護師はコメディカルとの協働が必要ですが、看護補助者も含めて、他職との関係性はいかがですか。
原:院長や事務の方たちもみんな看護師のことをわかってくれて、協力してくれています。
色々な場面でカンファレンスも行なっていて、看護師の力を出しやすい環境も整っているのだとも思います。
どうしても多職種同士、意見を押し付け合ってしまうことがありましたが、ここ数年でみんなが勉強するようになってからはそういったこともなくなりました。
お互いにとって良い結果を出せる関係性を築けているように思います。
原看護部長からのメッセージ
原:当院は公立病院ですので、役所での研修も含め新人看護師の教育体制が整っています。
先輩方は面倒見がよく、新人を皆で育てる風土もありますので新人の方でも安心して働ける環境だと思います。
卒業後の病院をお選びなる際は、是非当院もひとつの選択肢として検討して頂けると嬉しいです。
シンカナース編集長インタビュー後記
何ごとにも真剣かつ前向きに立ち向かわれる原看護部長。
看護師として、管理者として、立場が変わることから逃げ出してしまう人もいる中で「常にスキルアップするのが専門職」というお言葉には、感銘を受けました。
目の前の現実から逃れることよりも、知識を得たりスキルアップをしながら、役割を全うする。
看護部長のお考えを、スタッフの方々も吸収されているからこそ、研修などにも自主的に参加されるような組織になっているのだと感じました。
趣味も、仕事も楽しまれる姿勢は、リーダーとして、続く人たちへの頼りになる指針なのだと思います。
原看護部長、前向きでパワー溢れるお話、本当にありがとうございました。
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・No.38 原陽子様(東松山市立市民病院)前編「看護師に向いている確信を得て」