厚労省の発表では年間1000人もの命を落とすことがある熱中症。
そのうち65歳以上の割合はおよそ80%。
家の中でも熱中症は起きます。
熱中症の死亡数の年次推移によると熱中症の死亡総数の46.9%が住居で発生しています。
1)外での活動を控える
気温が35℃を超えるなど高温注意情報が発表されるような日は、外での活動を控え、外での運動は絶対にしないようにしましょう
2)身体を冷やす
夏場は日陰やクーラーの効いた涼しい場所で過ごすと良いでしょう。
また冷却グッズなどで積極的に体温を上げないような工夫をするように心がける必要があります。
3)水分補給と塩分補給
人は毎日呼吸と共に800〜1000mLの水分が失われます。
この他に発汗により水分と塩分が失われています。
水分補給は、十分にしたいところです。
補給の仕方にはポイントがあります。
一度にたくさんの水分を飲んでも身体に吸収されるまでには時間が必要です。
こまめに何回にも分けて少量ずつ飲むようにすると良いでしょう。
水分の他に塩分も補給が必要です。
スポーツドリンクや経口補水液などは、水分と塩分に加えその他の電解質も同時に補給することができ身体への吸収も早めますので便利です。
熱中症予防のタブレットも有効ですが、近年の食事は塩分過多な傾向にありますので摂りすぎに注意が必要です。
スポーツドリンクも種類によっては、糖をたくさん含んでいることがありますので成分表示を確認しながら使用すると良いでしょう。
1)汗が出ない
2)こむら返り(足がつる)
3)手の甲をつまんで離しても皮膚がすぐに戻らない
4)声のかすれ
5)頭がボーッとする
6)吐き気 など
これらの症状が現れたら、熱中症のサインの可能性があります。
急いで対処する必要があります。
1)体を冷やす
涼しい場所へ退避し服を脱いでうちわや扇風機の風に当たる
2)水分と塩分補給
スポーツドリンクや経口補水液を飲む
3)安静
楽な格好で安静にするようにしましょう
冒頭に述べたように熱中症は手当が遅れると命を落とす病気です。
次の症状がある場合は、迷わず救急車を要請しましょう。
1)意識障害
質問に対しての返答が噛み合わない。または、返答がない。
例1:今いる場所が言えない。または、間違っている。
例2:今日の日にちが言えない。または、間違っている。
など
2)自力で水分が飲めない
3)高熱
4)痙攣 など
救急車が到着するまでの間も前述の身体を冷やすなどの対処方法を続けるようにしましょう。
熱中症は、命を落とす病気です。
まずは、熱中症にならないように予防することが大切です。
症状が出始めたら、軽症のうちに対処をしましょう。
重症化したら、迷わず救急車で医療機関へ受診しましょう。
医療法人社団 健仁会 船橋北病院 看護副部長
江戸川看護高等専修学校 千葉看護専門学校 健仁会 船橋北病院 看護師長 医療安全管理室 医療安全管理者 CVPPP(包括的暴力防止プログラム)トレーナー 日本救急医学会ICLS認定インストラクター 日本神経救急学会・日本救急医学会・日本臨床救急学会(監修)ISLS認定ファシリテーター NPO法人医療危機管理支援機構INARSコース認定インストラクター 大阪ライフサポート協会PUSH認定インストラクター 幸手看護専門学校非常勤講師