医療機関では、色々な職種の人々が情報を伝達しながら協力して活動しています。
情報の伝達方法は、伝票(紙)、電子媒体(オーダリングシステム)、音声情報(口頭)などあります。
医療機関では、原則口頭指示禁止となっているところが多いのではないでしょうか。
何故ならば、音声情報はエラーが起きやすいからなのです。
Wishful Hearing(期待聴取)
実は、人間は、ただ言葉を聞いているだけではないのです。
聞きたいものだけを聞きたいように聞いているのです。
例えば、ある書類で下記のやりとりがあったとします。
Aさん:「Bさん、これどうしますか」(捨てて良いと思っている)
Bさん:「オッケー」(そこに置いてと思っている)
Aさんの行動:書類をゴミ箱に捨てる
医療機関ではこんなことも起こります。
サクシンという薬を知っていてサクシゾンという薬を知らない人に「サクシゾンをやっといて」というと「サクシン」と聞こえてサクシンを投与してしまうのです。
※本当にこのようなことが起きて現在は、サクシンからスキサメトニウムに名称が変更されています
しかし、医療機関では、緊急事態がしばしば起こります。
その時に伝票でやりとりする時間はありません。
では、どのようにしてこのようなエラーを防ぐか。
リードバック(復唱)とヒアバック(復唱確認)
バーバルコミュニケーション(音声)において、情報が正しく相手に伝わったことを保証することは大変重要になります。
自分の言った言葉を相手がリードバック(復唱)して自分の言ったことと同じであるとヒアバック(復唱確認)出来たことを持って初めて情報が正しく伝わったと保証されるのです。
1)リードバック(復唱)
相手が言った言葉を全く同じに繰返して言う
2)ヒアバック(復唱確認)
復唱内容に相違がないことを確認する
また期待聴取防止の一つとしてフォネティックコード(欧文通話表)も有効です。