No.105 高野紀子様(並木病院)前編:地域の人たちの幸せのために

No.105 高野紀子様(並木病院)前編:地域の人たちの幸せのために

  • 2018年3月22日
  • インタビュー
No.105 高野紀子様(並木病院)前編:地域の人たちの幸せのために
No.105 高野紀子様(並木病院)前編:地域の人たちの幸せのために

今回は並木病院の看護部長、認定看護管理者でもいらっしゃる高野紀子様にインタビューをさせて頂きました。

高野看護部長の手腕と魅力に迫ります。

優しかった看護師に憧れて

看護師になろうと思われたきっかけを伺ってよろしいでしょうか。

 

高野:中学1・2年生の時に重症の鉄欠乏性貧血で2度の輸血入院をしたのですが、その時に出会った看護師の方々が何回も側に来てくださって、とても優しかったので憧れ、将来は私も看護師になろうと思ったのです。

 

看護学校はどちらに進まれたのですか。

 

高野:自分が入院した病院の付属の学校に進みました。

 

学校生活はいかがでしたか。

 

高野:実習中は家に帰ってから書かなければならない記録物が多くて大変な思いをしましたが、今ではそれも良い思い出です。

患者さんとの関わりの面では、学生の頃は休まずに実習に行き、決められたことをこなすのに精一杯で、じっくり患者さんと向き合うことは出来ていなかったと感じます。

 

患者さんの不安を取り除く

部長になられるまでにどのようなご経験を積まれましたか。

 

高野:看護師として経験を4年ほど積んだ後に大学病院の消化器病棟に入りました。

内視鏡をよく使っていましたので、「これは消化器内視鏡技師の資格を取った方がいい」と思い、働きながら勉強して資格を取得した後に主任になりました。

そして、総合臨床部に異動になりました。

総合臨床部という所には、HIVや当時出始めたSARSなど、病名もわからないまま入院される患者さんも多くいらっしゃいます。

回復していく、もしくは診断が出るまで、ご自身の置かれた状況がわからないことで不安を抱えている患者さんの不安を取り除くことにやりがいを感じ、そこで副師長、師長とステップアップしてきました。

 

これまでに印象に残っている患者さんはいらっしゃいますか。

 

高野:一番印象に残っている患者さんは、乳がんの方です。

もう亡くなられてしまいましたが、ご家族とも良い関係を築かせていただきまして、ご自宅にもお邪魔させて頂くことがありました。

亡くなられた時にはお線香もあげに伺わせて頂き、最後まで見届けることができた方です。

その当時は今のように経験も十分に積んでいませんでしたので、今ならば、もしかしたらもっと何かして差し上げられたかも知れません。

そういう思いもありとても印象に残っていますし、看護師を続ける上でとても大切にしている患者さんです。

 

勉強してマイナスになることはない

認定看護管理者以外にも、いろいろな資格を取得されているのですね。

 

高野:仕事をしながら研修に行ったり、勉強して試験を受けたりして片手に収まらないくらい色々な資格を取ってきました。

色々な考え方があると思いますが、私は例えそれで休日が無くなってしまったとしても残念に思うことはなく楽しむことができます。

勉強するのも辛かったり、悔しい気持ちになったり、つまらなかったりするかもしれませんが、勉強したからといって自分のマイナスになることは絶対にありませんから。

 

そういうふうに自分にエンジンをかけられるのはいいですね。

 

高野:時折疲れたと思うことはあります。

その時はしっかり休むために、資格を取ったアロマを用いてリラックスしています。

最近はじめた趣味は歌舞伎鑑賞です。

あとはデパートに行って買い物すること、飼っている犬と遊ぶことも好きです。

 

心安まる優しい看護

こちらの病院で初めて部長になられたのですか。

 

高野:そうです。

大学病院の総合臨床部で師長をしていた時に今の院長に出会いました。

当時院長は内分泌の専門医として働いていまして、インフェクションコントロールチームでも一緒になることや、院長が地域の方向けの糖尿病関連の講義などをされる時にもお手伝いをさせて頂く機会がありました。

そうした繋がりで、院長が独立されるときにお誘いを受け、半年間悩みましたが、せっかくのお誘いですし「じゃあ、やってみよう」と決心し当院に来てもう10年経ちます。

 

ではこちらの看護部の理念は高野部長がお決めになられたのですか。

 

高野:そうです。

当院の経営主体はもともと異なり、私が異動して来たときには院長が来る以前からお勤めの方々がいらっしゃいましたが、病院の立て直しの時期でしたので、新しい人達を迎え入れ、ほぼ一から作り上げて来た病院です。

そのときに当院の看護部理念も刷新いたしました。

 

どのような思いを込められた理念なのでしょうか。

 

高野:当院は利他の実践ということで、「他者に利益を与えましょう」「地域の人たちの幸せのために何ができるか」を追求しております。

それで《心安まる優しい看護を提供します》という理念を掲げました。

「心安まる」には敢えて「休」ではなく、安心安全の「安」を使っています。

患者さんが入院されたときに、「看護師に気を遣って、かえって病気になりそうだ」とおっしゃる方が出ないようにしたいという思いから出発しています。

そうした気持ちになってしまう患者さんは安心できていません。

安心できないという気持ちは、その患者さんにとっての安全が脅かされているから出て来るのではないでしょうか。

安心、安全と患者さんに思って頂けるような関わり方を考えると、きっと家族のように優しさで包み込むような関わり方になると思ったので「心安まる」と「優しい看護」を掛け合わせ、《心安まる優しい看護を提供します》という理念になりました。

 

職員一人ひとりを大切に

先ほど新しい方々を迎えてスタートされたと仰っていましたが、みなさんその考えに共感されて入られた方が多いのでしょうか。

 

高野:そうした考えを理解してくださっている方が多いかと思います。

あとは看護部の「職員一人ひとりを大切に」というスタンスを気に入って入られている方も多いです。

組織は職員がいないと成り立たず、働くみんなを大切にしない限り、いい組織になりません。

看護部に当てはめて考えると、看護部所属のスタッフを大切にしない限り良い看護はできないと思います。

 

実際にどのような取り組みをされていらっしゃるのですか。

 

高野:「職員を大切に」ということでは、看護部で職員を対象にスマイルカフェを開催しています。

お昼休みの時間を利用して、ケーキやお茶を淹れて、楽しい時間を持ってもらう取り組みです。

「患者さんを自分や家族と思って」看護にあたることの意味、意義を伝える機会も、院内教育の中に組み込んであります。

 

信頼して任せる

スタッフをまとめるコツは何かございますか。

 

高野:それは「信頼して任せる」ことだと思います。

役割を与えると、与えられた人は必ず伸びてきます。

そして「率先して一緒にやる」ことも大切です。

連帯感も生まれますし、一緒に行うことでその人の素晴らしい点を目にすることができます。

あと「褒める」ことも忘れてはいけません。

褒められて嬉しくならない人はいませんから褒めるようにしています。

 

個人的には前向きでポジティブに過ごすようにしていて、スタッフでも患者さんでも、一緒にいる人に元気を分けてあげられる人でありたいと思っています。

後編へ続く

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白岩 憲子
A-LINE株式会社 シンカナース副編集長
聖路加国際大学卒業 看護師 保健師 東京武蔵野病院