AIが看護師をサポートする

AIが看護師をサポートする

  • 2017年2月6日
  • コラム
AIが看護師をサポートする
AIが看護師をサポートする

皆さんは看護実践の中で患者さんの急変をどのように予測していますか?

また、看護師として勤務中に急変の現場に遭遇した時、どのような対応ができますか?

急変対応は誰もが身につけたいスキルですが、それと同時に急変対応能力は誰もが抱えている課題ではないでしょうか?

AIが急変予測

先日非常に興味深いニュースを見つけました。思わず目が釘付けになったもの。「人工知能”AI”が2時間後に患者が急変することを教えてくれる」というではありませんか。

記事はコチラ↓スペイン医療機関にて合併症予防を目的としたスマートアラートソリューションの実証実験を開始

記事には「従来のモニタリングに加え、蓄積したバイタルの時系列データから患者が合併症を発症するリスクを予測し、医師に通知できるよう、ICU入院患者にとって致命的かつ頻度の高い合併症である「1.敗血症ショック」、「2.急激な血圧低下のエピソード」、「3.低酸素血症」の3症例を対象とし、同症状を発症するリスクをAI(人工知能)技術によって発症2時間前に予測するモデルを開発しました。」とあります。このモデルは30億以上のバイタルサイン・投薬・検査データをもとに構築されたものだといいます。1月30日からスペインの病院のICU27床で実証実験が始まったところです。

実験結果・検証によってはそう遠くない将来、日本のICUにもこのシステムが導入される可能性があります。ICUはもちろん、一般病棟にこそこういうものを配置してほしいと思うスタッフナースは多いのではないでしょうか?

AIの登場により様々な分野で「今後なくなる可能性のある仕事」について特集されるようになってきました。医療界もしかり。看護の仕事がAIにとって代わることはないでしょうが、AIと看護の共存をいかに図っていくか、ということを考えていく時代がもうすぐそこまで来ています。今後の看護界でも議論されることになるでしょう。

機械化によって看護師のスキルは低下する?!

しかし、懸念もあります。自動血圧計が多く普及し、血圧・脈拍を自動で計測してくれることに慣れてしまった現在の環境下で、いったいどれだけの看護師が実際に患者さんの手首や首に触れて血圧・脈拍測定をしているでしょうか?モニターが呼吸数をモニタリングしてくれている環境下で、いったいどれだけの看護師が患者さんのそばで呼吸の観察・アセスメントをしているでしょうか?カルテに記載する「数値」さえ情報収集できればそれでいいのでしょうか?

この流れが今回のケースにもあてはまるとすると、アラームで教えてくれるからアセスメントしなくなる、そんなリスクが潜んでいると考えられます。「アラームが鳴らないから急変しないと思った」という事態も起こるかもしれません。

ただ、AIと共に歩んでいく看護を選択し、AIを有効活用することで、看護師の負担軽減につながったり、看護師経験に偏りがあっても患者さんの安全をより確実にしたり、といったことが可能になるでしょう。それにより、看護師の労働環境が3A(安全・安心・明るい)へと進化していくことを期待したいものです。

高山 真由子
シンカナース副編集長
慶應義塾看護短期大学  東海大学健康科学部看護学科 看護学士  早稲田大学大学院政治学研究科 ジャーナリズム修士  ニューヨーク留学  慶應義塾大学看護医療学部 慢性看護学実習指導  東海大学健康科学部看護学科 在宅看護学実習指導  東京都御蔵島村 保健師  シンカナース副編集長