No.162 松下博美様(多摩南部地域病院)後編「観察と傾聴をベースに」

No.162 松下博美様(多摩南部地域病院)後編「観察と傾聴をベースに」

  • 2018年7月3日
  • インタビュー
No.162 松下博美様(多摩南部地域病院)後編「観察と傾聴をベースに」
No.162 松下博美様(多摩南部地域病院)後編「観察と傾聴をベースに」

前編に引き続き、多摩南部地域病院の松下様へのインタビューをお届けいたします。

 

新設病院オペ室の立ち上げ

 

手術室看護を13年お勤めされた後についてお聞かせください。

 

松下:脳外科病棟に異動しました。

新人時代からずっと手術室でしたので、病棟ではすごく苦労しました。

ベッドメイキングなど新鮮な仕事ではあるものの、慣れていませんでしたので。

 

 

ただ、1年もたたないうちに同系列で新しい病院を開設するということで、

そのオペ室の開設準備に携わりました。

手術室看護師を13年間やっていたという経験や知識や技術を生かそうと

新たな決意をした時期でもありました。

新規開設ですので、医師も多数の施設から集まってきた新メンバーで構成されます。

面識のない先生と連絡を取り合い、手術に必要な器械は何がよいか等、

リクエストの調整などに忙殺されました。

オープン前日の夜中まであたふたしたものです。

 

 

オープン後は、手術室に3年間勤務しました。

手術室の中はやはり楽しくやりがいがあると感じました。

患者さんが覚醒している短時間の中で、コミュニケーションをとり、

如何に不安を軽減させるか考えながら考え実施していました。

また、執刀医や助手の他に、麻酔科医など多くのスタッフがいて、

チームワークを良好にしておかなければオペの流れにも影響することがあります。

そういう輪を保つ、コミュニケーションをとる、話をよくするということが、

自分に合っていたのだと思います。

 

 

苦しいのではなく、楽しかったのですか。

 

松下:どうなのでしょうか。

自分でもはっきりわかりませんが、普段から、

ネガティブに考えてもポジティブに考えても同じようにやらなくてはいけないのなら、

ポジティブに取り組んだ方がいいのではないか、ということを意識しています。

 

職員が気持ちよく働くことが看護の質につながる

 

「チームワークの輪を保つ」ために心がけてきたことなどをお聞かせください。

 

松下:当公社は、職層が変わるごとの異動が多いと思います。

そのため、いろいろな人と出会えたことがプラスになっています。

新しく出会った人は「この人はどういうタイプの人なのかな」と掴んだ上で

「それならこういうチームを作っていこうかな」と、考えるようにしています。

また、トップダウンだけにならないように注意しています。

部下や後輩が言っていることにきちんと耳を傾けますし、

誰もが‘やらされている感’を抱かないようにしています。

そうすることで連帯感が生まれるのだと思います。

 

 

看護部長になられてからは、どのようなことに取り組まれましたか。

 

松下:職員一人ひとりが楽しいと思い、仕事を実施してもらうことです。

その結果が患者さんの看護に反映されるからです。

楽しさを感じて仕事をするためには、

職員間の良好なコミュニケーションを保てる環境作りを常に支援し、

時には、そのコミュニケーションの輪に入る努力をしています。

そこで、色々な考えや情報を知り指導・育成に役立てるようにしています。

 

地域に貢献することで自院の特色が生かされる

 

貴院の看護理念についてお聞かせください。

 

松下:当院看護部の理念は

「地域住民へ質の高い看護を提供します。」とうたっています。

それを実践するためまず、院内研修・教育の年間計画を立て実践しています。

各職員のラダー目標に合わせた研修計画を立て、実行し評価するという、

PDCAサイクルが回っています。

また当院はパートナーシップナーシング(PNS)方式を採用しています。

常にペアで動きますから、新人がわからなくてもベテランがフォローし、

安全な看護を提供できます。

 

 

さらに当院には11分野の認定看護師が在籍しており、

高度な知識と技術を持って専門領域の看護にあたっています。

最近、特に需要が多いのが、がん看護と、緩和ケアです。

認定看護師は当院の看護師のスキルアップも担っていますが、そればかりでなく、

地域全体のボトアップにも活躍しています。

具体的に申しますと、

地域の訪問看護ステーションの看護師や在宅看護をされている方を対象に、

当院の認定看護師によるスキルアップ研修を

年3回開催(対象者の希望に沿った研修内容)しています。

 

 

地域を巻き込んだ活動をされているのですね。

 

松下:このような活動を続けていくことで、

当院の救急や急性期の病院としての特徴が生かされ、

より地域に役立つ存在になっていくのではないかと期待しています。

 

事務スタッフのバックアップ

 

看護部長としての仕事上の悩みなどは、どのように解決しているのでしょうか。

 

松下:都立病院や系列公社病院の看護部長の会議がありますのでその会議に出席し、

その席で情報交換したり、相談したりしています。

年齢や役職を問わずに、また、仕事上のディスカッションだけでなく

プライベートの話もします。

 

 

院内の職員同士の雰囲気や人間関係はいかがですか。

 

松下:院長をはじめ副院長、そして事務部門管理職や職員の皆さんが

いつも看護部をバックアップしてくれます。

看護部門のチャレンジ事項に対しても、すぐに協力してもらえますので

スピーディに事が運びます。

当院の事務部門は本当に感謝しています。

 

定期的な看護補助者研修

 

看護補助者についてお話しいただけますか。

 

松下:当院は7病棟あり、各病棟に2〜5名の看護補助者が配置されています。

清潔ケアや排泄ケアを看護師とともに行っています。

リハビリや検査への移送は単独で介助していますが、

その時間の患者さんとのコミュニケーションを大切にするよう指導しています。

 

また当院では看護補助者を対象とした研修を年1回開催しています。

そこでは、ナーシングスキルから学ぶ看護補助者の役割や

個人情報の保護に関する意識向上、倫理観の涵養を図っています。

 

 看護部長からのメッセージ

 

松下:公社病院では、3年間で一人前の看護師になるための研修制度を導入しています。

当院も「新人看護師を3年間見守って一人前に育てます」をモットーに専門職として、

自律・自立した看護師の育成に取り組んでいます。

病棟配属もみなさまの希望を考慮しながら決めております。

自分のやりたい看護ができるようにサポートしている病院です。

また配属後はPNS方式を採用していますから、ペアで看護実践を行いますので、

安心して患者さんに向き合う看護ができると思います。

どの病棟もチーム医療を良好にして、

患者さんにより良い看護を提供できるように頑張っておりますので、

皆様もどうぞ一緒に働きませんか。

 

シンカナース編集部 インタビュー後記

「ここで働けて幸せ」と仰っているのが印象的で、感謝そして想いが伝わる松下看護部長。

院長や医局、事務局の方と共に働けている環境への感謝、そして出逢った方への感謝が伝わってきました。

「人の話しをよく聞くことを意識している」

師長の頃から実践されているそうです。

お話をさせて頂いて、何を聞きたいのか、どういう意味なのかと関心を向けて頂いたことを、嬉しく感じるほどでした。

患者さんに対しても、スタッフに対しても同様の関わりをされているのでしょう。

一人一人の話を聞くことを大事にされている松下看護部長。

この度は貴重なお時間を頂きまして、誠にありがとうございました。

 

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病院概要

多摩南部地域病院

山口 かおり
A-LINE株式会社
帝京大学医療技術学部看護学科卒業 看護師 保健師 港区立神明保育園