【看護師の心構え】忙しい日常を見直そう。

コラム

定時帰宅ってなんだっけ?

「看護師の仕事は忙しい」看護師はもちろん、患者さんや家族も、いや、日本人みんな理解していることでしょう。「忙しいのに悪いわね」「看護師さんて忙しいでしょ?」もはや「看護師=忙しい」というのは世の中の常識にすらなっているような状況。忙しくない看護師を見つけることの方が困難なのではないかと感じてしまうほどです。

 

確かに看護師は「忙しい」です。いや、むしろ忙しいことが日常になりすぎて、順調に進むと「何か忘れているんじゃないか」と不安になる位、私たちは日々追いたてられるように仕事をしています。

仕事が早く終わって定時に帰れるとなると「何かやってないことがあるんじゃないか」「あれもやらないと」という不安な思いにかられる人は少なくないはずです。手持ち無沙汰に耐えられず何かしら仕事をみつけてきて結局残業になることも多いのではないでしょうか。

忙しさを見直す

筆者は病棟勤務時代、追われるように過ぎていく日勤がどうにも好きになれなかったのですが、日曜日の日勤だけは大好きでした。検査やオペ出しに追われることなく、看護師と患者さんのペースで計画を組み立てることができるからです。洗髪・シャワー浴・爪切り等、平日の日勤ではやりたくてもできないことをここぞとばかりやったことを覚えています。そしてまるで自分が入浴したのと同じくらい気持よくなった。自己満足かもしれないけれど、石鹸のいい香りをさせながら昼寝をする患者さんは見ていてこちらもいい気分になりました。

 

でもある時ふと思ったのです。「忙しいからやらなくていい」「忙しくない時にやろう」というように「忙しいから」に逃げている自分がいるのではないかと。日曜日にしかこういうことができない、それ自体がおかしいのではないかと。忙しさに悪酔いしていたのかもしれません。「忙しくない時」なんてそうそうやってくるものではありません。忙しさは心の余裕をなくして視野を狭くさせるネガティブパワーを持っています。自分自身が業務に振り回されて患者さんを看る余裕がなくなってしまっていることに気付きました。逆に言えば、業務をしっかりと把握し、患者さんの状態を先読みして動くことができれば少しだけ余裕が生まれることを発見しました。

 

医療制度の変化によって在院日数は短縮化され、病棟勤務、特に急性期に携わる看護師は10年前と比べて忙しさを増していることは確かです。それでも忘れてはいけないのは看護の視点で患者さんをみてアセスメントすること。患者さんとの約束を果たしたり、家族と話す時間を持ってみたり、1つだけでもあなたにしかできないこと、看護を実践してみませんか?5分でできること、意外とたくさんあるものですよ。そしてそれが退院支援につながるきっかけになったり、患者さんの大事な背景に気づくことができたりといった思わぬ副産物もついてくるかもしれません。

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