No.102 永吉たか子様(聖ヨゼフ病院)後編:スタッフは全員、私の宝物

インタビュー

前編に引き続き、聖ヨゼフ病院の永吉たか子看護部長へのインタビューをお届けいたします。

患者さんの目線で

「親切で優しい態度を持って、安全で安心される看護を提供します」という看護理念を実践されるために何か心がけていらっしゃることはありますか。

永吉:聖テレジア会は社会福祉法人です。

様々な目的で病院にいらっしゃる方々、坂が多い地形のせいで外に思うように外出できずに困っていらっしゃる方々、私達はそのような地域の方々にしっかりと向き合うことを目指しています。

「患者さんの目線でいきましょう」を合言葉に、医療福祉に力をいれている他病院の方々ともよく、患者さんに対して私たちがどのように力を発揮していけばいいのかを話し合っています。

この地域、またこちらの患者さんには高齢の方が多いのでしょうか。

永吉:土地柄もあり、独居の高齢者の割合がとても高いです。

ですから、当院は在宅部門をしっかり構えていて、在宅診療も行っています。

横須賀市から委託をされている支援センター、ヘルパーステーションなどもありますので、今後は「看護の連携も強めていこう」と三浦半島地域の看護部長の方々と話し合っているところです。

可能な限り地域の方のお役に立ちたいと思っています。

病院の周囲には英語表記の看板が多く見られますが、海外の方もいらっしゃるのでしょうか。

永吉:近くに横須賀基地がありますので、その関係で海外の方もいらっしゃることもあります。

ですから、英語を使う機会も多くはないですがあります。

スタッフの頑張りが嬉しい

看護師、看護補助者は何人程採用されていらっしゃるのですか。

永吉:今は常勤と非常勤を合わせて約70名です。

療養病棟には看護補助者が35名おり、夜勤もしています。

当院では看護補助者の名称を去年の秋に変更し、「ケアワーカー」と呼んでいます。

看護補助者は看護師の指示のもので働いてもらうのですが、それぞれきちんとした役割を持って働いてくれているので「助手」「補助者」という言葉をなくしました。

そしてケアワーカーの主任という役職も作りました。

ケアワーカーの方々もそうした取り組みや私たちからの期待に応えてくださり、自主的に勉強会を始め、横須賀の看護・介護の研究発表会で発表もしてくれました。見ていた私もとても嬉しかったですし、何より彼女達自身の自信に繋がったと思います。

プロフェッショナルですね。

永吉: 先日60歳のスタッフが介護福祉士の資格試験を受験していました。

年齢に関係なくスキルアップを目指している人は生き生きとして見えます。

すばらしいですね。

ケアワーカーの年齢層や勤務形態について教えていただけますか。

永吉:20代前半から60歳を過ぎて再雇用で働いている方が何名かいらっしゃいます。

夜勤に入ってくれる方や、子育て中なので昼間だけ勤務するという方など様々です。

時間によって忙しさが異なりますし、シーツ交換などやることが沢山ありますから、限られた時間でもいてくださるのはありがたいです。

患者さんと話をする中で得られる情報はとても大事なので、ケアワーカーの方々がお話をしてくださって得られた情報も看護に役立たせて頂くこともあります。

そうした意味でもケアワーカーさんの存在はとても重要ですし、感謝しています。

スタッフは全員宝物です。

前に進む気持ちを忘れない

忙しい日々をお過ごしと存じますが、ご趣味などはございますか。

永吉:私は温泉巡りが趣味です。

年度ごとにランキングが出るのですが、その温泉100選を制覇しています。

でも、私は出身が宮城県なので、やはり地元の鳴子温泉が一番好きです。

家族のいる鹿児島の霧島温泉や指宿温泉などもいいですね。

今のように寒い季節にいいですね。

永吉:楽しいですし、元気をいただける気がします。

皆さんの職場もそうでしょうけど、小さい問題は山ほどあります。

でも何とかなります。

ただ、「前に進む」という気持ちをいくつになっても忘れてはいけないと思います。

いろんなことにチャレンジすると、また縁が広がりますから。

看護を好きになってほしい

では、これから就職を考えておられる方へ、聖ヨゼフ病院のアピールをお願いします。

永吉:聖ヨゼフ病院は急性期、慢性期、在宅と幅広い形で看護を展開しています。

2020年に新病院、新病棟が立ち上がりますので、その時に新しい病院で私たちと一緒にスタートを切って頂ける方が増えると幸いです。

多様な働き方ができるように、短時間正規職員という枠も設けていますので、いろんな形で一緒に看護ができると思いますし、奨学金制度もございますのでぜひ活用していただければと思います。

新人の方々は落ち込むこともあると思います。

本を開くと、元気にあいさつをする、メモを取る、何か感謝をするなどいろんなアドバイスが載っています。

しかし、まずはこの道に入って、看護を好きになってもらいたいと本当に思います。

今すぐに解決しないといけないことでなければ、今考えなくてもよいのです。

多少のことは後で考えても全く良いのです。

一緒に看護をしてみませんか。

よろしくお願いします。

シンカナース編集部 インタビュー後記

聖ヨゼフ病院は街を見下ろせる長い坂の上にあり、建物自体が大きな弧を描いている病院です。

その雄大さが、病院の長い歴史を物語っているように感じました。

その病院で働く看護師をまとめていらっしゃるのが永吉看護部長です。

新棟開設時に「行ってらっしゃい」とスタッフを送り出すために様々なことに取り組んでいらっしゃいますが、大変さは微塵も感じさせず、笑顔が絶える事のない方です。

そうした永吉看護部長だからこそ、スタッフも安心して働くことが出来、結果として永吉様を支えてくれる方が周りに集まるのではないかと思いました。

永吉看護部長、この度は貴重なお話を聞かせて頂き誠に有難うございました。

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