No.93 中村 美津様(神戸徳洲会病院) 後編「急性期から、在宅、療養まで」

インタビュー

前編に引き続き、神戸徳洲会病院の中村 美津看護部長のインタビューをお届けします。

心のこもった質の高い看護サービスを

徳洲会は大きなグループですよね。

中村:いま全国に71の急性期病院があり、地域ごとのブロックに分かれています。

当院は関西ブロックに属しています。

共通の「自らの使命を自覚して看護職の名に恥じない心のこもった質の高い看護サービスを提供いたします」という看護部理念を実践するためにどのようなことを心がけておられますか。

中村:私自身は看護の実践をあまりしない立場になってしまいましたので、現場のスタッフにこの理念が浸透するように、ホスピタリティの精神について「もともと看護とは何か」ということを、徳洲会の教育体制をもとにアレンジしながら教えています。

効果的な日常生活指導を

この神戸徳洲会病院に来られる患者さんの特徴は何かありますか。

中村:急性期病院ですから「病気を治す」目的で、その疾患ごとの患者さんがお見えになります。

またこの垂水区は、高齢化率が近隣の中ではとても高いので、高齢の方がやはり多いかなと思います。

高齢者に向けて特に気を付けていらっしゃることはありますか。

中村:低栄養で筋力が落ちている方など入院予備軍と言われる方を「フレイル」といいますが、昨今、そういう方々が病気にならないための予防体操など、日常生活指導が大事だと言われています。

当院は救急車を断らない365日24時間救急をしていますが、やはり運び込まれる方の中にも高齢者が多いと感じます。

そして、その方々が全員入院されるわけではありません。

帰宅される方の中にその「フレイル」に当てはまる方がいらっしゃるので、外来でその抽出をして効果的な指導に繋げていく、地域との連携をしていくということに今少し力を入れ始めています。

地域包括ケアシステムに向け、「すこやか安心センター」での予防活動のリーダーシップを当院が発揮できるようになっていくといいかな、と思っています。

看護部についてお聞かせください。

中村:出入りが多少ありますが、看護師、准看護師、看護補助者を含めて160名くらいおります。

新人は、昨年は20名程、来年度も20名強採用させていただいています。

九州や沖縄から、まずはいったん家を出てこちらで働いてスキルが身に付いてから地元に帰るというスタッフもいます。

看護補助者はどういうお仕事をしていますか。

中村:病棟によって異なりますが、看護師の間接業務や医療安全上問題ないような患者さんの日常生活援助をお願いしています。

慢性期病棟の医療療養型や回復期リハビリテーション病棟などでは、特に力を発揮してもらっています。

ヘルパーの資格を持っている方もお見えになりますし、病院で働きたいという介護福祉士の方も来てくださいます。

頑張るためには健康、体力が大事

リフレッシュするのにしていらっしゃる事はございますか。

中村:健康に少し気を付けるようになってきて、ホットヨガなどに行っています。

やはり頑張るためには健康、体力が大事なのかなと思います。

あとは帰省をしては友達と一緒にドライブに出かけたり、神社仏閣巡りをしたりしています。

看護師をしていると良いことも、楽しいことも沢山ありますが、悲しいことですとか、自分の想定していないような出来事に出会ったときには、ストレスフルになりますので、そういう所に行ってパワーをいただくのもいいかなと思っています。

色々なことにチャレンジできる病院

最後にメッセージをお願いします。

中村:当院はケアミックス病院です。

一般の急性期から、在宅、療養、別事業所ですが訪問看護ステーションもあり、いろいろな看護が経験できます。

高齢化が進んで、看護師に求められている役割もどんどん変わってきています。

特定行為に関わる看護師の教育も始まりましたが、やる気のある方は、どんどん色々なことにチャレンジできる病院です。

そのためのサポートもありますので、ぜひ一度病院に見学に来て頂きたいなと思います。

また、働き方改革にも取り組んでいて、仕事の前残業・後残業を解消するために申し送りを勤務時間内からスタートできるようにしています。

当院は職員同士がとても仲が良く、人間関係が悪くてやめられる方は、ほとんどいらっしゃいませんので、安心していらしてください。

シンカナース編集部インタビュー後記

自分の傾向は自分ではなかなか気付けないので、指摘されたら素直に受け止める。

そして、自らも自分の弱点とも言えるその傾向を改善するために、今でも自分に対してノルマを課しているとおっしゃった中村看護部長。

静かな中にも一本、筋が通っている方だと感じました。

神戸徳洲会病院のある神戸市垂水区の住民の方々の特性、その地区にある他院の特徴もしっかり把握され足りない部分を補うための活動も行っていらっしゃいます。

また、地域包括ケアシステムの中で中枢的な役割を果たして行きたい、と希望も語ってくださいました。

病院の外では様々な面で社会が変化しています。当然その変化は患者さんにも影響を及ぼしています。

病院の中で働いていたとしてもそうした変化に合わせて、看護師は自らの役割を探り、対応して行く必要があるのだと強く感じました。

中村看護部長、この度は熱心に看護についてお話して頂き誠に有難うございました。

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