日本とオーストラリアの看護について① オーストラリアの看護について

コラム

皆さん初めまして。現在オーストラリアの看護師免許取得に向けて奮闘中のまいこです。今回、日本とオーストラリアの看護について連載をさせて頂くことになりました。初めての回ということで、まずは簡単に自己紹介から。日本では専門学校を卒業後、約3年間整形外科を中心に手術室看護師として働いていました。その後ワーキングホリデーで渡豪し、現地の看護助手として老人ホームなどでインターンシップを経験後、現地の大学に編入(オーストラリアの大学は3年制で2年生から編入しました。)、現在に至っています。初回の今回は、看護学生としての病院実習などを通して感じた、私なりのオーストラリアの看護(シドニーの公立病院)について少し書いてみようと思います。

患者さんはもちろん、看護師として、働き手としての権利の尊重

オーストラリアは移民の国というだけあって、外国人の看護師もとても多いのですが、オーストラリアの看護の職場は働きやすいとか、恵まれた職場環境ということを特に海外から移住した看護師からよく聞きます。そういった意見はきっと働き手としての権利も大切にするオーストラリアの考え方が影響しているのだと思います。真剣ながらもフレンドリーでリラックスした、連携の取れた環境が魅力的です。朝のコーヒーとともに始まる申し送り(朝の勤務は大抵朝の7時勤務開始)から、ティータイムの休憩(10時前後に15分程度)、食事休憩(13時前後に45分程度)、そしてほぼ残業なしの交代時間(8時間勤務の場合は15時半まで)と、全員の休憩時間や業務終了時間が守れるようスタッフ同士で頻繁に声掛けし合いながら協力し合っています。年間の休暇もなんと4週間程度取れるそうです!お互いの権利の尊重のために、チームとして互いに尊重して、助け合いながら働いています。
看護師の身体的負担への配慮も忘れません。
オーストラリアの病院や施設等で広く使われているリフターと呼ばれる機械↓

患者さんの身体の大きさや運動機能に応じた機械を使って、患者さんをベッドから車椅子などへ移乗します。オーストラリアでは肥満の患者さんも多いので、人の力だけでは大変!というのもあるのですが、、、。他にも患者さんの体位変換や病棟等移動専門の職種の方がいたり(大抵大柄な男性)、マニュアルや徹底した指導など、移乗介助など力作業に対する身体的負担軽減への教育や配慮が徹底しています。介助者の身体も守ってこそ患者さんの真の安全対策につながるという考えです。これには私も大いに共感!

まとめ

オーストラリアでは患者、看護師や他職種の人も含め、お互いがお互いを尊重して認め合っています。複雑な上下関係もなく、仕事も効率的に分担されているので、看護師も看護に集中できます。今日本で看護師として頑張っている人も、これからオーストラリアに来ようと思っている人も、今まさにオーストラリアに居る看護師さんも、日々の仕事に追われて大変だとは思いますが、また少し違う視点で物事を見てみるとおもしろいですよ。 私はオーストラリアでそんな新しい物事の視点や経験をたくさん得られていると思います。その辺りを中心にこれからの連載で色々と紹介できたらと思います。とりあえず今日はこの辺で。少しでもオーストラリアの看護の魅力も伝えられていたら幸いです。