看護師の働き方 〜配偶者控除、年収150万円までに引き上げで変わること

看護師の働き方 〜配偶者控除、年収150万円までに引き上げで変わること

  • 2016年11月29日
  • コラム
看護師の働き方 〜配偶者控除、年収150万円までに引き上げで変わること
看護師の働き方 〜配偶者控除、年収150万円までに引き上げで変わること

昨日11月28日、ニュースを賑わせていた話題の1つは、「自民党税制調査会が配偶者控除の額が103万円から150万円に引き上げることで調整している」というものでした。早ければ2018年1月から実施されるといいます。控除額引き上げはそもそも「働き方改革」として検討されてきた経緯があります。

結婚し、パートや非常勤という働き方で看護師の仕事を続けている方も多いと思います。「103万円の壁」「130万円の壁」を意識して勤務を調整する日々。今年も残り1ヶ月となり、その調整も最終段階に入りました。

具体的にどう変わる?

労働者の視点でみると具体的にどのような変化が起こりうるのでしょうか。

クリニックで1回4時間・時給1800円で勤務している人を例に考えると・・・

 旧)103万円 

1ヶ月8万5千円の収入→約47時間の就労が可能→週3回程度の勤務回数 

 

新)150万円 

1ヶ月12万5千円の収入→約70時間の就労が可能→週4回程度の勤務回数 

 

計算すると週1回勤務を増やすことができるようになります。しかしそのクリニックがパート勤務の看護師4人だけでまわしていて、全員が勤務数を増やしたいと希望したなら・・・どういう現象が起こるでしょうか?そう、人があふれてしまうのです。その場合どのような選択肢が候補にあげられるか考えてみました。

1.収入を増やすことをあきらめ週3回のクリニック勤務を続ける 

2.週3回クリニックでの勤務を続け、週1回別の職場を探す 

3.クリニック勤務を週2回に減らし、週2回勤務できる別の職場を探す 

4.週4回勤務できる新たな職場を探す 

5.これを機に常勤で勤務する 

大きく分けるとパートを続けるか常勤になるかの2択。

さらにパートの場合は1ヶ所固定か掛け持ちかの2択。

ということになります。

それぞれの家庭環境によってどのような選択肢をするかは様々でしょう。子供が小さい場合は保育園や学童の調整が必要になることも考えられます。また、雇用主である病院やクリニック側も対策をとる必要が出てくることが予想されます。

 

制度改革は幸せを呼ぶのか?

これまでは130万円をこえなければ働き損せずにすむ(=社会保険料を払わなくていい)、という考え方がありました。今後は150万円〜201万円の収入がある場合は段階的に控除額が減っていくという新たな仕組みを始めるといいます。「損をしない働き方」という視点ではなく、「得をする働き方」つまり常勤として働くことで、社会保障の恩恵をしっかりと受けられるという視点で考えてみることも必要ではないでしょうか。

この改革で本当に働き方問題は解決されるのか、女性が輝く社会になるのか、また、国の税収に問題はないのか、多くの結果が求められるものになりそうです。

 

高山 真由子
シンカナース副編集長
慶應義塾看護短期大学  東海大学健康科学部看護学科 看護学士  早稲田大学大学院政治学研究科 ジャーナリズム修士  ニューヨーク留学  慶應義塾大学看護医療学部 慢性看護学実習指導  東海大学健康科学部看護学科 在宅看護学実習指導  東京都御蔵島村 保健師  シンカナース副編集長