地域で違う?看護師の年収格差

地域で違う?看護師の年収格差

  • 2016年11月15日
  • コラム
地域で違う?看護師の年収格差
地域で違う?看護師の年収格差

同じ看護師の仕事をするのならちょっとでもいいお給料をもらいたい。お財布の中身の充実は誰もが願うことでしょう。募集要項の中で最も気になる項目の1つともいえます。同じ規模なら全国どこでも同程度のお給料かと思いきや、実は地域によって年収に差があることをご存知ですか?

都道府県別の初任給については日本看護協会が調査しており、大卒看護師で比べてみると最高額は神奈川県の214,053円、逆に最低額は宮崎県の187,720円(「2012年都道府県別の初任給の基本給月額」 日本看護協会 2014)となっており、その差は月額約3万円にもなります。単純計算で額面上年収約36万円の差が生じることになります。けっこうな金額だと思いませんか?しかし地域の差を意識したことがある人は少ないのではないでしょうか。

 

【なぜ地域格差が生じるのか?】 

1.生活水準を考慮している 

看護師の年収に限ったことではありませんが、物価や家賃などの生活水準や地域性に合わせた給料設定がされているため、都市部では高く、地方では低くなる傾向があります。

 

2.看護師確保のための対策  

都市部の病院は看護師の入れ替わりが激しく、看護師を獲得するために高い給料を提示していることがあります。また、同じ規模の他病院との競合対策として高い給料を提示していることもあります。

 

【地域格差が少ない病院はある?】 

都市部の看護師の年収が高いのであれば、看護師はみな都市部に流出し、地方の病院は看護師不足に陥ってしまいます。国立病院は国家公務員独自の給与体系をもとに算出されているため、資格・経験年数によって細かく規定され、全国一律額。地域格差はありません。また、公立病院では様々な手当を支給することで地域差を減らしています。最も格差が出るのは民間病院と言えるでしょう。

地域以外で年収に差がつく条件は、病院の経営母体・規模です。病院の規模が大きいほど年収は高くなる傾向があります。また、病院・老人ホーム・学校・クリニックといった施設形態によっても基本給や年収に差が生じてきます。

 

【年収が看護のすべて?】 

注意したいのは「年収が高い=看護レベルが高い」とは限らないということです。高い年収に惹かれて就職したものの、慢性的な看護師不足で毎日激務に追われてしまった、なんていう悲しい結末にならないよう、年収以外の条件や職場環境・看護部の方針もしっかりと理解して、トータルで看護師を大切にしている病院で働きたいですね。そこに勤務するとどんな看護が実践できるのか、どんな点に共感して働きたいと思ったのか。そここそが働く上で最も重要な点ではないでしょうか。そしてそれに見合った年収が得られるのであれば、やりがいと収入どちらも納得できるものとなり、仕事もプライベートも充実した明るい看護師ライフが過ごせると期待できます。

看護師の9割は女性です。出産・育児等の大きなライフイベントによって仕事のボリュームを調整する時期もあると思います。また、夫の転勤で各地の病院で経験を積む人もいるかもしれません。その時のためにも今からしっかりと理解し準備しておくことが大切ではないでしょうか。

高山 真由子
シンカナース副編集長
慶應義塾看護短期大学  東海大学健康科学部看護学科 看護学士  早稲田大学大学院政治学研究科 ジャーナリズム修士  ニューヨーク留学  慶應義塾大学看護医療学部 慢性看護学実習指導  東海大学健康科学部看護学科 在宅看護学実習指導  東京都御蔵島村 保健師  シンカナース副編集長