No. 48 監物千代子様(桐生厚生総合病院)前編「患者さんと関わりたい」

No. 48 監物千代子様(桐生厚生総合病院)前編「患者さんと関わりたい」

  • 2017年8月23日
  • インタビュー
No. 48 監物千代子様(桐生厚生総合病院)前編「患者さんと関わりたい」
No. 48 監物千代子様(桐生厚生総合病院)前編「患者さんと関わりたい」

今回は桐生厚生総合病院の監物千代子看護部長にインタビューさせて頂きました。

監物千代子看護部長の手腕に迫ります。

 

早く患者さんと関わりたかった学生時代

 

何がきっかけで看護師になろうと思われたのでしょうか。

 

監物:2つ、きっかけがあります。

1つは、幼い頃に親族を亡くしたことです。

当時幼かったこともあって、その現実がなかなか受け入れられなくて、理由もあまり理解できませんでした。

それから暫くしてから理由を知りたい、と医療の世界を考え始めたのです。

もう1つは、学生時代から保健委員をしていて保健室特有の匂いも好きだったことがあると思います。

自分には事務的な仕事よりも看護師が向いているのではないかと感じたのです。

 

どのような学生生活でしたか。

 

監物:色々と事情があり、准看護学校を卒業した後に高等看護学院で学びました。

働きながら学ぶ必要がありましたので、一つ一つの授業を大切にしていました。

ギャップというよりも看護はこういう世界で、自分がその道を進むということにとてもワクワクしていました。

准看護学校は付属している病院がありますから、そこの生徒は午前中病院で仕事をして、午後は学校に行くのです。

そうすると病棟の患者さんからも「頑張って行ってこい」と励まされることもありました。

どちらかというと早く資格を取って、早く看護師として患者さんと関わりたいという思いが強くありました。

 

 

そうしますととても忙しい学生生活だったのでしょうか。

 

監物:そうですね。

特別何か遊びに行った記憶はありませんでしたが、辛い思い出はありません。

高等看護学院は夜のコースでしたが、ここでも同じように働きながら学びました。

実習がある時期は、朝から夕方まで実習でその後準夜勤、また次の日には実習という生活をしていました。

忙しかったですが、卒業して国家資格を取得した時はそれだけの充実感がありました。

 

なかなか想像がつかない忙しさですね。

 

監物:みんなそうやっていたので、それが普通という認識がありました。

ただ忙しい時は、自分がその中に身を置いていられることを褒めてあげたい、と気持ちを置き換えてはいたと思います。

 

看護師として資格を取った後、働く上で変わったことは何かございましたか。

 

監物:責任感が強くなりました。

今までは頼れる先輩が沢山いる中で過ごしているような形でしたが、卒業したらもう一人前に仕事をしてください、という雰囲気があったのを覚えています。

 

 

看護観を変えてくれたチーム医療

 

就職されたあとはどちらの科をご経験されましたか。

 

監物:初めは内科病棟を1年ほど経験して、外科病棟に移ってからは4年程いました。

その後は泌尿器と産婦人科の病棟に10年程度勤めました。

出産後に職場復帰した病棟が、神経内科と耳鼻科と眼科の混合病棟でした。

今から25年ほど前のことですが、その病棟では神経内科の患者さんが多かった事もありますが、褥瘡発生率が高い状況でした。

「なんでこんなに褥瘡があるのだろう」と不思議に思い、病棟会議で『褥瘡ゼロ作戦』を提案して取り組み始めました。

その中で、それまでは一人でやることがあったオムツ交換や体位交換も必ず2名でやることに変えて仕事の効率もあげられましたし、看護師の褥瘡に対する気持ちが変化していく様子も見られました。

その頃になって、根拠を持って看護をする感覚が付いてきて、さらに仕事が楽しくなってきました。

あと印象に残っているのは、筋萎縮性側索硬化症で人工呼吸器が外せない患者さんに対して、医師看護師の枠を超えてチームで取り組んだことです。

その方は春の渡良瀬川のアユの解禁を楽しみにしていらっしゃったのですが、当時は人工呼吸器がついたら外に出られないのが普通でした。

でもその希望を聞いた時に、「どうしても希望を叶えたい」と看護師と医師が垣根を超えて協力したのです。

アンビューバックでの呼吸補助訓練を1ヶ月ほど続けて、漸くリクライニング車椅子に30分ほど座れるようになりました。

それで短い時間でしたが渡良瀬川を窓から見て貰った時すごく患者さんが喜んでくれました。

そしてその後にはお風呂にも入れるはずだ、とシャワー浴もすることができました。

 

チーム医療は今の時代は普通のことですが、当時はその言葉自体がありませんでした。

ですから、誰も嫌な顔をせず協力してくれて、患者さんにも喜んでもらえる体験ができたことがとても感動的でした。

この経験は自分の看護観を変えてくれたように思います。

 

 

当時そこまで患者さんの要望を汲み取ってチームで医療を体験したというのはとても貴重ですね。

 

監物:そうですね、その体験ができた私はすごく恵まれていたと思います。

今でもその当時のスタッフと辛かった、大変だったという話ではなくて「あの時が一番、人生の中で楽しかった」と話をしています。

 

後編へ続く

 

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病院概要

桐生厚生総合病院

中 友美
A-LINE株式会社 代表取締役社長 シンカナース編集長
北区医師会看護高等専修学校 東京都立公衆衛生看護専門学校 東洋大学文学部国文学科 明治大学大学院グローバルビジネス研究科 経営管理修士(MBA) 日本大学大学院総合社会情報研究科 博士後期課程在学中 ニュージーランド留学 A-LINE株式会社/代表取締役社長 東京医科歯科大学非常勤講師 著書『わたしの仕事シリーズ2 看護師』新水社