No.40 堺文子様(レストア川崎)後編「自慢は多職種でチーム連携ができていること」

No.40 堺文子様(レストア川崎)後編「自慢は多職種でチーム連携ができていること」

  • 2017年8月11日
  • インタビュー
No.40 堺文子様(レストア川崎)後編「自慢は多職種でチーム連携ができていること」
No.40 堺文子様(レストア川崎)後編「自慢は多職種でチーム連携ができていること」

前編に引き続き、レストア川崎の堺文子療養部長にインタビューさせて頂きました。

 

今まで病院でしか経験がなくても、施設で働いてみたいなと思う看護師の方に対して「ここはこういうところですよ」というインフォメーションをいただけますか。

堺:そうですね。どこの老健でも取り組んでいることかもしれませんが、利用者を中心とした形でと考えておりますが、在宅復帰強化型の老健というのが一つあります。

これは、在宅復帰率が6カ月平均50%以上ということが条件のひとつになるのですが、在宅復帰を多職種で連携をとりながら、支援をしていくというところが、当施設の一つの強みだと思っています。

もう一つは、終末期ケアの充実を図っております。

最期に遭遇するのが怖い、不安だと思っていた介護職をしっかりと導きながら、そして定期的なカンファレンスで、その方の最期をどのようにしていくかということを、チームで工夫をしてケアの内容を考えています。

御家族にとってもいい時間を過ごしていただいて、「レストアでよかった」という言葉が私たちには最大の達成感に繋がりますし、振り返りをケースケースで行っています。

私はまだ3年目ですが、1年目よりも2年目、2年目よりも今年という充実さが段々と増してきていると思います。

振り返りの時期にみんなでカンファレンスをして、こういうことをもっとこうすればよかったなど、普段の会話の中でも聞かれますので、それを耳にしながら、他の人たちも考えたり取り組んだりしているのかなと思っています。

そこは、多職種でチーム連携を取りながらしているという部分は、私の自慢の部分でもありますね。

 

今まで経験していなくても、新しく興味を持つ人もそのような情報があると、もっと入りやすいでしょうね。

どうしてもイメージがなかったり、情報がなかったりすると自分が何をすればいいのかと思ってしまいがちでしょうから。

堺:面接にいらした方から「どういうことをするのですか?」という質問は多いですね。机に座って、処置があれば処置だけするというイメージが、もしかしたら強いかなという風に思いますけど、実際の現場を見ていただいて、看護師が入浴の時にもスキンケアや全身の管理を介護職と一緒にしますし、いつも座って机に向かっているだけではなく、動き回っている時間が多いですね。

 

仕事の話から少しそれますが、部長が仕事以外で楽しんでいらっしゃることはありますか。

堺:孫がおりますので、孫と一緒に遊んでエネルギーをもらうことが一つ。

電話一つにしてもそうですし、違う世界に入れるような気がします。

一緒に遊ぶのでも、まだ3歳5歳目線の部分で、楽しさを味あわせてもらっているような感じがします。

もう一つは、4年弱になりますけども、あるきっかけで、俳句を始めて、今は句会を少人数で定期的に催している句会に参加しています。

今、テレビでも流行っていますね。

堺:そうですね。

これからの自分の中で、一つの老後の楽しみにつながっていければということと、今まで知らなかった季語だとか、言葉との出会いとか、そういったところでは、非常に勉強になっています。

 

最近読まれた句とかはありますか。

堺:季節的に外れるのですが、旅行に行った先でのことを戻って来て作った「海沿いの くねる単線 去年今年」という句は、褒められた記憶があります。

 

絵が浮かんでくるような。

堺:そうでしょうか。

今の時期だと「月曜の 気怠さ隠し 衣替え」という感じでしょうか。

 

素敵ですね。

堺:これはずいぶん前の句で。最近では新鮮味がなくて。

 

サークルのようなグループに入られて考えていらっしゃるのですか?

堺:「えんた句の会」という句会があって、私が句を集めて清書して、みんなが選句しやすいような幹事的な役割をしています。

十数年やっている先輩がいて、いろいろ私たちの未熟な部分を直していただいたりしています。

みんな同じ土俵で、先生や生徒という形ではなく、みんなが一つの円になってという意味で「えんた句の会」っていう句会の名称にしています。

 

いい話を聞かせていただきました。

 

私は2年くらいしか経ってないので、そこを築き上げてきた先人たちがいると思うのです。

そしてもちろん利用者様にとってどうなのかということ、一緒に働きたい人かどうか、がその人を見るときの基準にしているものです。

外国籍の人も採用しておりますが、言葉の壁を乗り越え、例えば、家族を大切にする人、家族のように考えたり、人を大切にするというところが、言葉遣いや仕草に表れて、それはそれは丁寧に接していますので、見習う部分も大きいと思います。

私は特に珍しい事例だとは考えてはいないものですけど。

部長が自然に受け入れていただいたということで、周りのスタッフの方々も「あっそうか」と、仲間として受け入れてくださったのではないでしょうか。

今後2025年問題が出てくるかと思いますし、それが医療職、介護職含めて、我々が人材確保などどうにか解決していかなければならないところにきています。

さらには、これからの利用者さんとの関係づくりも含めて、大きく医療・介護が、変わっていく時期にきているように思います。

そうした状況の中で、こちらの施設での取り組みはございますか。

堺:介護の現場も、非常に厳しい部分があると思います。

どうすることもできない同じところを行ったり来たりするような、もどかしさも感じている中で、メンタルヘルスケアはすごく大事な部分だと思っています。

「ストレスチェック」も去年から始まりましたけど、去年を例にとると、研修の中にも、自分の傾向を知るという研修を組み入れてみたり、「アンガーマネジメント」研修を組み入れてみたり、怒りそうになったときの6秒間ルールを知る事でも大きな部分で、ただ頑張りなさいだけとか専門的な部分だけではなく、自分の傾向を知って、もちろん良い悪いではなくて、少し足りない部分をどういう風にすればいいといったところで、自分で少し気付いていけるような調整できるようなものを意識して研修を組んでいきました。

 

スタッフの方々も、今働いている方々からも、意識を少しずつ変えていっているのですね。

堺:そうだといいのですが。これまで中途採用にずっと頼っていた部分があるのですが、今年は3名の新卒の介護職を採用することができました。

無事に3か月目に入っているのですが、新卒同士で、配属場所が違っても、同じ思いをしていたりということがあるかと思いますので、きっちりと今後のキャリアにつながるようにしていけたらと思っています。

 

そういう意味では、中途だけではなく、2025年に向けて若い人たちもどんどん、新しいパワーを採り入れていきながら進んでいかれるということなのでしょうか?施設の全体で共有されている目標はございますか?

 

堺:基本的には施設の理念があり、名札の裏にも印字されています。例えば、勤務を始める前に各配属部署では、全体的施設理念からスタートするといったところですね。

理念に基づいて、みんなでケアをしていくという感じでしょうか。

普段部長がスタッフの方々によく言われていることとか、皆さんに伝えている今後施設が目指すものなどはありますか。

堺:まずは、私たちが健康でケアをすることが基本になりますので、明るさと元気さが一番なのかなと思いますね。

そういう意味では、つらそうに出勤してくるスタッフもいるのですけども、そこは大事にしたいです。

あとは、子育て中の人は、子どもにとって母親は一人ですので、子どもの状態によっては休みが必要だったら気持ちよく休んでもらえるように考えて、だんだん子どもが大きくなったら、将来こうしたいといったところに向かって頑張ろうね、とキャリアへのエールを送るようにしています。

年齢が上がってくると今度、親の介護で休暇をとるようになりますから、人材が十分ではなくても、気持ちよく休んでもらうということは各スタッフにも伝えて、周りが「こういう時は介護休暇をとっていいんだ」という風土ができるといいかなと思います。

 

手厚いというか、働きたくなる施設だなと感じますね。

今年入られた新人の方、今後また来るであろう新人の方に、メッセージをお願いします。

堺:まずは、元気に明るくたくましく、一緒に働ける方をお待ちしております。

一緒に勉強していきながら、キャリアアップを含めて、支援をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

シンカナース編集長インタビュー後記

堺療養部長は、笑顔がとても爽やかで、穏やかな方という印象でした。

看護師として、看護管理者として病院で長きに渡りご勤務されてきた部長のお話は多岐に渡り、大変勉強になりました。

看護師のキャリアの一つとして、看護部長から、介護系施設の療養部長という道があるということ、介護施設は、病院で行う看護の延長上にある在宅看護との橋渡しになるということも、堺療養部長のお話を通じて知ることが出来ました。

レストア川崎では、外国人スタッフも勤務しており、看護師、介護スタッフという他職種のマネジメントだけではなく、多国籍なスタッフのマネジメントも実践されていらっしゃいます。

堺療養部長から「介護職としての資質は国籍にとらわれない」というお言葉をいただいた時、スタッフそれぞれの個性や内面を大切にされていらっしゃるということが伝わってきました。

看護部長から介護施設の療養部長というキャリアの新たな可能性を感じさせていただきました。

堺療養部長、この度は本当にありがとうございました。

 

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中 友美
A-LINE株式会社 代表取締役社長 シンカナース編集長
北区医師会看護高等専修学校 東京都立公衆衛生看護専門学校 東洋大学文学部国文学科 明治大学大学院グローバルビジネス研究科 経営管理修士(MBA) 日本大学大学院総合社会情報研究科 博士後期課程在学中 ニュージーランド留学 A-LINE株式会社/代表取締役社長 東京医科歯科大学非常勤講師 著書『わたしの仕事シリーズ2 看護師』新水社