No.35 青柳明子様(北里大学メディカルセンター)前編「みんなで支え合って」

No.35 青柳明子様(北里大学メディカルセンター)前編「みんなで支え合って」

  • 2017年8月8日
  • インタビュー
No.35 青柳明子様(北里大学メディカルセンター)前編「みんなで支え合って」
No.35 青柳明子様(北里大学メディカルセンター)前編「みんなで支え合って」

今回は北里大学メディカルセンターの青柳明子看護部長にインタビューさせて頂きました。
看護部長として看護部をまとめる青柳看護部長の手腕に迫ります。

 

看護師になれば助けられる、という思いから

看護師になろうと思ったきっかけを教えて頂けますか。

 

青柳部長:いくつかあるのですが、まず小さい頃から母に「これからの女性は資格を持った方が良い」と言われていたことが関係していると思います。

また、中学の時に同級生が喘息発作を起こしたのを見て、すごく苦しそうでかわいそうで、「看護師さんだったら楽にしてあげられるのかな」と思ったことと、中学生になって進路を決める際に友人が看護師になるのを勧めてくれたこと、でしょうか。

その3つの要素が絡まって高校進学の時に看護師さんになろうと決めて、友人と一緒の衛生看護科の高校に進み、その後看護学校に入学しました。

 

看護学生時代の思い出に残るエピソードはございますか?

 

青柳部長:やはり実習ですね。

特に印象に残っているのは、肺がんを患っていらっしゃった方の受け持ちをしたことです。

当時は、疼痛コントロールも今のように十分ではありませんでしたから、今思えば、痛みや苦しさが日常的にある状態でした。

患者さんは、じっと何も言わずに我慢されていました。

学生の私が看護ケアをすすめても、ご飯を召し上がらなかったり、着替えをしましょうと声をかけても「昨日、家族が面会に来てしてくれ、やってもらったからいいんだよ」と嘘を仰ったりすることがありました。

わたしは、初めその嘘の理由がわからなくて、ケアされるのが嫌なのかなと考えていました。

でも、付き添っているとだんだんと、「今、体が痛いんだな」とか、「今は、動きたくないんだな」というように患者さんの事がわかるようになってきました。

それからは、患者さんの調子のいいときに合わせてお食事をして頂いたりできるようになりました。

直接的なケア自体は少なかったですが、患者さんが普通に休んでいるように見えても、静かな中で苦しさと戦っていらっしゃるということを教えて頂きました。

 

 

患者さんの言葉以外から情報を汲み取る経験をされたのですね。

 

青柳部長:そうですね。

看護学校でも「気付き」をテーマにした教育を受けて来ました。

患者さんになったつもりで病院のお風呂に実際入ってみたり、便器を使ってみたりもしたんです。

やっぱり体験してみることで、ここは危ないな、とかこういったケアが必要だな、と気付くこともありました。

この「気づき」の視点は、私が看護をしていく上で、提供した看護がこれで良かったのか立ち返る原点になっていると思います。

 

学生時代の経験はその後の看護師として働く上で影響してきますものね。

 

青柳部長:私の周囲に、看護師はいませんでした。

ですので、実習中に見た看護師さん達の立ち居振る舞いを見て、看護師のイメージを膨らませたように思います。

患者さんとの会話や接し方、話をするために屈むとか、ちょっとした動作の中にも優しさや思いやりが込められていましたね。

整形外科の実習の時には、教科書で出てこないことをベテランの看護師さんに教えてもらいました。

ベッド上の排泄ではベッドパンを使いますが、腰などを手術している人にとっては苦痛なものです。

そこで、その苦痛を取り除くためにそのベテランの看護師さんが教えてくれたのは、新聞紙と雑誌で作るベッドパンでした。

ベッドパンの出来上がりは、一見薄っぺらで心許なかったのですが、腰を上げられない受け持ち患者さんにはすごく喜ばれた思い出があります。

 

それこそ看護の醍醐味ですよね。

すごく素敵なエピソードありがとうございます。

 

 

 

みんなで支え合って

 

卒業後の病院選びはどのようにされましたか。

 

青柳部長:私は自分が実習をした病院に勤めました。

家から通勤ができますし、慣れたところで仕事をするのが一番いいのかなと思いましたので。

循環器内科と腎臓内科と血液内科の混合病棟に友人と一緒に配属されました。

 

新人の不安な時期にご友人が一緒ですと心強いですよね。

 

青柳部長:そうですね。同期や友人には支えられていました。

当時は病棟の看護師の配置も少なくて、配置された病棟の看護師の半分が新人でした。

先輩方も忙しいですから、2日で一通りマンツーマンで組みオリエンテーションを終え、もう次の日からは自立しなければいけなかったのです。

その短い期間で経験できることは極僅かですから、同期同士でよく情報交換をしていましたね。

 

看護師として成長する上で、やはり仲間の力は大きいものでしょうか。

 

青柳部長:そうだと思います。

困ったことや問題を自分の中だけに溜め、悶々とするだけでなかなか前には進めません。

でも友達とか声に出して話せる相手がいれば、自分が悶々と考えていたことの解決法も、よいタイミングでアドバイスがもらえます。

私の周囲には、志の高い先輩方や支え合う同期がいました。私は、周りの人に支えられて育てて頂いたという思いがありますね。

 

新人でも誰でも大変な時期があると思いますが、乗り越える方法はありますか?

 

青柳部長:辛い時、そのままでは前には進めません。

ですから、何か1歩でも2歩でも前に進めるように行動を起こすことが大切だと思います。

例えば、わからないことを自分で調べたり、アドバイスをもらったりと動くことです。

わからないままになっていると仕事が滞り、焦るようになります。

私は新人の頃、時間に余裕はなかったのですが、先輩やリーダーの仕事のお手伝いをすることがありました。すると先輩看護師は、「この検査の正常値いくつ?」とか、機会ある毎に直接ご指導頂く事も多々ありましたね。

先輩や仲間に助けを求めるのは勇気がいると思いますが、意外と周りの人はそう言ってくれるのを待っていたり、慣れていますから、安心して力を借りてもいいと思います。

 

新しい看護師さんにとってはとても心強いですね。

 

青柳部長:看護って教育的要素を含んでいると思います。

つまり、看護ができる人は教育的なマインドも持ち合わせている人だと思います。

熱心に指導ができる先輩たちは、看護もできるし良いアドバイスもできます。

周りに素晴らしい看護師たちが居ると気付きさえすれば、見える景色も変わってきて辛い状況から抜け出すきっかけにもなると思います。

 

後編に続く

 

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施設概要

学校法人北里研究所 北里大学メディカルセンター

中 友美
A-LINE株式会社 代表取締役社長 シンカナース編集長
北区医師会看護高等専修学校 東京都立公衆衛生看護専門学校 東洋大学文学部国文学科 明治大学大学院グローバルビジネス研究科 経営管理修士(MBA) 日本大学大学院総合社会情報研究科 博士後期課程在学中 ニュージーランド留学 A-LINE株式会社/代表取締役社長 東京医科歯科大学非常勤講師 著書『わたしの仕事シリーズ2 看護師』新水社