No.31 桃田寿津代様(横浜総合病院)後編「夢がなかったら仕事はできない」

No.31 桃田寿津代様(横浜総合病院)後編「夢がなかったら仕事はできない」

  • 2017年8月5日
  • インタビュー
No.31 桃田寿津代様(横浜総合病院)後編「夢がなかったら仕事はできない」
No.31 桃田寿津代様(横浜総合病院)後編「夢がなかったら仕事はできない」

前編に引き続き、横浜総合病院の桃田寿津代看護部長へのインタビューをお送りいたします。

 

学びがないとついていけなくなる

 

その信頼できる職場を継続したりつくり上げていくというのは、それはトップのお考え一つで変わっていくなといろいろ見てきているものですから、そこが大きいと思います。

やはり副院長がいる職場だからといって目指してこられたりとかはありますか。

 

桃田:私は広げているんです。例えばグループ病院なんて大変なこところじゃないですか。

 

私の知っている看護部長さんを紹介しました。

 

あそこの常務理事も私が紹介したんです。

 

大きいですよね。

 

桃田:そこが良くなることは日本の医療の発展につながる。

 

いろいろ言われたって人員配置した病院であってほしい。

 

神奈川県で辞めた人たちは違うところを紹介して、この間は北海道の人に転勤があって、紹介してくださいって言われました。

 

全国紹介しています。

 

それで私もその人たちに学ばせてもらう。病院いろいろじゃないですか。

 

だからその人たちから学ぶという姿勢がないと駄目だと思う。

 

ただしてるとかいうのではなくて、していることからも学ぶということですか。

 

副院長自らずっと学びが?

 

桃田:学びがないとついていけなくなる。

病院間における看護師リリーフ体制

 

副院長は今も全国的な活動をされているのですが、さらにもっとこういうこともやっていきたいということはありますか?

 

桃田:今私が考えているのは教育。

 

看護協会として看護の取得4年制。

 

そして今認定っていろいろやっているけどそうではなくて、もっと積み上げていけるような教育の体制づくりをやってもらいたい。

 

私は看護協会も関わり、それを自分の職場にきちんと伝えて、地域の大中小かかわらずそういう人たちにもやはりきちっと「こういうのがあるよ」ということを、一緒に育てたい。

 

看護師を貸し出すということを考えています。

 

1カ月に何回かしかない手術室とか困ったときに看護師を貸し出すのです。

 

だからお宅の病院でどうしても手術したいけど、人がいないんだったらうちの看護師使って下さいというシステム。

 

そんな発想があるのですか。

 

桃田:それがやはり医療の未来だと思う。

 

今出ているのはいろいろな問題があった病院。

 

あそこをまた再開するんです。

 

私が頼まれたから、看護師がどうしても来なかったらうちから貸し出すと言っています。

 

そこの病院じゃないと取れない患者さんだっていると思います。

 

だからいい病院作ってと思っています。

 

そういう話し合いもそこのオーナーとやりとりします。

 

そういう相談が来るというところがまた。

 

桃田:だから向こうもうまいです。

 

神奈川県の病院協会が何だかんだ私を巻き込んで、こういうふうにしたいと言ってきます。

 

横浜市の看護部長会も作られたんですけどね。

 

そこでも人の貸し借りをしていかないとならない。

 

困っているのは放っておけない。

 

自分のところだけ7:1という時代じゃないんですね。

 

桃田:だって患者さんは選べないわけですから。

 

みんなが困らないようにするには、やっていかないといけないよと思います。

 

初めてというか、そういう発想。

 

桃田:私、日本看護協会にはガンガン言っています。

 

理想じゃないだろうと。地域はどうするかという。

 

看護職は地域に密着しないと駄目。

 

看護補助者を教育すると病院が変わる

 

看護のサポートとして看護助手、今看護協会も看護補助者に対する取り組みが打ち出されているかと思うのですが補助者の方に関してはどのように今後なっていくと思われますか?

 

桃田:私は看護職だけでやっていく時代ではないと思っています。

 

やはり補助者を教育しながら、患者さんの側で仕事をできる人を育てていくのを私たちは責任を持ってやらないといけない。

 

私のところも補助者が30何人います。

 

そんなにいらっしゃるんですか?

 

桃田:はい。

 

辞めないです。

 

この人たちの研修やるんです。

 

教育していくんです。

 

それが看護師よりいいものです。

 

接遇に関しても仕事に関しても、資格はないけれどもすごい学んでいく人です。

 

この人たちできれば看護学校行ってもらいたい。

 

でも経済的な負担があるから、それを病院で支援したい。

 

補助者を育てるということは病院がどう変わるかということです。

 

それは大きいんですね。

 

桃田:私のところはナース服の会社と研究しながら、補助者の業務を何日間か全部調査して、うちの病院は全国で一番高かったんです。

 

今度学会発表するんですけど、補助者が素晴らしいのです。

 

エレベーターのところまでこうして案内するんです。

 

接遇的なことも。それって逆にナースも学ぶところが多いということなんですね。

 

桃田:前はそんな補助者はないです。

 

だから教育すれば変わるということ。

 

やはり認めてあげないといけない。

 

そこ大きいですね。

 

桃田:その人たちが気分良く働けるように認めて、周りの看護職にきちっと伝える。

 

資格はなくてもこの人たちどんないい仕事するんです。

 

だからいいですよ。

 

夜勤も入っています。

 

看護師に19,000円払っていますが、それは補助者10,000円です。

 

申し訳ないと思って早番と遅番に料金を付けたんです。

 

それを私の権限でできるからいいんです。

 

すごく手厚いです。

 

桃田:それができないと、言うことも聞いてくれない組織だったら駄目だろうと。辞めないです。

 

患者さんが一番癒されるのは看護補助者

 

今後看護補助者さんとの協同というところは看護に欠かせないですね。

 

桃田:欠かせないです。

 

それをきちっと教育していく、そして補助者の味方になってしてあげないとならない。

 

処遇が問題です。

 

下働き的な対応だけだと、やはり相互の理解がないというかたちになってしまうんでしょうか。

 

桃田:患者さんを一番癒すのは補助者です。

 

そこをしっかり受け止めて、その人たちに患者さんが何でも言えるような関係づくりを看護の人たちに伝える人たちを育てることが大事だと思います。

 

現場変わりますよ。

 

そうですか。

 

桃田:今は認め合っています。

 

補助者さんを?

 

桃田:補助者素晴らしいと言っている。

 

動きもいいです。

 

調査に大学の教授が入ったときにてきぱきしていてマナーもいいしびっくりしていました。

 

面接しても素晴らしいとおっしゃっていました。

 

それが発展していったら、すごいいい看護になっていきそうですね。

 

人手不足解消に外国人や障がい者の雇用

 

桃田:必ずしも資格がいらないものは補助者がビシッとできれば素晴らしいです。

 

海外のいい面と日本のいい面がすごく合わさったかたちの看護師と看護補助者の関係が、未来を明るく照らしているような気がするんです。

 

桃田:マニュアルは出しているんですど、必ずしも日本人じゃなくていいですよ。

 

これからオリンピックまではいろいろいるんだよ。だからそんなに教育できればどこにいてもいいよ。

 

看護の現場を背負わなくちゃいけない。

 

そういうのはお互いに生きていかないといけないから、そういうの拒んじゃいけないというの。

 

健常者だけやっていちゃいけないと。

 

そこも含めて。

 

桃田:事務に耳の障害者雇用したんです。

 

その男性が生き生きとしてね。

 

毎日その子の顔を見に行くんです。

 

30位の子ですかね。

 

ニコッとして笑うんです。

 

私の名前わかるかって聞くと「分かります」って言うんです。

 

苦労しているだろう、普通の人より気を遣っているんだろうと思うんですけど、何となく事務の雰囲気が変わった。

 

その人が来るとすごく雰囲気変わる。

 

みんなが思いやり。

 

すごいですね。

 

桃田:彼を入れたことで、変わった。

 

彼がすごいいい人だった。

 

これからは全てが、障害者であっても、精神だとちょっと困るんですけど、多少の精神でも一緒に生きていかなきゃいけないんじゃないんですかと師長さんと言ってるんです。

 

そこで外国人ですとか障害があったりですとかっていう、一般的にはどうしても壁と考えられてしまうようなところも、そういったものもなくっていう。

 

桃田:そうです。

 

自分たちは障害がないんだからいいのよ、一緒にやっていこうよって。

 

みんな変に思ってるかもしれない。

 

本当ですよね。

 

桃田:インドネシアが嫌だとかフィリピンが嫌だとか言うけど、その人たちが仲間入りしていってやっていけば、いつかは変わってくれるだろうと思う。

 

大事なことだと思います。

 

これからの課題です。

 

看護にとっても医療全体にとってもの今後の課題ですね。

 

ただ「人手が不足している」と言っているだけでは、もうどうにもならないというところでしょうか。

60歳過ぎても元気に働く社会

 

今後、そうしたいろいろな課題はある中で副院長としては看護の未来は明るいというふうに考えていますか?

 

桃田:明るいです。

 

感じられていらっしゃいますか。

 

桃田:例えば大体みんな看護部長になると58ぐらいになるんです。

 

あと2年で終わり、やる気がない、それじゃ駄目だということ。

 

みんな元気で働いて120歳の年代、平均寿命120歳の時代がこれから何十年か後に来るんです。

 

そうすると60前で息切れするようなんだったら要らないですよ。

 

まだまだ半分ですもんね。

もったいない。

 

桃田:だからそこを元気に働き続けて、世の中のためになるようなことを早い段階から自覚してもらいたい。

 

まず自覚からですね。

 

桃田:自覚ですよ。「あとちょっとで自由になる」ってそんなことあり得ない。

 

うちで働く人は税金払ってなさいって言う。

 

「あなたの給料下げたくない、だからしっかり税金払って元気に働いて」って言っています。

 

短期的にとかパート的にではなく、きちっと働いてということなんですね。

 

桃田:そうです。

 

管理職が孤独なんてあり得ない

 

看護管理職の方々へメッセージはありますか?

 

桃田:私は孤立しないということと、いろいろな人たちのいいところと悪いところ、多く見てもらって、自分がそれにどう判断するかということをきちっと見極めて看護管理をしてもらいたい。

 

神奈川県の場合は年に何回か研修会があるんです。

 

340以上ある病院のうち300人が来ます。

 

研修に?

 

桃田:診療報酬だったり病院がどうしたら生き延びられるかという、いろいろな講師を呼んで、その講師を選択するのも私が決めるんです。

 

だから本当に国の催し物があったらどこにも呼ばれたら行きます。

 

そこで「この人がいい」と会議にかけてお呼びする。

 

管理職も孤立しないということがスタッフであったり、看護以外の人ともつながっていくという部分になるんでしょうか。

 

よく聞くのが、どうしても管理職は孤独とか。

 

桃田:あり得ない。

 

だからいろいろな人と関わりを持って、そして相談したり相談受けたりする。

 

相談するだけでなく、相談を受けるぐらいの大きさを持ってもらいたい。

 

相手の話も聞いて、例えば解決のためのアドバイスをするという。そういうことをしないとどんどん孤独になっていったり。

 

桃田:駄目です。

 

神奈川県はそういう点では、まず自分たちが立場的にフリーになってなんとなくされているようなことを悩みますよね。

 

「辞めて違うところに行きなさい、私が探してあげるよ」と言います。

 

安心してそういった相談もできるんですね。

 

相談して駄目だではなくて…。

 

桃田:それがやはり持ちつ持たれつ、研修会にみんなぞろぞろ出てきて、私があいさつするんですね、みんないろいろな問題を言いながら元気にしていく。

 

自分がもらった給料で満足して、使わない人いるじゃない。

 

許せないです。

 

思いっきり使ったらどぉ。

 

私いつも言うんです、おいしいもの食べて、いいもの着て、いいものを見て、そうしましょうよって思います。

夢がなかったら仕事はできない

 

桃田:やはり夢がなかったら仕事はできない。

 

そして夢を語り合える仲間がいないと駄目だと思います。

 

看護のトップの方が夢を語るとか、未来は明るいというメッセージってすごくこれから看護師になろうと思っている人とかスタッフ看護師のすごい希望や光になると感じます。

 

やはり看護管理者はもっと明るく未来を語っていかないといけないということですね。

 

桃田:それを言い続けていると、例えばこの前辞めた看護部長さんのお話で、ずっと働かないなら、税金払ってくれって言いました。

 

そうしたら3月末日で辞めて、来週、いろいろなところ連れて行くんです。

 

招待されたところに「一緒に行かない?」ってコンサートでも何でもいいんです。

 

ご一緒してあげるんです。

 

そうしないと明るくならないんです。

 

再来週、次の職場がどうしてもやってくれと言ってきたんです。

 

だから「行きなさい」「ポストは私が言ってあげる」って言ったんです。

 

会いに行くみたいです。

 

みんな働いています。

 

離職防止ではなくて、もう雇用の促進もされていらっしゃるんですね。

 

桃田:桜美林大学が日本で初めて学生と高齢者の居住の場を作ったんです。

 

そこにも70歳過ぎの管理職を紹介しました。

 

紹介してくれってどんどん来るんです。

 

紹介してほしいという人も来るし、どうしようと悩んでいる人も来るのですね。

 

やはり引き寄せられるんですね。

 

桃田:人間って私みたいに何でもないのがいろいろな仲間づくりをして楽しく過ごせることをみんなにしてもらいたい。

 

だからいかに楽しく生きるかって、自分で改革しなきゃいけない。

 

誰かに楽しくしてもらおうじゃ駄目ってことですね。

 

それって新人の人でも「教えてくれないと」とか「教えてくれなかったから」という考えとは全く逆ですね。

 

自分から楽しむとか、自分から学ぶというところで、そうすればこうなれるんだということですね。

 

桃田:開けると思いますよ。

 

これからの若い人は進むテンポが違うわけですから、うんと成長します。

 

これからも仲間をいっぱい作り続ける

 

ずっとこのまま行かれますか?

 

桃田:はい。

 

仲間を増やして。

 

さらにもっと増やされる?

 

桃田:はい。

 

仲間はいっぱいつくることです。

 

すごく感動しました。

 

全然聞いたことのないお話ばかりでした。

 

看護ってすごい可能性ありますね、よく考えたら世界にも活躍して出ていける日本の看護を広めていけるチャンスってまだまだあるということですね。

 

シンカナース編集長インタビュー後記

桃田副院長には、6−7年前ぶりに再会させていただきました。

最初にお会いした時も、看護の未来について熱く語っていただき、看護職の社会的立場や可能性について教えていただきました。

当時から、看護界全体を俯瞰して捉えていらっしゃり、後輩指導にも力を入れてらっしゃるというイメージがありましたが、今回は、より具体的に、お話を伺うことができ、桃田副院長の魅力を更に感じさせていただけました。

頼られる方には、頼られる理由がある!

病院の副院長、日本看護職副院長連絡協議会の会長、神奈川県看護部長会の会長という職務を実施されながら、パワフルに多方面にご活躍されていらっしゃる。

それでいて、常に前向きで、その環境を楽しんでいらっしゃるように見受けられました。

その根底には「看護を愛する」お気持ちがあるんだなとお話の端々に感じられます。

桃田副院長、この度は、お会い出来、また詳しくお話いただきまして、本当にありがとうございました。

 

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施設概要

医療法人社団緑成会 横浜総合病院

 

中 友美
A-LINE株式会社 代表取締役社長 シンカナース編集長
北区医師会看護高等専修学校 東京都立公衆衛生看護専門学校 東洋大学文学部国文学科 明治大学大学院グローバルビジネス研究科 経営管理修士(MBA) 日本大学大学院総合社会情報研究科 博士後期課程在学中 ニュージーランド留学 A-LINE株式会社/代表取締役社長 東京医科歯科大学非常勤講師 著書『わたしの仕事シリーズ2 看護師』新水社